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建物などの耐震基準が甘かった理由
2018/12/21 19:36
地震に関する歴史的な記録は枚挙にいとまが無く、千年以上昔に大地震が発生している記録が残っています。我が国ではM7を超える地震が度々発生していたのです。
素朴な疑問として、建物などの耐震基準が最近まで甘すぎであったと感じています。過去には大きな地震は無かったため基準が甘かった、というのは言い訳にもならないと思います。
質問は、耐震基準が最近まで甘すぎた理由を知りたいのです。
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現在、震度は震度計で測定していますが、その震度計は平成3年(1991年)気象庁により開発され、平成8年(1996年)から全国的に使用されるようになったものです。
それ以前は、気象関係者による体感や周囲の状況で震度を判定していました。
気象関係者のいない地域の震度は、気象学者が出かけて行って、聞き取り調査や被害の状況を見て震度を判定していました。
震度7という震度階級ができたのは、昭和23年(1948年)の福井地震以後のことです。
耐震基準は明治時代から、地震による大きな被害が出ると、そのたびに改正されてきましたが、以前は実験設備も小規模でもっぱら計算による耐震設計が行われていましたので、構造設計が計算結果を満たしているのか検証がむつかしかったのです。
また、太平洋戦争で多くの家が焼失し、戦後すぐに立てた家屋は耐震など考える余裕がない状況で建てられました。
地域によっては、そのような家がまだかなり残っているようです。
本当に有効な耐震基準は、実際の地震の揺れに耐える構造とはどういうものかを知らなければ作れません。
現在のように、民家一軒まるごと過去の地震動の揺れを加えて実験するようなことができるようになったのは、30年ほど前からです。過去の耐震基準が十分でなかったのは、やむを得なかったと思います。
実はもっと根本的問題があります。実験を行うと少し前の耐震基準の家でも倒壊してしまうことはあまりないのです。
現在の耐震基準の家屋を倒壊するまで、何度も過去の実際の地震の揺れを加える実験のビデオを見たことがありますが、3度目でも倒壊してしまうことはありませんでした。
実際の地震被害に比べると驚くような実験結果でした。
こういう結果についてはいろいろな推測が成り立ちます。
一つは手抜き工事です。
阪神淡路地震の時に工務店ごとの被害の大きさの差が大きすぎるという事がひそかに言われていました。
一部は報道されましたが、うやむやになってしまいました。
手抜き工事を防ぐには、建築業者と無関係の建築士に建築管理を依頼し、工事の要所要所で検査してもらうしかありませんが、これはかなり費用が掛かります。そういうことをする人は、あまりいないのです。
もう一つは、家屋の劣化です。
木造家屋は定期的に専門家に見てもらい、補修や対策をしないと耐震強度が落ちてしまいます。
基礎周りの劣化が進んでいる家屋は意外の多いそうです。
現状はこういう事です。
お礼
2018/12/21 22:03
震度計や実験設備の開発の遅れは聞き及んでいましたが、地震対策に積極的に取り組んでいたか疑問が残っています。また、耐震基準内で倒壊する例が問題になっていたと思います。
詳しいご説明ありがとうございました。
>過去には大きな地震は無かったため基準が甘かった、というのは言い訳にもならないと思います。
では、マグニチュード幾つまで想定すれば良いのでしょう?
日本で観測されているのは、M9.0が最高です。世界最大は、チリ地震(1960年)のM9.5です。
言い訳にならないと仰るのであれば、何を基準にすれば良かったのでしょう?
体験したことのない事を想定するのは、非常に難しいことです。過去に起きた大地震においても、データが残されていなければ何の役にも立ちません。それとも、起きるはずのないと言われているM10.0まで想定しなければいけないのでしょうか?
文句やクレームはいくらでも言えます。上でも書いた通り、対策を練ろうにも実際に起きた事の無い事象に対して対策を施すのは無理があります。言い出したらキリが無いと思いますよ。
お礼
2018/12/21 21:57
質問者としての私見ですが、過去の歴史が日本ではM9程度なので、少なくとも公共の建築や集合住宅などはそれを意識して設計されるのが好ましいと感じています。
ありがとうございました。
地震に対する危機感が高まったから、基準が厳しくなったというのが現状ではないでしょうか。
現在は地震監視システムや計測機器が発達し、またデータによる大地震の発生周期から次の発生時期を予測し、警鐘を鳴らしていますね。こうなると建築業界としては対策を取らない訳にはいきません。今まで耐震基準が甘かったのは、高い基準を適用しても、それを買える人々が少なかったからではないでしょうか。
現在一部の建築業者は、戸建てでも免振基礎のオプション設定があります。坪単価にして数十万円高くなります。
しかしこういった技術を採用しているのは、公共の建物が殆どですね。
結局はお金なのでしょう。
お礼
2018/12/21 22:07
お金に起因していることは感じています。過去の例で同程度のビルでも被害の程度の差が大きいことです。
まあ、世の中すべてお金が関係していることは否定しません。
ありがとうございました。
耐震基準が緩かった原因としては、昔は耐震設計の技術が無かったので、建設費が高価であり、現実的では無かったからでしょうね。筋交いぐらいしか補強技術が無く、今のような耐震設計や免振設計がありませんでした。その為に、震度5ぐらいの地震に耐えるのがせいぜいで、震度6を超える巨大地震が起これば、瓦礫の山になるのは仕方が無いという考えが支配的だったように思います。霞が関ビルのような特殊構造の建物は高値の花だったわけです。
そういう諦めの考えで決められた耐震基準だったので、数十年前から始まった巨大地震に耐えられるはずもなく、地震被害が拡大するたびに耐震基準を引き上げなければならなくなり、今のように耐震基準が非常に厳しくなったわけですが、建設費用の高額化や広い部屋が作れない制約が多くなったようにも思います。
最近の地震で倒壊している建物の多くは、耐震基準が古かった時代に建設された建物で、震度6に耐えられない設計の建物が多いようです。耐震基準が甘過ぎたのではなくて、当時の技術では建設費用がかかり過ぎて難しかったのが原因です。
お礼
2018/12/21 20:33
以前は耐震強度を高める技術が乏しく、震度6を超えるような地震には耐えられない設計が認められていたのですね。
超高層ビルは採算を度外視した特殊構造を取り入れて多額の建設費用をかけていたのですね。
ありがとうございました。
お礼
2018/12/21 22:10
何百年の歴史を持つ木造の日本建築で地震に耐えている建物もあります。どんな理由にせよ耐震基準を下げたことは安全性軽視であり容認されるべきで無いと感じています。
ありがとうございました。