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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:浸炭とQTの特性について)

浸炭とQTの特性について

2023/10/19 07:32

このQ&Aのポイント
  • 浸炭とQTの特性について勉強している中で、浸炭とQTの疲労強度の比較について疑問が出てきました。
  • 浸炭は表面が硬いため引張強度が高く、熱が伝わりにくく靭性が高いといわれています。
  • 一方、QTは表面/芯部の硬度差が大きく残留圧縮応力も大きいといわれています。浸炭とQTのどちらが優れているかは合金の特性やコストによります。
※ 以下は、質問の原文です

浸炭とQTの特性について

2014/11/23 12:03

最近、金属の熱処理について勉強しており
「浸炭とQTどちらが疲労強度に優れているか?」という疑問が出てきました。
なかなか、両者を比較した文献見つからず
私見では

浸炭の方が
・そもそも表面が硬いため引張強度が高い
・浸炭後焼き入れ、焼き戻しするが、表面層に何もないQTより
 熱が伝わりにくく、芯部の硬化が低いため靭性が高い
・表面/芯部の硬度差大きく残留圧縮応力も大きい

よって 浸炭>>QT

どちらの熱処理も適用出来る合金であれば
浸炭にすべき(コスト的な問題でQTにしているものもある)と考えていますが
認識合っていますでしょうか?

まだまだ勉強不足のため、ご指摘、アドバイスあれば
教えていただきたく。
よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

ベストアンサー
2014/11/23 16:23
回答No.1

「両者を比較した文献見つからず」
文献(A)の表7に比較表があります。

「表面が硬いため引張強度が高い」
間違っています。表7にあるよう、に浸炭しても引張強度が向上するとは言えません。伸び絞りが著しく低下することで強度が出にくくなっています。

「熱が伝わりにくく」
浸炭層の熱伝導率を確かめたわけではありませんが、熱処理では芯部まで均一な温度になるまで加熱します。芯部の硬さが浸炭部よりも低い理由は炭素量が少ないからです。

「浸炭>>QT」
疲労強度に関してはその通りです。

「どちらの熱処理も適用出来る合金」
通常は浸炭する鋼種は肌焼鋼ですが、強靭鋼にも浸炭できます。

「どちらの熱処理も適用出来る合金であれば浸炭にすべき」
間違っています。機械部品の多くが繰り返し荷重を受け、疲労現象により損傷することは確かです。しかし疲労強度だけで設計するわけではありません。その証拠に、強靭鋼と肌焼鋼が使い分けられています。
最も大きな理由は、浸炭すると靱性が著しく低下することです。このため少しでも靱性を確保するために肌焼鋼(低炭素量)を使用します。強靭鋼に浸炭するともっと低靱性になってしまいます。衝撃が加わらない部品には肌焼鋼+浸炭が、疲労強度だけではなく靱性も必要な部品には強靭鋼を使用します。

浸炭の有無による疲労強度の違いは文献(A)図17にあります。

補足

2014/11/24 01:09

ご回答ありがとうございました。
私の知識不足のため、以下内容が理解出来ていません。

>>表7にあるよう、に浸炭しても引張強度が向上するとは言えません。伸び絞
りが著しく低下することで強度が出にくくなっています。

引張強度は硬さに比例、疲労強度は引張強度に比例するので、
一般的に浸炭の方が引張強度、疲労強度共に高くはならないのでしょうか?
靭性は衝撃強さには効くが、引張強度には効かないと思っていました。

>>浸炭層の熱伝導率を確かめたわけではありませんが、熱処理では芯部まで均 一な温度になるまで加熱します。芯部の硬さが浸炭部よりも低い理由は炭素 量が少ないからです。

もし芯部まで焼入れ、焼き戻しされたら芯部も通常の焼入れ鋼と
同等の硬さになってしまうのではないでしょうか?
当方、浸炭は芯部の硬度は母材硬さを保つものと思っていました。

お手数おかけしますがご教授願います。

質問者

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その他の回答 (2件中 1~2件目)

2014/11/24 10:50
回答No.2

回答(1)の続きですが、引用があるので別回答とします。

「引張強度(と疲労強度)は硬さに比例する」
誤解している人が多いのですが大きな間違いです。40HRC程度まではその通り狭いバンドの中にありますが(文献(B)図3疲労強度)、それ以上の硬度域では低い値が現れ、バンドは下方向に大きく広がります(鋼種や清浄度により異なるので)。文献(C)図1の硬さと曲げ強度(引張強度の例が見つからなかったのでその代わり)の関係では、55HRC以上になると曲げ強度が低下しています。文献(D)の緒言と図1には45HRC以上で疲労強度が低下することが説明されています。この原因は、硬度の上昇に伴い延性破壊から脆性破壊に変化する、介在物に敏感なるからです。

「疲労強度は引張強度に比例する」
40HRC以下の均質材ではその通りですが、浸炭材の疲労限比(疲労限/引張強度)は浸炭条件により異なります。

「浸炭の方が引張強度、疲労強度共に高くはならないのでしょうか」
浸炭材の表層は60HRC程度あるので、その部分は完全に脆性破壊になり、もしその浸炭層だけを取り出して強度試験をすれば、低強度になります。疲労強度の高さは、「表層高硬度芯部低硬度構造」と「表層圧縮残留応力」が原因です。

「靭性は衝撃強さには効くが引張強度には効かない」
前述の理由で間違いです。因みに引張試験での強度耐力だけでなく伸び絞りも評価している理由には、破壊形態を確認することも含まれます。

「浸炭は芯部の硬度は母材硬さを保つ」
その通りです。当初の質問に「熱の伝わり」が出てきたので、「芯部は温度が上がらないので硬さが低い」と考えているかと思いましたので。

「浸炭の方が引張強度、疲労強度共に高くはならないのでしょうか」について追記。

疲労強度は回答(1)文献(A)図17にあるように、QTよりも浸炭の方が大幅に高くなります。
引張強度は文献(A)表7にあるように、少し高くなることもあれば少し低くなることもあります。

お礼

2014/11/24 23:46

とても的を得た解説で腹落ち出来ました。文献も分かりやすかったです。
今日会社でも色々と調べており、基礎的なことを聞いてしまったかなと
後悔しました(笑)
ありがとうございました。

質問者

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