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銅箔の必要性についての疑問
2023/10/17 21:25
- プリント基板の回路形成部門に所属している者が、銅箔の必要性について疑問を抱いています。
- 無電解銅工程でのスルホール内の導通確保に加え、基板表面の銅箔は必要ないのではないかと考えています。
- ご存知の方、銅箔の必要性について教えていただけないでしょうか?
銅箔の必要性
2009/01/30 18:27
プリント基板の回路形成部門に所属している者です。
以前から疑問に思っていたことを質問させていただきます。
スルホール基板の作製過程で、穴あけ後、無電解銅⇒電解銅の順でスルホール内に導通を確保します。
通常、基板両面の表層に銅箔が存在し、その上に無電解銅を施しますが、この銅箔は必要なものなのでしょうか?
無電解銅工程でスルホール内だけでなく、基板表面もめっきするわけですから、これで電解銅をおこなうための導通は充分に確保できるわけで、敢えて基板表面の銅箔は必要ないと思うのですが?
非常に基礎的な質問かもしれませんが、ご存知の方、ぜひ教えてください。
回答 (9件中 1~5件目)
>まだ実用化に至っていない
これは下記の本に書いてありました。2007/05発売のもので、ちょっと時間が経ってますが、読む価値はあると思いますよ。
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この質問は投稿から一年以上経過しています。
解決しない場合、新しい質問の投稿をおすすめします。
>セミアディ法で使用する樹脂は、表面をさほど粗化せずとも化学銅との密着性は良いものを使用している?
セミアディティブ法では樹脂に直接めっきしますので、銅の接着力は弱いです。樹脂と銅箔の密着力をあげる方法の一つに、アンカー効果があります。ですが、表面を粗くすると電気的特性に悪影響が出ることは前述の通りです。よって、表面が平滑でも強い接着力を得られる方法を開発中ですが、まだ実用化には至っていないと思います。接着力と電気的特性のどちらかを諦めなければなりません。
サブトラクティブ法では銅箔にめっきするので、銅箔-銅めっきの密着力は強いでしょう。問題は銅箔-エポキシ樹脂です。銅箔をアルカリ処理して酸化銅皮膜を形成し、コア材に銅箔をのせさらにプリプレグをのせて積層プレスで加熱加圧接着します。めっきと違い、アンカー効果だけに頼らずとも、コーティング剤を塗布することで平滑な銅箔でも接着力を向上させることができます。
銅箔が厚いとエッチング時間が長くなり、結果サイドエッチングの影響が大きくなるためパターン精度が落ちます。セミアディティブ法は銅箔がない分、エッチングの精度を向上させることができます。
というのが私の調査結果です。
お礼
2009/03/12 15:26
調査いただき、ありがとうございます。
確かにアンカー効果をもたらすため、エポキシ樹脂にガラスフィラーを混ぜ込ましてめっき銅のピール強度を上げているようです。ガラスフィラーを使用するにしても表面は粗いわけですから、電気的特性は若干悪くはなるでしょうね。
ポリイミドを使用すると、表面が平滑でも密着性は良いようですが、ポリイミドはCOFやTAB等のフィルム基板への利用が多く、シード層は化学銅よりもより密着性の高いNi-Cuスパッタリングをおこなっているケースがほとんどと思います。
そうなると材料技術屋さんの調査どおり、「表面が平滑でも強い接着力を得られる方法」というのはまだ実用化に至っていないのでしょうかねぇ。
しろゆうです。
今、読み返すと、判り難い回答だったと反省します。
日本語がなって無かったです。
言われる通りの内容で正しいと思います。
ただ、マイクロエッチングで完璧ではありませんが、大部分の
銅上のコンディション成分を取り去り、コロイド触媒の吸着力が
なくなります。上に乗っているだけ。
ただこの部分にキャタリスト工程で触媒は乗りますが、後の
アクセレレータ工程で大方落ちると思います。完璧ではありません。
セミアディティブでも、薄い銅箔を使用するプロセスが主流と思います。
また、フルアディティブでは触媒含有の特殊な材料が使用されます。
あくまで私の知る範囲のアドバイスです。
お礼
2009/03/11 20:14
しろゆうさん、こん○○は。
コメントいただき、ありがとうございます。
関係者の方だけあり、非常に興味のある内容でした。
>ただこの部分にキャタリスト工程で触媒は乗りますが、後の
>アクセレレータ工程で大方落ちると思います。完璧ではありません。
私の認識では、アクセラレーター工程でも銅箔表面の触媒は落ちることなく、
化学銅析出は起こると思っていましたが。
実際、化学銅上がりの基板を見ても、明らかに表面に化学銅が乗っているように見えますし。
そうなると、銅箔表面上に乗っている化学銅は、密着性が悪いということになるのでしょうか?
>セミアディティブでも、薄い銅箔を使用するプロセスが主流と思います。
>また、フルアディティブでは触媒含有の特殊な材料が使用されます。
なるほど。セミアディで使用する銅箔は、どのくらいの厚さなのでしょうか?
あまり厚いと非配線部分の銅箔をエッチングするには、
配線上にエッチングレジストを敷かないと銅配線もかなりエッチングされてしまいますよね。
私自身、アディティブ法の知識があまりないもので、
フルアディで触媒含有の特殊な材料が使用されるというのははじめて聞きました。
となると、逆にめっきレジストには、化学銅の触媒が吸着しない特殊な材料を使用しているということですね?
私が調べたところ、銅箔を使用しないセミアディ法でも、
銅めっきとの密着性の高い樹脂を使用しているようですし、
アディティブ法を採用しているところは、各社独自のノウハウがあるようにも感じました。
回答(5)材料技術屋です。
>「"引き算型"の方が安い」分、基板表面の配線断面積を充分確保するために銅箔を乗せている
私が質問を勘違いしていました。「ゼロからめっきで銅を積み上げていくより、銅箔の上に銅を積んでいく方が安く仕上がる(らしいです)からじゃないの?」という意味で書いたものです。
>基板表面もめっきする・・・銅箔は必要ないのでは?
この部分を失念しておりました。技術上の理由ではありません。ですので、「基材に銅を・・・安いから」はなかったことにして下さい。
プリント基板を流れる電流の周波数が高くなると、表皮効果により導体パターン表面に電流が集中するようになります。そうなると、表面の凹凸が信号の伝搬を妨げます。これが"電気特性上よろしくない"理由です。
で、銅箔を用いる理由は・・・・・、何でしょうね?
接着剤で付ける場合はめっきでつけるときほど粗面化する必要がないのかな?
それか、スルーホールめっきが開発される前は銅箔付き樹脂をエッチングしただけ回路形成していた。それが発展して今のサブトラクティブ法になったとか。
何一つ回答になってませんね。すみません。
材料技術屋です。
2回目の回答も、読み返してみると分かりにくかったです。
私の1回目の回答は「銅箔有り無しでそれぞれプロセスが違う。(セミ)アディティブ法よりサブトラクティブ法の方が安くつく。だからkat3210さんの会社ではサブトラクティブ法を採用しているのではないか?」ということです。
銅箔の存在意義ではなく、「なぜサブトラクティブ法を採用しているのか?」と勝手にご質問をねじ曲げてしまいました。
お礼
2009/03/11 00:26
早速のお返事、ありがとうございます。
>プリント基板を流れる電流の周波数が高くなると、
>表皮効果により導体パターン表面に電流が集中するようになります。
>そうなると、表面の凹凸が信号の伝搬を妨げます。
>これが"電気特性上よろしくない"理由です。
なるほど。そういうこともあるのですね。
あと、もしかしてセミアディ法で使用する樹脂は、
表面をさほど粗化せずとも化学銅との密着性は良いものを使用しているというのもあるのですかね?
その分、通常のプリプレグよりも価格が格段に高かったりして。
ここら辺から調べてみてもいいかもしれませんね。
早速調べてみます。
「基材に銅を析出させる"足し算型"より、銅張積層板から不要部分を削っていく"引き算型"の方が安いから」というのもあるようです。
また、樹脂表面に直接めっきするには表面を粗くする必要がありますが、これは電気的特性上よろしくないようです。
お礼
2009/03/10 17:37
いつもご丁寧な回答、ありがとうございます。
こちらのレスが遅れ、すいません。
「"引き算型"の方が安い」分、基板表面の配線断面積を充分確保するために銅箔を乗せているという考えでよいのでしょうか?
また、樹脂表面に直接めっきをする際に表面が粗いと電気特性上よろしくないとのことですが、
銅箔を使用した場合でも、表面の銅箔を樹脂と密着させる(アンカー効果を出す)ために樹脂表面を粗らしていますよね?
そうすると銅箔を使用したサブトラ法も例外なく「電気特性上よろしくない」と思うのですが。
サブトラの場合、銅箔分で配線の断面積を厚くしている分、影響は少ないという考えでよいのでしょうかね?
お礼
2009/03/14 00:37
材料技術屋さん、こん○○は。
ご回答、ありがとうございます。
早速読んでみます。