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文系の大学院進学に関して
2023/10/12 16:38
- 文系の大学院進学に関する質問について解説します。
- 大学院進学の難易度や研究室訪問についてお答えします。
- 外国文学を学ぶ際の留学の重要性について考察します。
文系の大学院進学に関して
2011/02/04 00:51
こんにちは。
今地方国立大学の二回生です。文系大学院進学に関してお尋ねします。
わたしはもともとは大阪大学を目指していて、前期試験で落ちてしまい後期で今の大学に進みました。
大阪大学では、ぼんやりと比較文学を学びたいと思っていました。しかし今はドイツ語を学んで、ドイツ文学を通しドイツの文化風俗、精神性を学ぶことに意義を見出してもいます。というものの、あらゆる世界の文学が好きでヨーロッパ諸国と日本の文化を比較することにも興味が捨てられていません。
大学院に対しさほど詳しいわけでもないのですが、以前から大学院の環境に関心があります。
正直、学部受験のときの悔しさが忘れられず、この「失敗した」という気持ちを将来ずっと負うのが辛いというのもあります。こういう考えは褒められたものではないと思ってはいるのですが・・・。
けれども、できることなら近畿圏内、京都大阪神戸といった国立の大学院に進学したいと考えています。
そこで、お尋ねしたいことが四つあります。
1、大学院の人文系に進学するひとは理系に比べると少ないのではないかと思っているのですが、進学の難易度は、大学によると思いますけれどどのくらいでしょうか。(漠然としていてすみません)
2、ドイツ文学・比較文学に関して、この大学の大学院がよい、という話を聞いたことがありますでしょうか。
3、文系には研究室訪問はあまりプラスにもならないと聞いたのですが、本当ですか。
4、外国文学を学びたいとき、留学したことがあるというキャリアは持っているほうがいいですか。皆さん持っているものですか。
文章がまとまらないままですが、周囲に文系の院進学者はおらず、両親以外には反対されるので、あまりに未熟な質問ですが、答えてくださるととてもありがたいです。よろしくお願いします。
回答 (4件中 1~4件目)
No.1,2の再訪です。
うふふ。相反する回答がつきましたね。ぼくも思い直すことがあるので,補足します。
1.教員が個人的に勉強会を開いていることはあります。ただし,「○○を原書で読む」くらいのことは平気でやらされます。これはオープンなものですから,積極的に参加して勉強するといいと思います。
2.しかし,正課教育の演習にでるのはどうかな,と引っかかります。授業料を払っていないモグリであるわけですし,他の正規学生の受講生にも配慮が必要です。院試に落ちて研究生をやっている人が参加する例は,ぼくにも経験はあります(ぼくのほうから出るように指示しました)。
3.合格判定会議でごちゃごちゃ言うのは,「定員を満たすには基準点以下の受験生も合格させる必要がありますが,指導教員になるべき××先生のご意見もうかがいましょう」という状況になり,××先生が「一肌脱いで私が責任を持ちます」と譲歩したときしか,ぼくは前例を知りません。そうではない状況で「○○君を入れてくれ」といえば,見識のない人だなと失笑をかいます。
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No1の方と違った意見なので、参考までに投稿してみることにしました。おそらくNo1の方は、大学関係者なのでしょう。しかし独文でこそないが仏文系の院生では私もありましたから、何かしらの参考にはなると思ったのです。
1、大学院の人文系に進学するひとは理系に比べると少ないのではないかと思っているのですが、進学の難易度は、大学によると思いますけれどどのくらいでしょうか。(漠然としていてすみません)
率直にいえば、有利な奨学金をどれだけ引っ張れるかを考えて選ぶべきで、旧帝大+αが圧倒的に有利です。私大は早慶クラスの名門でも避けた方がいいでしょう。いい研究をしている院生もいますが、奨学金が圧倒的に不利です。しかし研究者になる場合には、奨学金の獲得がキャリアに直結します。
難易度ですが、偏差値はないし、あまりあてにならないです。強いて言えば、語学が目安になるわけですが、仏語なら仏検準一級以上は必要でしょうね(ドイツ語も同様の試験があるでしょう)。英語は一級以上が必要なわけです。
2、ドイツ文学・比較文学に関して、この大学の大学院がよい、という話を聞いたことがありますでしょうか。
独文のことはわかりませんが、何をしたいかによって選ぶべきでしょう。自分のテーマを決めますね。おそらくゲーテやハイネだとか、作家を決めることになるだろうと思います。そしたら、旧帝大の中で、その第一人者がいる研究室に入れば、まぁ間違いはないだろうと思います。基本的には比較文学の枠組みを学ぶより先に、その作家研究をするべきだろうと思います。経験上わかったことですが、理論は後からも学べますが、根幹になることは先にやった方がいいと思われるので。
3、文系には研究室訪問はあまりプラスにもならないと聞いたのですが、本当ですか。
いえ、訪問し、許可を取った上で、毎週ゼミに出席するべきです。
まず目当ての教員が、大丈夫な人間かを確認する必要があります。論文こそちゃんと書いているが、意味不明な日本語を話していたら、指導を受けても時間の浪費でしょう(残念ながら、そういう人がいます)。また異常に下ネタが好きで、ハラスメントすれすれの言動を繰り返す常習犯だとしたら、避けた方がいいでしょう。大学院になると教官との接点が増えるので、個人的に相手を受け入れられるか否かも重要なのです(私は真っ向から抗議するタイプで、喧嘩しても意味が無いので、そういう先生の傍には寄りません)。
それからゼミの様子を見て、何だかギスギスしていて嫌だなと思ったら、内部に問題を抱えている研究科なのでしょうから、見切って別の大学を考えてもいいかもしれません。また質問者の方にしてみれば、いくつか回ってみて「大学院ってつまらなそう」と思ったらやめられるというメリットがあります。
最後に教官にしてみたら、何者か知らない人間がパッとやってくるよりも、やる気があってゼミに参加している方が、取りたくもなるものです。卒論の評点でプラス点を出せますし、究極的には「~~さんは点数が足りなかったが、見所がある有為の学生です。私が責任をもって指導するので、合格にしてください」といえば、合格になります。私は審査会議を聞いてしまいましたが、そういうのは日常茶飯事です。
アンフェアだという話もありますが、残念ながら試験はアンフェアだと私は断言してもよいと思います。アンフェアになるから、私の講義に出てはならないなどといえる教官は、文学系では今日いないでしょう。学の独立などありはしません。アンフェアならアンフェアで結構だと開き直って、評点を有利にもっていくことを考えた方がいいと思えます。ただこれは、やる気を見せるとか、先生が授業中に重要だと言った書籍をまめに読むとかということで、賄賂を贈るということではありません(念のために)。
4、外国文学を学びたいとき、留学したことがあるというキャリアは持っているほうがいいですか。皆さん持っているものですか。
あれば教官も一目置いてくれますが、学位を取得しないのなら、キャリアというほどのものではないでしょう。経済的に質問者の方が豊かなら、夏や冬に短期留学しておくといいと思います。しかし奨学金の獲得条件から考えると、修士以上で留学した方がいいと思います。修士号をもっている状態で留学すると、飛び級して、一年で外国の学位が取得できるケースがあります(これは博士で留学するという意味)。
研究者になるなら、ドイツ留学が将来的に絶対に必要ですが、学部ではその準備段階として、ドイツ人教員の文学講義などに定期的に参加するのがいいように思います。日常会話くらいは、割合、すぐできるようになりますが、文学の講義を聞くのは結構、慣れが必要です。テクニカル・タームも覚えていないとなりません。
頑張ってくださいね。
お礼
2011/02/24 08:37
お礼を申し上げるのが遅くなって申し訳ありません。
解答してくださってありがとうございます。
1、やはり旧帝大が中心になってきますよね。奨学金も関係してくるとは少し驚きでした。語学が目安なのはわかりやすくていいですね。独検もチャレンジしようと思っていたので、準一級以上を目指してがんばります。
2、まずテーマが先決ですか。そうですよね。「比較文学の枠組みを学ぶより先に~」の部分には目からうろこでした・・・確かにまず根っこと地盤を固めるほうに力を注ぐべきでした。
3、教授の人間性、関係性も大事ですね。研究室訪問にはそういったところを見ることができるという利点もあるのですか・・・。
4、奨学金の獲得条件も関わってくるんですか!勉強になりました。そのあたりも考慮して、練ります。
沢山のご助言、応援の言葉まで、ありがとうございました。大変参考になりました。解答してくださったことを踏まえ、もっと自分で調べを進め、周りとも相談しつつ結論を出したいと思います。
本当にありがとうございました。
加筆。
質問になかったので書きませんでしたが,人文・社会系は「個人プレー」です。指導教員の専門と同じことをやっているわけではありません。そこで,自分がしっかりしていないと研究が進まないということは,肝に銘じておく必要があります。学会誌に論文を書くときには,単著になります。指導教員に投稿原稿を読んでもらっても,「君の論文だから細かいところまではわからんなあ」と半ば放り出されることもあります。
>1、大学院の人文系に進学するひとは理系に比べると少ないのではないかと思っているのですが、進学の難易度は、大学によると思いますけれどどのくらいでしょうか。(漠然としていてすみません)
大学の公式サイトの入試情報のページに,過去の入試結果が公表されていると思います。募集定員よりも受験者数が大幅に上回っているなら,難関でしょう。受験者数がプラスアルファくらいなら,「とんでもない受験生にはご遠慮ねがう」という感じでしょう。
人文・社会系では出願書類として卒業論文を求めていることがあり,その出来具合が重視されます(必然的に2月入試になる)。あなたの卒論指導教員から,「大学院に行くならドイツ語で書きなさい」という指導が入るかもしれません。英文学科は英語で書きますから。
> 2、ドイツ文学・比較文学に関して、この大学の大学院がよい、という話を聞いたことがありますでしょうか。
日本独文学会の情報を調べれば,見当がつくんじゃないですか。
http://www.jgg.jp/
いい大学院ほど将来は研究者になるべく本気で鍛えられますから,出版社などに就職する気なら,そこそこ(笑)でいいかもしれませんね。
>3、文系には研究室訪問はあまりプラスにもならないと聞いたのですが、本当ですか。
ふつうはしません。事前に接触するのはアンフェアだとして嫌う教員もいます。あなたの卒論指導教員が,あなたが受験する大学院の教員と親しく,その大学院進学を勧めている場合には,「いっぺん話をしてもらえないか」と紹介してもらえることはあるでしょう。
>4、外国文学を学びたいとき、留学したことがあるというキャリアは持っているほうがいいですか。皆さん持っているものですか。
外国語なら学部時代に留学する人もいるでしょう。文学なら,ドイツの大学院に留学という手もあるでしょう。本気でやりたければ。
お礼
2011/02/24 08:25
お礼を申し上げるのが遅くなって申し訳ありません。
沢山解答してくださってありがとうございます。とりあえず、一番上のものにお礼をつけさせて頂きますね。
1、なるほど募集定員と受験者数の数を見るといいのですね。つい学部受験をひきずって、難易度というと数値化されたものを想像してしまっていたのですが、着眼点を間違っていたようです。
2、こういったホームページがあったんですね!寡聞にして知りませんでした。
3、アンフェアという意見もあるのですね。するものかと思っていたので、驚きました。
細かく、さらに私の考えのつかないところまで丁寧に答えてくださってありがとうございました。大変参考になりました。解答してくださったことを踏まえ、もっと自分で調べを進め、周りとも相談しつつ結論を出したいと思います。
本当にありがとうございました。