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よく解るシーベルト(放射線被曝単位)

2011/04/12 16:03

放射線被曝単位のシーベルト(Sv)には総量のSvと1時間当たりの量(Sv/h)がある筈なのですが、メディアに使われている「シーベルト」はSvとSv/hを混同しているように見えます。

例えば「観測されている放射線量0.01ミリシーベルトという値は年間被爆許容量20ミリシーベルトに対してあまりにも小さく、直ちに人体に被害を及ぼすものではない」と言っても0.01ミリシーベルトの単位がSv/hであれば単純計算で0.01×24×365=87.6シーベルトとなります。(単純計算で累積値を出せるとも思えませんが・・・)

胸部X線(レントゲン)写真の被爆量が大体0.05ミリシーベルトというのもSvとSv/hのどちらなのでしょうか?
Sv/hなのであれば露出(被爆)時間など1/10秒以下でしょうから総被爆量は0.05ミリシーベルトの36000分の1(3600×10)以下ということになります。

メディアは速度単位の「km/h」を「キロメートル/時」と表示するものの「Sv/h」は「シーベルト」としか表示していないものが多々あるような気がします。(毎時XXシーベルトと表示しているもののあることにはあるのですが・・・)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110411/dst11041122420086-n1.htm
原子力安全委員会は11日、福島県浪江町の一部で、事故発生から1年間の積算被曝放射線量が300ミリシーベルトを超えるとの推計を明らかにしましたが、今になってやっと20ミリシーベルトの年間被爆許容量と比較し得る累積被爆量値を見ることができ、それが危惧していたとおりの「年間累積値では危険値を軽く突破するじゃないか!」であったのには呆れてしまいました。

野菜から何十万ベクレルの放射線量が計測されようとも人体に影響を及ぼす単位であるシーベルトに換算して表示してくれないことには「何万」や「何十万」という大きな数値で不安を煽るだけのように見えます。(最大1000mW+1000mWの大出力などと記されたラジオのカタログならば苦笑するだけで済むのですが・・・)

質問は・・・
(1)毎時や1年間のなどという但し書きがないシーベルトはSvと受け取って良いのかどうか
(2)累積Svは「(Sv/h)×時間」で良いのかどうか(放射性ヨウ素のように半減期が短い物質の減少率を考量するとどうなるなどというのではなく、常に0.1mSv/hが観測される地域では年間87.6mSvの累積を生じると考えて良いのかということです)
(3)野菜の放射線量に使われているベクレル(Bq)をシーベルト(Sv)に換算する「大凡(おおよそ)の」目安を教えてください。(放射性物質の種類や測定点までの距離、間にある遮蔽物の効果などをどう考慮すべきか見当も付かないのですが、10万Bqの放射線量を示すレタス100gを生で食べたら何Svの被爆量になるのかみたいなものの数値から単純計算で他の野菜も比較できないものでしょうか)
・・・です。

長文になってしまいましたが宜しく御願い致します。

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ベストアンサー
2011/04/13 14:00
回答No.1

基本の部分で正しく理解されているとは思いますが、
補足も含めてお答えさせていただきます。

(1)おっしゃる通りです。
ただ、ときおり「毎時」の部分が省略されている記述も見かけます。
明らかに空間線量率を指していると考えられる場合は、
文脈で解釈して、毎時などを付けて読み取ってください。
なお、レントゲンの被曝量は「/時間」のつかない単位です。
そのままシーベルト(総量)と解釈してください。

(2)これもその通りです。
ただ、室内ではある程度線量が低くなりますので、
現実より高めの数値になっていることは考慮してください。
(屋外で過ごす時間、建屋の建材や構造でかなり被曝量は変わります。)

(3)内部被曝は考え方が少々複雑です。
放射性物質を体内に取り込んだ場合には、
内部から一定期間放射線を受けることになります。
その際には、放射活性の低下(半減期)
あるいは代謝による体外への排出を考慮して、
累積される線量を考える必要があります。
また、物質によって放射線の種類も異なりますし、
体内の臓器への分布による影響も加味しなくてはなりません。
(例えば、ヨウ素は甲状腺に集まるとか、
 プルトニウムはアルファ線を出すので影響が大きいなど)

内部被曝については預託実効線量という考え方があります。
これは上記のような条件を考慮した上で、
各臓器が摂取後50年にわたって受ける
線量の総和(積算値)として出されるものです。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/servlet/food2_in
※厳密には、例えば若年者は甲状腺への影響が大きいなど
 他の要素もありますので、一応の目安と考えてください。

なお、考え方は複雑ですが、実際の算出は容易です。
放射性物質ごとに実効線量係数が定められていますので、
これに放射活性(ベクレル)を掛ければ、シーベルトに換算されます。
なお、よく話題になるヨウ素、セシウム、ストロンチウムについては、
以下のサイトで計算も可能です。
http://radiation.fxsearch.biz/index.php

例えば、ご質問にあるレタスの場合ですと、
含まれる放射性物質が全てヨウ素131とすると
100,000Bq/kg×0.1kg×2.2×10^-5mSv/Bq(実効線量係数)=0.22mSv
となります。(これは「毎時」がつかない、被曝積算量です。)

お礼

2011/04/14 01:13

詳細な説明、有難うございます。
特に (3) は何万、何十万ベクレルなどという不安を煽るような数値に呆れると共に、どう解釈して良いものか途方に暮れていたので本当に助かりました。

長期に渡る微弱な放射線被曝によって何らかの重篤な病を発症する確率など石綿が剥き出しになっている古い建物内で喫煙しながら仕事したり工業地帯に住み続けることによる肺癌発症率とどちらが高いか判らないほど不明のものでしょうし、御紹介くださった URL で簡単に Bq を Sv に変換できることができて心配することもなくなりました。

10万ベクレル(ヨウ素131)のレタス100gで0.22mSv・・・やはり放射能よりも農薬の方が心配ですね(苦笑)。

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