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パンチプレートのワーヤーカット加工面の垂直度につ…
2006/04/11 11:42
パンチプレートのワーヤーカット加工面の垂直度について
通常弊社ではステンの1mm~3mmの板厚の被加工材を抜く金型を製作することが多いのですが、今回0.1mm~0.3mmの薄物をプレスする金型を製作しております。
そこで皆様にアドバイスを頂きたいのですが、
順送金型(丸穴→異形状穴→外形抜落し)
構成要素:ダイセット(上型)・バッキング・パンチプレート・パンチ類・ダイ・ダイバッキング・ダイセット(下型)
ポスト:4本ポスト
ダイの大きさ:500×250mm
被加工材:SUS304 板厚0.1mm
クリアランス:7%(片側)
を加工する金型を製作するとして
【1】どのプレートを平面研磨しますか?
(弊社では通常ダイのみを平面研磨し、他のプレートは上下面ロータリー研磨がかかっているものを使用しております)
【2】パンチ・パンチプレート・ダイのワイヤーカット加工回数は何回ですか?
(弊社では4回加工をしております)
【3】全てのプレート(ストリッパーを除く)に対して、ワイヤーカットあるいはフライス加工でノック穴を加工して、単純に組み立てて行くだけでパンチとダイのクリアランスは均等になりますか?
(弊社では無理です。ワイヤーカット加工時の各プレートの倒れが累積し、単純に組んでいっただけでは型かじりの状態になります。
【4】上記の質問にてクリアランスが均等にならなかった場合、パンチを側面から“ど突いて”パンチを寄せ、クリアランスが均等になるように調整しますか? それとも、各プレートを測定し、不具合のあるものを再製作しますか?
(弊社では、上型と下型をひっくり返して、パンチ刃先がダイの切れ刃面にちょっと入る状態にし、光をあててクリアランスを確認し、パンチを側面からど突くことによって適正なクリアランスに調整した後、パンチプレートの裏面を平面研磨しております)
以上、皆様の“常識”を教えて頂けると幸いです。
すいません・・・題名を間違えました。
正しくは「プレス金型のプレート加工と型合わせの方法」です。
回答 (9件中 6~9件目)
tara555です。言葉で説明するのは難しいですね。
一目見ればすぐに分かると思うのですが・・。
とりあえず出来る限りの説明をしたいと思います。
「弱電型の場合、パンチプレートを「がたがた」にするとのことですが、丸パンチの上面・異形状パンチの上面は研磨をかけないのでしょうか?」
確かに自動車型の場合、ウチでもピアス等をパンプレにインサートし、裏面も研磨します。
弱電型でも基本的には同じと考えます。
(研磨することがベストと考えます。)
「ストリッパーにパンチ類を挿入した状態で、パンチにロックタイト等を流し込み固定するのでしょうか?」
研磨するのに固定までしなくてもいいように思いますが・・。
要はピアスの底の面を研磨するのですから、やり方はいろいろあると思います。良い方法を御社で考えてみてください。
「ストリッパガイドピンに関しても、パンチプレートはガタにしておくのでしょうか? そうしなければ、純粋にストリッパーとダイプレートの位置関係でのみの精度保証はできなくなると思います。」
そんなことはありません。
具体的に数値を記入して説明します。
材料:0.1mm
クリアランス片側7%
刃の基準:上刃
上型基準なので、上刃はクリアランス0でつくり、ダイはクリアランス片側0.007mmで作ります。
上刃の形状はボルトで固定するのではなく、必ずつば付きにします。
ストリッパーガイドに関してはパンプレに垂直に固定し、ストリッパーを貫通しダイまで(最低20mm)は出る要にします。
ガイドのクリアランス(ストリッパー、ダイ)は普通のガイドポストの面精度とクリアランスで作ります。
ストリッパーとパンプレのクリアランスは片側0.007mm未満ですれば理論上刃のかじりはしないことになります。
「このような考え方の金型をつくる時、型合わせはストリッパーにパンチを突っ込んだ状態で行うのが基本なのでしょうか?」
そうです。
突っ込むと言うより指し込むといったイメージです。
0.1mmの材料で例を挙げましたが、正直かなり精度に関して難しいと思います。普通にすればこの構造でも、まず出来ないと思います。
プレート関係はすべて研磨、焼入れ部品に関しては先に焼きを入れをしといて研磨そしてワイヤーカットの順番となると思います。
ちなみにワイヤー機に関しては細心の注意が必要になってきますし、古い機械(精度が怪しい機械)ではまず無理と思って正解です。
参考になれば幸いです。
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この質問は投稿から一年以上経過しています。
解決しない場合、新しい質問の投稿をおすすめします。
プレス金型の作り方は大きく2つに分かれます。
一つは弱電の金型でもう一つは自動車の金型です。
(ウチでは自動車型をしていますが、質問文を読む限り御社でも自動車型がメインですよね。)
つまり、金型を作る上で「常識」は大きく2つあると言うことです。
手取り足取りの説明は長くなりますので双方の違いを簡潔に書きます。
「弱電型」
穴の数が多く、材料の厚みが薄いため(クリアランスがほとんどない)ためストリッパーに擦りながら抜き刃を作ります。
つまり、パンチプレートとパンチに関しては「がたがた」「ピアスであればくるくる回る」にしておきます。
そして、ほとんどがたのない(パンチのバカ穴)ストリッパー(焼きが入る材料)を擦りながら穴を開けます。
当然、ストリッパーにはガイドを入れ、ダイと共有させます。
取り付けの仕方はすべて金型を組んだ状態で考えるとボルト、ノックのすべてを上から取り付けます。(上ホルダーはパンチプレート、パンチの取り付けするための穴がいっぱい開くことになります。)
「自動車型」
材料の厚みがある程度あり、金型自信に剛性が必要なためパンチはきっちり固定します。
精度に関しては、パンチプレートのノック穴もワイヤーで加工したほうがより精度が出ると思います。
クリアランス等に寄りが出てしまったとき、コーキング(ど突いて)はできるだけしないほうが良いと思います。(昔はよくしていましたけれど、ウチでは今は絶対にしません。)
ウチではクリアランスの調整は必ず研磨、シム板で調整します。
研磨に関しては、ダイ、パンチの上面をすべてします。
型構造としては、今回の質問を読む限り「弱電型」で検討製作されたほうが問題は少なくてすむように思います。
参考になれば幸いです。
お礼
2006/04/11 19:31
ご回答ありがとうございます。
弱電型と自動車型にそのような違いがあるとは思ってもみませんでした。
目からウロコが落ちる想いです。
実のところ弊社では自動車関連でも弱電関連でもないもののプレス型を作っているため、中々他社の金型を見る機会がありません。しかし、どうやら考え方としては自動車型の考えで金型製作をしていることがわかりました。
そこで、更に質問があります。
弱電型の場合、パンチプレートを「がたがた」にするとのことですが、丸パンチの上面・異形状パンチの上面は研磨をかけないのでしょうか? 弊社での考え方ですと、必ず全てのパンチ類をパンチプレートに挿入した状態でパンチプレートの裏面を平面研磨し、全てのパンチがバッキングにしっかりと当たるようにします。そうしないと、パンチ類が加工を行う際に、パンチプレート内でガタつき、振動によるツバの破損等が頻繁に起こります。ただし、これはステンの1mm以上のものでの実績であるので、板厚が0.1~0.3mmのような薄物ではそのような心配は不要なのでしょうか?
それとも、ストリッパーにパンチ類を挿入した状態で、パンチにロックタイト等を流し込み固定するのでしょうか?
また、ストリッパガイドピンに関しても、パンチプレートはガタにしておくのでしょうか? そうしなければ、純粋にストリッパーとダイプレートの位置関係でのみの精度保証はできなくなると思います。
最後に、このような考え方の金型をつくる時、型合わせはストリッパーにパンチを突っ込んだ状態で行うのが基本なのでしょうか?
パンチプレートをガタにするという発想が全くなく、今までやったことがないため、分からないことだらけです。
もしよろしければ、ご教示を宜しくお願いします。
はじめまして。
まず初めに私が図面を書くとしたら、ストリッパーの精度を上げてストリッパーでパンチの位置決めをすると思います。
ストリッパーガイドピンを上型バッキング上からパンチプレート・ダイ(ダイホルダー)まで貫通して、必要に応じてパンチガイドブシュを使います。
それでかじりはなくなるしメンテナンスも楽になると思います。
御社では、パンチプレートで位置決めをされているようですので、プレート類の平面研磨は可能なかぎりするべきだと思います。(生産数量等にもよりますが)
【2】の回数はオペレーターの腕しだいではないのでしょうか?
回答(1)の人のいわれるとおり製作費とのバランスが重要ですね。
お礼
2006/04/11 19:12
ご回答ありがとうございます。
上型から下型までのストリッパーガイドピンを考えたとき、上型での加工精度(垂直度)がモロに金型の精度に影響すると思います。
例えばt=25mmのバッキングプレートで垂直度が3ミクロンであったとしても、そこにL=100のストリッパガイドピンが立てば、先端部では(3ミクロン)×(100mm/25mm=4)=12ミクロンの倒れになると思います。
その状態ではストリッパーもスムーズには摺動しませんよね。
やはりキモとなるストリッパーとダイプレート以外はデブコン等で接着しないといけないのでしょうか?
各プレートの垂直度を限りなくゼロに近づけるのは、弊社の設備においてはかなり困難なのですが・・・
毎度です。
当社では自動車の部品をプレスしてます。
一般的な材料はt2.0のSPCC等です
?はダイセット以外はすべて平面研磨してます。
?は加工物の厚さ、形状によって変わります。(?~5回)厚いものほど多くかけます。
?は当社ではノック穴もワイヤーで仕上げますが、やはりクリアランスは多少ズレます。(カジるまではいきませんが寄りは出ます)
?はパンチ(正確にはパンチプレート)を叩いてクリアランスを調整してます。ただ、材質によって調整不可の場合は再製作となります。
あと、聞いた話ですが金型を納入する客先によっては、叩いてクリアランスを調整すると金型NGで納入出来ないところもあるそうです。
大体こんなとこですが、うちのやり方が常識というわけではありませんので参考まで・・・
結局のところ手間を掛けると金型費が上がるので、どこまで妥協して作るかというところではないでしょうか。
毎度です。
?の手順は記入されてる通りです。
垂直度は確認しておりません。叩いてクリアランスを出すことを前提にしているもので・・・(ポリポリ)
?は>>2さんの言われるとおりパンチプレートではなくパッドを基準にするほうが勘合性が良くなります。
たぶんパンチプレートはSS400かS45Cだと思いますが、ワイヤー機の精度、環境、温度、材料の応力などにより変寸しやすいと思います。
パッド(できれば焼入れ処理したもの)基準にすることでかなり精度はよくなると思います。加工と値段はアップしますが・・・
では頑張ってください。
お礼
2006/04/11 14:34
早速のご回答ありがとうございます。
(2)の平面研磨についてですが、ワイヤー加工が必要なプレートに関しての加工順序はMC加工→平面研磨→ワイヤー加工の順番でしょうか?
ワイヤー加工後に上下面との垂直度等は確認されておられるのでしょうか?
(4)に関してはやはりパンチプレートを叩いて調整されるのですね。弊社でもそのようにしているのですが、何とかならないものなのでしょうか。
ワイヤーカット加工をする際の加工条件(室温・振動等)をメーカー推奨の状態にしないと不可能なのでしょうか・・・
ありがとうございます。
やはりパッドを焼入・調質したもにしないとだめなようですね。
確かに昔、プレートの賃加工で品名がストリッパーなのに、SKD11 焼入材の指定があって、「なんでかなぁ?」って思ってたことがありました。
今になってやっとわかりました。
一度採算度外視で、実行してみようと思います。
色々とありがとうございました。
お礼
2006/05/15 15:20
詳しいご解説、ありがとうございました。
パンチプレートの裏面を研磨するときの問題では、パンチにツバをつけることで解決するのですね。ガタガタの状態ですと、裏面研磨の時に落ちてしまうのでどうするのかな?と思っておりました。
弊社の設備でどこまでできるかわかりませんが、一度この方法でチャレンジしてみたいと思います。
ありがとうございました。