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硫酸銅メッキでの電圧上昇の原因と対策について
2023/10/16 11:40
- 硫酸銅メッキ浴中において、電圧が上昇している問題が発生しています。
- 特に、電解銅めっきを行った後、電圧が急上昇する現象が見られます。
- 陽極の含リン銅ボールにはブラックフィルムの剥がれや青色結晶の付着があり、これが原因の一つと考えられます。
硫酸銅メッキ時の電圧上昇について
2008/04/02 00:05
プリント基板への銅めっきで困っています。
硫酸銅めっき浴中にて電解銅めっきをおこなうと徐々に電圧が上がり、20~30分たった頃に加速度的に電圧が急上昇します。
陽極の含リン銅ボールを観察すると、ブラックフィルムが剥がれており、若干の硫酸銅結晶らしき青色結晶が付着していました。
電流密度は3~3.5A/dと特別高いわけでもなく、めっき液の各成分濃度も標準的です。
何か考えられる原因又は対策などありますか?
宜しくお願いします。
質問者が選んだベストアンサー
ブラックフィルムには添加剤やその分解物が含まれますので、
ブラックフィルムが多量に溶けると添加剤濃度が不安定になります。
光沢不良(めっきあがりが白っぽくなる)になったり、
耐熱性が悪くなったりする場合があります。
CVSでの添加剤測定値も不安定になり、
また測定値の信頼性も悪くなります。
特にハイスローの添加剤は注意が必要です。
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その他の回答 (4件中 1~4件目)
ブラックフィルムは電解すればどんどん出てきます。一部はめっき液に溶けて、一部は脱落します(振動とかで)。電解すればブラックフィルムは溜まるものです。なので通常は活性炭処理などに併せて年1,2回はバックの掃除をします。アノードの下からエアーを当てて脱落したブラックフィルムを強制的に溶かす会社もあります。(使っている光沢剤・添加剤によっては不具合が出る場合もありますので注意。)
ブラックフィルムの組成は1価の銅イオン、2価の銅イオン、塩素イオン、含リン銅ボール中のリンが少量、光沢剤(分解物)です。通常は焦げ茶色っぽい色ですが、塩素イオン濃度が高いと(100ppmくらいになると)白くなり、不導体化します。
ブラックフィルムの資料については現在お使いの光沢剤メーカーからもらってください。
お礼
2008/04/17 11:51
大変遅くなりましたがご丁寧なご説明、ありがとうございました。
アノードの下からエアを当ててスラッジを強制的に溶かす方法は聞いたことはあります。しかし、めっき液中の銅濃度が急激に上がり、頻繁にめっき液を薄めることになりそうですね。
添加剤によってはこの方法では不具合が出る場合があるとのことですが、実際にご経験などございますか?
もしご経験でしたら、具体的にどういった不具合でしたでしょうか?
陽極の電密が高いためだと思います。
通常は1~3ASD程度に設定します。
最初から陽極が少ないか、ブスバーとの接点不良のためか、
ブラックフィルムのスラッジがアノードバックに溜まって
陽極の下の方が有効になっていないか、ブラックフィルムの
スラッジでアノードバックが目詰まりしてないか、・・・
陰極が3~3.5ASDで、ブラックフィルムが脱落している
事を考えるとアノードバックが怪しいと思います。
お礼
2008/04/04 00:34
アドバイスいただき、ありがとうございます。
ご指摘いただいたことを早速確認してみます。
ところで、どういった理屈でブラックフィルムが脱落するに至るのでしょうか?
含リン銅ボールの表面に酸化銅が形成され導通を阻害しています。
おそらくはリン由来の黒皮膜が剥がれている事に関係しているでしょう。
酸素過電圧が下がっている?普通は硫酸濃度などを疑うのですが標準組成であればそれもないか・・。
あとは陰極(被めっき物)に対し、陽極面積が小さいか、キャップタイヤやブースバー接点が硫酸に侵されてぐずぐず状態、チタンバスケットのフック部分の結晶詰まり、いわゆる導通不良か。
お礼
2008/04/04 00:43
アドバイスいただき、ありがとうございます。
ブラックフィルムの主要成分はどういったものなのでしょうか?
含リン銅ボールの表面に酸化銅が形成されているのではとのご指摘ですが、
酸化銅って黒色ですよね?
できればそこら辺の詳しい機構などご存じでしたらご説明いただけますでしょうか。
またそこら辺の内容が記載された文献等などありましたら、是非教えてください。
お手数ですが、宜しくお願いします。
お礼
2008/04/22 18:12
ご丁寧な回答いただき、ありがとうございます。
とても参考になりました。
スラッジが溶けるとアノードメンテナンス作業が軽くなるとは一概に言えませんね。