ワクチンを受けない兄妹について

初期の新型コロナウイルスでしたら、ワクチンにより感染予防効果(発症予防効果)は、90%くらいの時期がありましたので、「接種しなければ帰省NG」は合理性がありました。しかし残念ながら新型コロナウイルスは変異を重ねましたので、従来型ワクチンでの感染予防効果は40%くらいとする報告があります。(観測の仕方などで値に違いはでますが、下がることは間違いないです。)
とはいえ、重症化については、いまだ80%とか90%といった予防率とされていますから、接種する価値はとても高いわけです。

>>４回目接種を受けないのであれば帰省は遠慮してほしいと言ってよいものでしょうか

ワクチン接種に感染予防効果を期待しすぎては危険です。基礎疾患のあるご高齢のお母さまを守るには、
・お母さまへのワクチン接種3回以上が最重要です。お母さまこそ5回完了が理想です。
・お母さまが、移植を受けて免疫抑制剤を使っていたり、免疫が低下する病気など、ワクチンが効かない状況でないことも必須条件です。
・お母さまのワクチン接種後の中和抗体価を調べて、どの程度免疫がついているかのチェックと、その検査費用を妹さんに出して貰っても良さそうです。

妹さんへは、「帰省しても良いが、まずは実家の近所のホテルなどに1週間ほど待機してもらい、1週間経過後に実家に来る、といったスケジュールにして欲しい」と言うのは、感染予防的には合理性はあります。ホテル待機費用は妹さん持ちです。

※
もしかしたら妹さんは、「実家そばでPCR検査を受けて、陰性だったら実家に行って良いよね？」とおっしゃるかもしれません。しかし、残念ですが、そのPCR検査は「検査の瞬間は感染が確認できなかった、かつ、PCR検査の仕組みとして70%ほどの確度しかない、といった意味にしかならず、無条件に基礎疾患がある母と会って安心できるものではない」と、なります。

※
中和抗体は、感染予防する効果として期待できるものです。重症化が防がれる仕組みとは、また違うものとされています。提案しておいて、こんなご案内はいぶかしく感じられるかもしれませんが、お母さまの中和抗体を調べる意味も、重要度はあまり高くはありません。

※
ワクチン接種する毎に副反応は出やすく強くなりやすくなります。これはワクチン接種する毎に、免疫が病原体を見つけるチカラを付けた証拠です。COVID-19に感染したら、そんな副反応とは桁違いの重くつらい症状が出て、副反応と違い後遺症のリスクも桁違いになります。
妹さんへの朗報としては、現在追加接種できるワクチンは、2価ワクチンのみなので、副反応が少なめになる可能性が高いことです。2価ワクチンは、従来型ワクチンとオミクロン対応ワクチンが、半分ずつ混ざっています。副反応が低い理屈は、免疫が学習済みの従来型は半分だからです。そしてファイザーのほうがモデルナより量が少ないため、そこでもまた副反応を減らせる可能性があります。

※
長距離移動することは、人と会いやすくなります。その分、感染する確率も高くなります。そんな妹さんご本人こそ、ワクチン接種したほうが安心安全なはずですが、強制はできません。ワクチン接種の利益と、COVID-19感染のリスクを説明する以外は無いと思います。

まとめますと、
ワクチン接種していたとしても、実家近辺の宿泊施設に1週間待機、これが基礎疾患のあるご高齢お母さまを守る方法です。

以上、参考にならなかったらごめんなさい。