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2002/02/08 17:51
シリンダーゲージ:98+0.02-0の公差に対して一目盛0.01のゲージで測定誤差を含めて判定できるものなのか
判定できるのならその根拠とできないのならその理由を教えてほしい
1/1000のダイヤルゲージを使って評価すれば、いいのではないので
しょうか?
別の回答にあった項目を重視して。
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初めまして
まず測定誤差ですが。
1.測定器の固有誤差=シリンダーゲージ本体+ダイヤルゲージ
2.読みとり誤差=読みとり時の癖
3.測定器の取り扱い=体温(手)からの熱伝導
4.被測定物の測定端子接触面=面粗さ・硬さ等
5.温度=被削材・測定器及び測定器のマスター等
6.穴の真円度=真円の度合い
等あるかと思います。
上記要因対策後の誤差量は(番号上記に同じ)
1.φ98.00のリングゲージをマスターにして比較測定すればダ
イヤルゲージの広範囲行き精度が悪くても殆ど影響しないと思い
ます。
2.常に正面から見る癖が付いている方ならミクロンの目盛りがなく
ても23ミクロンの判断が出来るかと思います。
3.手早く作業すれば測定精度にあまり影響しないと思います。
4.品質(面粗さが粗い、硬さがリングゲージより低い(測定子が食
い込み傷が入る)等)が悪いと大きく測定結果に影響します。
5.定温(20度C)で5時間以上温度ならしを行えば問題ないかと
思います。
6.これだけの大きさになると23ミクロン程度はあるかと思い
ます。
以上の事を考慮しながらφ98.000の軸が入らなければならない
と仮定した場合ですが(被削材の硬さにもよります)。
測定公差をφ98+0.02-0でなく+0.02+0.005とす
れば最小読みとり0.01でも合否判定が可能かと思います。
参考にして下さい。
続きです。
ワークに125の番号を付けて、データを採ったら以下のようになりました(小数点第3位は目視による読み取りとします)。
ワークNo. 測定一回目 測定二回目
1 98.013 98.011
2 98.007 98.011
3 98.004 98.005
4 98.006 98.009
5 98.008 98.008
6 98.008 98.004
7 98.011 98.012
8 98.010 98.011
9 98.013 98.010
10 98.012 98.008
11 98.014 98.014
12 98.013 98.012
13 98.015 98.013
14 98.019 98.021
15 98.018 98.019
16 98.002 97.999
17 98.005 98.006
18 98.005 98.005
19 98.007 98.004
20 98.007 98.007
21 98.008 98.010
22 98.007 98.009
23 98.010 98.012
24 98.008 98.009
25 98.011 98.008
しつこいですが、測定はNo.1No.25を一回測定し終わってから、もう一度No.1No.25を測定したものとします。
これらのデータの差の絶対値と標準偏差を算出すると、
ワークNo. |?|
1 0.002
2 0.004
3 0.001
4 0.003
5 0.000
6 0.004
7 0.001
8 0.001
9 0.003
10 0.004
11 0.000
12 0.001
13 0.002
14 0.002
15 0.001
16 0.003
17 0.001
18 0.000
19 0.003
20 0.000
21 0.002
22 0.002
23 0.002
24 0.001
25 0.003
σn-1 0.0013
この標準偏差を√2で除して、
Sm=σn-1/√2
=0.0013/√2
=0.0009
従って、評価値は
S=測定値ばらつき/図面公差
=4×100×Sm/(UCL-LCL) %
=400×0.0009/(98.02-98.00) %
=18.1 %
となります。この例では測定器は不調という評価となり、この場合は目視による誤差が大きいものと判断できます。当然10%未満であれば測定器は何ら問題無し、2040%であれば測定器に何らかの故障が発生していると考えられ、それ以上ならその測定器はこの例でいうと98+0.02/0の評価は出来ない、という事が出来ます。
シリンダゲージ単体では0.1μmまでをデータとして信頼する事が出来ます。多くは1μm目盛のゲージを取り付けますが、表示が0.01mmであれば、読み取り誤差から解像度は5μm程度と考えていいでしょう。
測定器が、その測定に耐えうるものであるかどうかの判定方法を以下に示します。これはBosch式測定器信頼性評価法といって、世界的に通用するものです。根拠については私も資料を紛失してしまったので、今では計算法しか覚えてないのですが、これを道具として今後使って下さい(もちろん原文はドイツ語でした)。
(1)測定ワークは25個用意する。
(2)25個につき、先ず1回目の測定を行う。
(3)もう一度最初から25個の測定を行う。
(4)それぞれの測定値の差の絶対値を算出する。
(5)(4)で算出したデータの標準偏差(σn-1)を算出する。
(6)(5)で求めた標準偏差を√2で除する。
(7)「(6)で求めた数値×400/図面公差」を算出する。
(8)この数値が010の時、測定器は良好、1020の時は不調、2040の時は不良、40以上は使用不可、という判定をします。
注意しないといけないのは、測定時に1個のワークを2回連続して測定しない事(判定の根拠にランダムに抽出した、という名目があるので)です。ちょっと長くなりますので、次レスに具体例を挙げましょう。
アナログ式の物でしたらそれ以下の物も測定できます。
指針の位置で1/10位までは経験で読みとることは、可能です。
デジタル式の物では無理ですが・・・
ご参考まで。
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