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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:EPMAとEDS)

EPMAとEDSについての成分・異物分析の適性とメリット・デメリット

2023/10/20 16:22

このQ&Aのポイント
  • EPMA(波長分散型)は成分分析に、EDS(エネルギー分散型)は異物分析に向いているとされています。
  • EPMAは成分分析の精度が高く、異物分析でも優位性がありますが、EDSは簡単・短時間に分析できます。
  • 蛍光X線(EPMAとEDSの使い分け)は精度ではEPMAに劣りますが、簡便な方法として利用されることがあります。
※ 以下は、質問の原文です

EPMAとEDS

2020/11/09 08:33

金属等の成分・異物分析において、「成分分析は波長分散型(EPMA)のほうが向いているが、異物分析ならエネルギー分散型(EDX)が向いている」といわれていますが、なぜこのように言えるのでしょうか?
EPMAのほうが、精度が高いと思いますので、異物分析でもEPMAが優位かと思ったのですが。
また蛍光X線は、EPMAとEDXとの使い訳を考えたときに、どういった点で優れていると言えますか?
蛍光X線はNa以上しかできないというデメリットがあると思いますが、かつ簡単・短時間にできるというメリットはあると思います。精度はEDXより優れているが、EPMAより落ちるというイメージを持っています。

質問者が選んだベストアンサー

ベストアンサー
2020/11/09 10:32
回答No.2

装置に対する認識に、かなりの混同が生じていいるようですね。

まず、非破壊成分分析においては、蛍光X線分光とオージェ電子分光の2種類に大別できます。
外部からX線や電子線でエネルギーを与得られたエネルギーで励起した原子が放出するのが、X線なのか、電子なのかの違いで、軽いほどオージェ電子、重いほど蛍光S線が放出されやすくなります。

そして、蛍光X線分光の方法の違いとして、エネルギー分散X線分光(EDX,EDS)と波長分散X線分光(WDX,WDS)に分かれます。

エネルギー分散X線分光は、X線の光子が1個ずつ検出に入る状況にすることで、X線の光子エネルギーを検出器信号の大きさ、信号出力頻度をX線の強さとして測定するものです。X線検出の過程で、バラつきが大きいので、エネルギー分解能は相対的に低いですが、X線の光子全てを測定に利用できるので、また、蛍光X線の発生面積が波長分解に影響を与えないので、感度が高いという特徴があります。あとは装置構成がシンプルで、小型安価となるメリットもあります。

波長分散X線分光は、可視光での分光測定の様に、X線を回折格子で回折させ、波長による回折角度の違いから、特定の波長のみを検出器に導き、検出する方式です。波長分解能は高いのですが、測定したい波長のX線以外を捨ててしまうので、さらに、蛍光X線の発生面積が大きくなると波長分解の低下が起きることから、微小領域から出るX線しか測定に使えないので、感度が低いという特徴を持ちます。あとは、装置が大型な上に、調整が大変で、高価になるデメリットがあります。

また、X線分光の方法とは別に、励起エネルギーの与え方にも、電子線とX線の2種類の方式があります。

電子線励起の方は、収束が容易で、微小領域だけ強く照射できること、表面でよく吸収されるので奥の方の測定ができないことが特徴です。高真空~超高真空といった条件でしか測定できない制約があるので、水分・油分を含む試料の測定ができません。
電子線マイクロアナライザー(EPMA)というのは、成分分析を主目的に、収束電子線を励起エネルギー源として照射する分析装置の総称です。EDX,WDXどちらを利用してもEPMAを名乗ることができます。しかし、EDX型の場合は、走査型電子顕微鏡(SEM)とちょっと検出器追加で済むので、電子顕微鏡機能と成分分析機能を両立させたSEM-EDXと名乗ることが多くなり、結果として、成分に分析専用機となるWDX型ばかりがEPMAを名乗っているというのが現状です。

X線励起の方は、収束が難しいので、測定面積が大きくなってしまうけど、奥の方までX線は届くので、深い部分の情報まで非破壊で得られるという特徴があります。また、大気中で測定できるので、水分、油分を含む試料も問題なく測れます。
通常の蛍光X線分析(XRF)というとこちらを指すことが多いです。微小領域への照射が難しいので、WDX型は殆どなく、ほぼ全てがEDX型といえます。
成分分析専用となるので、大面積X線検出器を近くに配置でき、SEM-EDXよりさらに高感度にできるメリットもあります。

以上を基に言えば、「成分分析は波長分散型(EPMA)のほうが向いているが、異物分析ならエネルギー分散型(EDX)が向いている」というのは、形状測定と成分分析の両方が必要で、しかも、感度が高い方が良いという意味で、異物分析はSEM-EDXが向いていると言えます。また、感度を犠牲にしてでも、近接した波長の蛍光X線を弁別した方が好ましい成分分析においてはEPMA装置の方が向いているといえます。

「蛍光X線は、EPMAとEDXとの使い訳を考えたときに、どういった点で優れていると言えますか?」については、大気中ゆえのお手軽さという意味で、微小領域測定や類似波長となる成分が多い場合を除き、第一推奨を言えます。
精度という意味では、波長弁別能力と感度をどう評価するかで変わってきます。

お礼

2020/11/09 18:38

詳細にご説明頂き感謝致します。
一読ではすぐに理解できない点もありますが、今回のご回答を熟読し、理解を深めたいと思います。
ありがとうございました!

質問者

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その他の回答 (3件中 1~3件目)

2020/11/09 15:23
回答No.3

EPMAとEDSでは、回答(2)にある感度の差とともに、SEMの加速電圧の違いがあります。EPMAは結晶による回折現象に伴うX線の減衰があるため、EDSに比べて加速電圧を高くして発生X線を強くしています(例えば15kv以上対10kv以下)。

加速電圧が高いと分析領域が広く深くなります。このためEDSの方がより狭い領域を分析でき、微細異物の測定にはEDSの方がずっと優れています。

また回答(1)にあるEDSの方が微細観察に優れているのも同様の理由です。

お礼

2020/11/09 18:40

非常にわかりやすくて助かりました。
ありがとうございました!

質問者
2020/11/09 09:24
回答No.1

EPMAはSEM-EDSと比べて観察に関しては劣ります。異物や異変はピンポイントの分析なので観察機能がとても重要です。そのため異物(特に小さいものや小さい領域)には観察機能に優れるSEM-EDSが向いていると言われます。

蛍光X線はマクロ分析でEDSとEPMAはミクロ分析です。金属を例にするなら合金の元素分析や大きな異物の分析に向いています。あと蛍光X線は表面から数10μmまで情報が取れるので多少の皮膜なら断面作らなくても内部の分析ができます。

お礼をおくりました

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