年金なんて国家的詐欺でしょ？

　はじめまして。

　結果的には、そう言っていいと思いますね。
　敗戦から高度経済成長までという、日本史全体から見たら異常としか言いようのない経済状態を「ふつうの状態」と想定してしまったことから来る失敗だと思います。
　経済と人口は絶対に成長を続けるとしないと、年金制度はどこかで破綻してしまいます。そのことに気づいた人がいなかったわけではないのでしょうが、高度経済成長の『空気』はそういうことを言い出す人の存在を許さなかったんでしょうね。
　だから、いまになって経団連とかが「外国から人を入れてでも」ということで移民の受け入れを国に求めてるというような事情でしょうね。

　国の指導者がいい加減な連中だという感想は正直持ちますが、だけどそれを非難するなら、非難する人はお迎えが来るまでの収入は自分でなんとかできないと非難する資格はないと思いますよ。
　大学を出たらすぐに就職して、ひたすら人生をその会社に捧げたら定年退職後も安泰な生活が「当たり前」というのは、同じように経済と人口は絶対に成長を続けるとしないと成り立たないことですから。
　非正規雇用が増える、ブラック労働が増える。だから、正規雇用に変えろ、労働基準法を守れ。これらの要求は「雇用者は被用者の一生を引き受け、被用者は一生を雇用者に捧げる」という、年金制度と同じ「当たり前」の前提の上に成り立っている要求だからです。
　そういう要求をしている人に「たかがサラリーマンで一生涯終えようとすること自体が間違いだ」と言い放てる人でないと、年金制度を批判する資格はありません。だって、前提は同じなんですから。
　男子たるもの手に職を持って初めて「一人前」であり、サラリーマンなんていうのは親から身代を相続できず、かと言って自分の手に職をつける覚悟がない次男坊以下の極道息子が一時しのぎにやる「賎業」だった時代だって、ついこの間までありました。そして、日本の歴史全体を見渡したとき、むしろこっちの方が当たり前です。
　年金制度が崩壊しかかっているのを問題視しているのに、少しでもいい大学に入って少しでもいい会社に入って勤め上げるのが「いい人生」だと思っている人はまだまだ多いです。大学入試に向けて日々高校と予備校に通う高校生、希望するレベルの大学に入れなくて焦りを覚えて「資格を取ればいいかも」と言って何の資格を取ればいいかも決めずにユー●ャンのパンフレットを手に取る新大学生、就職が決まらないといって会社説明会を受けまくっている大学3～4年生、日大在学中で作ったアカウントから会社説明会の予約を取ろうとしたら全部いっぱいなのに、東大在学中で別のアカウントを作って予約入れてみたら空席いっぱいだったと憤慨する大学生、いわゆる「追い出し小屋」に怒る労働団体、これら全て、行動経済成長期という「例外的な期間」を「当たり前」と勘違いしているという意味で年金制度の失敗と同じ穴の狢です。
　そういう人たちにも「君たちが間違ってる」と言える人だけが、年金制度の失敗に怒る資格があると思います。

国家的詐欺、としても
詐欺してる人たちも年金取られてるわけだから
どうですかね？

年金という名目でお金を集めるか、税金という名目でお金を集めるかの違いですからね。