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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:SUS430の変色について。)

SUS430の変色についての考察と原因解明

2023/10/16 07:30

このQ&Aのポイント
  • SUS430を真空焼鈍炉で磁気焼鈍したところ、製品が黒のような青に変色してしまいました。可能性としては、炉内の酸素残存による酸化、フェライト系ステンレスの粒界腐食、窒化クロム発生による耐食性低下の3つが考えられます。
  • 炭素量の少ないSUS430でも粒界腐食が起こる理由については明確ではありませんが、フェライト系ステンレスの特性に関連している可能性があります。また、N2パーシャルでも窒化クロムは発生するため、その影響も考えられます。
  • 変色が発生した具体的な原因については情報が不足しているため、特定することは難しいです。より詳細な状況説明が必要です。
※ 以下は、質問の原文です

SUS430の変色について。

2008/06/17 09:17

 
 SUS430を真空焼鈍炉を用いて磁気焼鈍を行なったところ、処理後の製品は黒のような青に変色してしまいました。下記に条件・状況を記します。

 ・ 熱サイクルは850℃1h保持後、5hかけて冷却。
 ・ 真空ポンプはメカニカルブースターで、D.Pは無し。
 ・ 高温でN2パーシャルを行なっている。
 ・ SK4材は同じ炉で処理しても変色無し。

 自分なりに考察をしたところ、下記の3つの可能性があると思います。

1)炉内の酸素残存による酸化。
2)フェライト系ステンレスの粒界腐食。
3)窒化クロム発生による耐食性低下。

 上記3つの可能性を上げましたが、2)、3)の原理がいまいち分かりません。なぜ、炭素量の少ないSUS430(0.015%)でも粒界腐食が起こるのでしょうか?また、N2パーシャルでも窒化クロムは発生するのでしょうか。
そしてなぜ、変色が発生してしまったのはなぜでしょうか。

 新米ですので、状況説明に不十分な点があるとは思いますが、どなたか
御教授願います。

回答 (1件中 1~1件目)

2008/06/17 17:01
回答No.1

ステンレス鋼の真空焼鈍の経験がありませんので、ご参考まで。

変色が黒っぽい青色ということは薄い被膜による干渉色と推定され、変色
の原因としては(1)の可能性が最も高いのではないでしょうか。

真空炉を使用されているので、酸化は起こりにくいと考えておられるかも
しれませんが、参考URLのエリンガム図にあるように、850℃でFeの酸化を
完全に防止しようとするならば、10E-5Pa程度の酸素分圧にする必要があり、
一般の真空炉では、仮にDPを稼動させても不可能な真空度です。

ヒーター材質が炭素を使用した真空炉ならば、残存酸素との反応でCO雰囲気
になり、酸化が防止される可能性がありますが、真空焼鈍炉ならば使用温度
から推定してヒーター材質はNi-Crあたりではないでしょうか。だとすると、
基本的には加熱雰囲気は「弱酸化性」と考えられます。

さらに微圧窒素にされているとのこと。窒素は液体窒素からの供給だとして
も、純度は6-9であり、酸素分圧はさらに高くなっていると考えられます
ので、酸化膜が生成しても何の不思議もありません。

SK4では変色しないとのことですが、処理温度が低いのではありませんか。
また、SUS430はCrを含有するため、「耐酸化性」はSK4よりも高いわけです
が、それは酸化雰囲気中での加熱で安定な(それ以上の酸化進行を防止する)
酸化被膜((Fe+Cr)2O3)が出来るためで、薄い酸化被膜の出来易さから言えば
SK4よりもSUS430の方が出来易いと考えられます。

(2)については「変色」の原因としては不自然と考えられます。
(3)については、「CrNの生成→基地のCrの減少→耐酸化性の低下→酸化膜
生成」と考えておられているものと推測しますが、結局は上記の現象になり
ます。

対策としては、まず微圧窒素を止めて、DPを使用されてみてはいかがで
しょうか。

(2)について補足します。粒界腐食はフェライトの粒界にCr炭化物が析出し、
粒界が優先的に腐食される現象です。但し850℃の加熱時は全面オーステナ
イト相になっており、粒界析出は起こりませんので、前記のようなコメント
をしました。なお、粒界腐食はフェライト系SUSでも、さらに炭素量の低い
オーステナイト系SUSでも起こる現象です。

対策について追加します。
たとえDPを使用しても、前述のように理屈上は変色・着色が起こるはず
です。その場合は、酸洗やショットピーニングで除去するのが普通かと
思います。それが難しい場合は、GETTERを同装する手があります。ここで
言うGETTERとはSUSよりも酸素と結合し易い金属で、雰囲気中の酸素を先に
GETしてSUSの酸化を防止してくれます。この温度ですとTiなどが考えられ
ます。

お礼

2008/06/17 18:12

 丁寧なご回答、ありがとうございました。
まずは、D.Pを使用し、熱サイクルを再現してみます。

 (2)についても(3)と同じように『Cr炭化物の生成→炭化物近傍
のCr欠乏(粒界腐食)→耐酸化性の低下→酸化皮膜生成』といっ
た考察をしました。しかし、フェライト系SUSではCr炭化物を生成
出来るだけのC量が無いと思い、フェライト系SUSの粒界腐食につい
て調べてみると『フェライト系SUSでも粒界腐食が起こる』とあり
ました。
 炭化物の生成を無くして、粒界腐食がなぜ起こるのか疑問に思いま
したので、今回の質問に付け加えました。

 

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