エアコンのリモコンはなぜ不具合が一時的に治るのか？

基板やボタン側の接点は外部からのゴミや液体で接触不良になる
ことは良く起こりますがそれぞれの接点のカーボンは削れたり、
剥がれたり割れたりして消耗し、導体では無くなってしまう場合が
あります。接点どおしの当たり具合で正常に接触したりしなかったり
します。ほとんどの場合シリコンゴムの導電接点の劣化が原因の様に
思います。私はその場合、導電接点部分に銅箔テープを切って貼り付け
て修復しています。アルミ箔でも使えますが薄く貼り付け難いです。
基板のカーボン接点にアルミ箔等を押し当てて動作確認すればゴム接点
側の不良が確認できます。
リモコンの回路は気温の変化程度では誤動作は起こしません。

稀な故障のパターンとしては、リモコンってボタンを押した時に多少なりとも基板自体に力がかかっているので、押すたびに少し基板がたわんでいます。
この繰り返し応力でハンダ割れが生じて導通不良を起こします。
この場合、通常なら、そのハンダ割れが生じたスイッチだけが効かなくなるのですが、複数のスイッチが同時に効かなくなるパターンがあり得ます。

ボタン数が多いリモコンの場合、基板は両面に配線がある基板を用いますが、エアコンのように比較的ボタン数の少ないリモコンでは、片面配線の基板が用いられることもあります。
片面配線の基板の場合、基板の配線同士をクロスすることができないので、ジャンパーが必要になるのですが、この時に、スイッチの一部をジャンパーがわりに使っているものがあるのです。
単純なスイッチであれば2端子でいいのですが、1接点なのにピンが4本あるスイッチは、そのうちの2本がジャンパーとして使われている可能性があります。

そして、このジャンパーとして使われている端子がハンダ割れを起こすと、その先に繋がっている複数のスイッチが効かなくなる場合があるのです。

そして、このハンダ割れは、突然復活することがあります。
ハンダ割れで非道通となっていた部分が、何かの拍子に少しズレるなどして導通する場合があるのです。
しかし直っているわけではないので、その時にずれてたまたま導通しているだけで、別の方向にずれると、また非導通になったりします。

電池が減っているのでは？

追記します。
複数のボタンが同時に使えなくなり、同時に復旧した状況から接点の問題である可能性は極めて低いです。
またほとんどの場合はICとボタン基板の間にコネクタはありません。
万一コネクタがある場合はコネクタの接触不良や断線の断線の可能性はあります。

リモコンのボタンの回路はマトリクス状になっており、1本の配線が複数のボタン接点に繋がってます。
疑うべきはこちらです。

有り得そうな順に3つほど状況と対策を挙げます。

1.ジュースなど糖分を含んだ液体が基板に付着し固まったことによる回路の半短絡
　状況:付着物が乾燥して電気抵抗が上がったため復帰した
　対策:アルコール洗浄では溶けにくいので基板の水洗いが有効

2.導電性の異物による回路の短絡
　状況:異物が移動して復帰した
　対策:掃除機で異物除去

3.ICの足のハンダ不良による浮き
　状況:たまたま復帰した
　対策:パターンを追って対象の足にはんだごてを当てる