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2008/06/24 16:08
SUS304について教えてください。
SUS304を旋盤加工した後、応力除去のため熱処理をしています。
熱処理は900±10℃の炉に2時間入れた後、炉冷しています。
SUS304は非磁性材料として利用したいのですが、加工誘起変態によりマルテンサイトに変わる可能性があることは承知しています。
この熱処理条件でマルテンサイトに変態する可能性はあるでしょうか?
SUS304の固溶化熱処理では1010~1050℃に加熱後、急冷というのが
一般的のようです。
SUS304はオーステナイト系ステンレスですので、急冷しても徐冷しても
マルテンサイトになることはありません。
構造用鋼は徐冷すると「焼きが入らない」というのは、常温での安定相が
フェライトであるためで、マルテンサイト化するために急冷が必要です。
JIS指定の固溶化熱処理が1010~1050℃急冷になってるいのは、それまで
の製造過程で析出(500~800で析出し易い。参考URL)したCrの炭化物を溶
け込ませて基地のCr量を確保し、耐食性を十分発揮させるためです。
このため一度固溶化熱処理を通っているSUS304はCr炭化物が溶け込んでい
ますので、応力除去や、加工誘起マルテンサイトの再オーステナイト化など
の理由で900℃に加熱することは問題ありません。
但し、「炉冷」は問題です。前述のCr炭化物の析出温度領域をゆっくり通
過するわけですら、Cr炭化物が析出してしまい、耐食性が低下しているは
ずです(参考URL)。このため炉冷は止めて急冷にされることをお薦めします。
どうもありがとうございました。
2008/06/25 09:02
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SUS30※はNiが多く含まれているため、常温でマルテンサイト変態が起こ
りません。(Ms点はNiやCにより低温となる)従って、マルテンサイト化は
常温までの熱処理では起こらないと思います。
加工時に加工誘起マルテンサイトが起こったとするならば、一度オーステ
ナイト化(1000℃)し、急冷をしなければなりません。
900℃2h保持、炉冷というので気になるのは、フェライトの析出です。
Niによりフェライト変態開始温度は低温側になりますが、冷却時間が長けれ
ばれば、フェライトも析出するはずです。
一度、問題の材料の組織観察を行い、問題箇所を探るのが手っ取り早いかと
思います。
どうもありがとうございました。
2008/06/25 09:02
ステンレスでも炭素量が多いと、焼入れ効果がありマルテンサイトが出来るが
SUS304では炭素量が少ないために高温で安定で耐食性の良いオーステナイトと
いう組織が1010~1050℃に加熱後、急冷することにより常温でも存在できる。
フェライトという組織も磁性体だが、どちらかといえばこれに変わる筈です
ところで応力除去か非磁性か耐食性の一体どれが最も重要なのでしょうか?
それにしても、旋盤加工後に応力除去焼なましをするのは今迄聞いたことが
ない。熱処理後、機械加工面は酸化してしまうので其処で酸洗?するのかな
どうもありがとうございました。
2008/06/25 08:37
うろ覚えで恐縮ですが・・・
SUS304を炉冷すると、δフェライトが析出したような記憶があります。
δ相はマルテンサイト相(α’)と同じく強磁性です。
シェフラーの状態図(溶接の場合の図ですので当てになりませんが)
では、5%程度のδ相が”溶接の場合”生じるようです。
ちなみに、切削加工では切りくずだけでなく素材側も加工誘起で
マルテンサイト変態します。加工後は磁石につくので、
溶体化処理してから使用していました。
ヒプノスさんが書かれているとおり、溶体化熱処理が必要
だと思います。
どうもありがとうございました。
2008/06/25 08:38
900℃炉冷でマルテンサイト化はしませんが、旋削で表面が
マルテンサイト化している場合は解消されません。
もし旋盤加工後に磁石に着くようであれば1050℃→急冷を
やる必要があります。
もっとも、変態を起こした層はほとんど切り粉になって捨てられているので
品物の方はまず問題ないと思いますが。
どうもありがとうございました。
2008/06/25 08:39
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