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2008/06/04 18:18
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂についてなのですが、
硬化剤を混ぜ硬化させる過程で、温度はどのように関係してくるのでしょうか?
樹脂と硬化剤によって特有の硬化温度条件があるのでしょうか?
もしないのだとすれば、どのようにして硬化温度条件を決定しているのでしょうか?
成形はLEDなどの樹脂封入について考えております。
樹脂について全くの素人ですが、よろしくお願いします。
LEDの封止から類推するに、はんだ付けも経験され、温度プロファイルについて知っておられ、なぜエポキシ硬化にそれが無いのか疑問を持たれたのではないかと思います。
はんだ付けには予熱-本加熱-冷却のプロファイルが秒で指定され、上げすぎも下げすぎもダメ。これを守らないと、
プリヒート小→ブローホール
加熱大→結晶粒成長、銅銀喰われ、樹脂部品の変形
のような不具合を招きます。どういう物理現象が起きてるのかも解明されてます。
一方エポキシ硬化は、重合反応で、指定温度で指定時間以上加熱すれば反応が終了する。硬化前に充填しなければならない制約はある。反応自体は温度下→時間大といった単純な関係で、プロファイルまでを問う必要が乏しい。硬化完了したのち、温度をキープし続けても機能を損なうような変化がおきにくい。
こういうことではないでしょうか?
>樹脂と硬化剤によって特有の硬化温度条件があるか?
これは千差万別。メーカに言えば用途に適したモノを持ってくる→何度何分の条件が指定される→工程変動を考えて条件を振って実験/評価→結果NGならさらに適したモノを要求する。。。
こんなフローでしょうから、エポキシ樹脂全般について温度プロファイルを論じる必要性は薄いかと思います。
エポキシ接着の経験はありますが、封止は技術情報を聞いた程度なので、その類推だけで信憑性が怪しいとして聞いてください。
>成形後のひずみ量に変化がある可能性はあるでしょうか?
有り得ると思います。
重合反応は高温ほど完了しやすいが、パーフェクトに完了するわけではない、長期間で緩やかに進行して歪みをもたらすシナリオでしょうか?
ICのパッケージングでは、温度が不良要因として挙がってたと記憶しますが、LEDはそれよりも緩い気がします。
むしろ長期信頼性として問題になるのは、発光素子、リードフレームとの熱膨張差による歪みで密着性が損なわれる方が大きいのでは?
また、実装時のはんだ付けも熱衝撃としては厳しいでしょう。
ネットで封止について調べると、樹脂メーカの商品PRていどで、技術論文は引っ掛からなかったので、この本などで学ばれてはどうでしょう。この種の本は古いのはダメですが、マア新しいので費用/効果はあるかも。。。
http://www.gijutu.co.jp/doc/b_1347.htm
『最新!半導体・LEDにおける封止技術と材料開発大全集』
発刊:2006年11月30日 定価:84,000円 !!!
LED・ディスプレイ用封止技術の開発と特性および信頼性
<<同時にアップされてる質問への回答は実に酷い!>>
回答ありがとうございます。
全くその通りです。はんだ付けをしているものでちょっと不思議に思っていました。
分かりやすい説明で理解できました。
別の点から、温度プロファイルによって収縮量などが変わったりして、成形後のひずみ量に変化がある可能性はあるでしょうか?そういった点もメーカが考慮して、ある程度のプロファイルを設定しているのでしょうか?または、そこまで考慮されていないのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ございませんが、ご返答よろしくお願い致します。
本当に分かりやすい説明をしていただき、誠にありがとうござました。
2008/06/09 13:13
何度も質問申し訳ございません。
樹脂の硬化温度プロファイルについてですが、
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の場合、一般的に硬化剤を入れて
重合反応させ硬化させると思うのですが、反応自体は温度下→時間大という
単純な関係であるのであれば、熱収縮のことを考えれば常温かもしくは
常温に近い温度で硬化させた方がひずみ量は少なくて良好と思ってしまう
のですが、そうではなくメーカによって硬化温度にも様々あるのは
なぜなのでしょうか?
以前の質問よりとても時間がたってしまっているのですが、
不思議に思いましたので質問させて頂きました。
質問が長々になってしまい申し訳ございません。
よろしくお願い致します。
2008/08/22 16:10
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補足の回答
少し説明が悪かったですね。
例えばメーカー標準品の硬化条件が100℃60分以上となっていた場合に、
60分も100℃に放置したくないという場合もあります。
そんな時、もっと硬化時間の短いもの(硬化の速いもの)を要求するわけです。
また、標準の硬化条件では速すぎて歪が大きくなる場合は反対に硬化時間を
遅くして、ゆっくりと硬化させたりするわけです。
温度は硬化速度に関係してくるし、硬化速度は硬化物の内部応力や接着力
などにも関係してきます。
そんなわけで様々な硬化温度プロファイルがあり、標準的に決められない要素を持っているため情報が少ないのではないでしょうか。
使用する側の要求として、硬化温度を高くすることができない場合や、早く
硬化させたい場合、また硬化歪みを小さくするために反対にゆっくりと硬化
させたい場合などがあり、硬化速度や硬化温度も要求に合わせて配合を設定していくものと思います。
硬化剤の配合量や硬化剤の種類によっても硬化形態が変わります。
使用者側に特に条件が無ければメーカー推奨の硬化条件で硬化させることに
なります。
メーカーに硬化温度は何℃以下、又は100℃で60分以内とかユーザー側から
許容範囲を示して合うものを購入することもあります。
早速の回答ありがとうございます。
どの樹脂成形品も硬化後の歪みが小さくなるのが理想なのではないのでしょうか?
そうすると、なぜ早く硬化させたりと様々な場合があるのでしょうか?
硬化温度を高くできないという場合は理解できるのですが、他の場合が検討つきません。
自分なりに調べているのですが、硬化温度プロファイルについては情報があまりありません。
何度も質問して申し訳ございませんがよろしくお願い致します。
2008/06/05 13:52
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