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メッキ剥がれの原因とは?
2023/10/16 13:41
- 鉄の家具用ハンドルのメッキ剥がれの原因は、銅メッキが鉄に密着していないことにあります。
- 銅メッキは鉄の下地にクロムメッキをするために行われる処理ですが、密着していない場合はメッキが剥がれやすくなります。
- 銅メッキが密着していない原因としては、銅メッキの表面がディンプル状になっていて、密着している面積が小さくなっていることが挙げられます。
メッキ剥がれの原因を教えてください
2008/02/26 21:56
輸入品(台湾製)の家具用ハンドルを仕入れたのですがメッキが剥がれてこまっています。調べてもらったところ鉄の素材にクロムメッキをするために下地に銅メッキをしているのですが、その銅メッキが鉄に密着していません。剥がした銅メッキを顕微鏡でみると表面がゴルフボールのようなディンプル形状をしていて密着している面積が小さくなっているとのことでした。そのディンプルの中から「銅」「鉄」の他に「酸素」「炭素」「ナトリウム」「マグネシウム」「硫黄」「カリウム」等が検出されました。
メッキ前処理が悪かったようですが、何が原因なのでしょうか?
当方全くの素人です。どなたか教えて下さい。
よろしくお願いします。
回答 (3件中 1~3件目)
銅メッキは、耐食効果を狙ってのものと思います。装飾品等の下地処理には
よく見られる様です。この銅メッキの細孔があるとの事ですがメッキ前処理の
ブラスト処理痕という可能性はありませんか?
(顕微鏡の拡大率が分かりませんのでなんとも言えませんが)
私の経験では、剥離やピンホールの原因として母材の”錆”があり、錆を
ペーパー等で除去はしていた様ですが、錆根の部分が取れておらず、メッキを
剥がすと表面が斑模様になっていました。
台湾は、時期と場所的に大変結露しやすい地域ですので、この様な事が
起こってしまいます。
的外れかも知れないと思いますが、メッキ付着面の母材側の評価も
一考されては如何でしょうか?
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考えられる原因は、回答(1)様と同様ですが、おなじく、詳細が分からないので、特定は難しいです。
前処理の問題であることは間違いないと思いますが、めっきの種類も特定できないと思いますので、更に難しいと思います。(銅めっきといっても、何種類もあり、鉄素材との組合せによっては、根本的に密着がない場合もあります。
剥がした面がディンプル状になっているのは、たぶん細かい膨れ(おなじくめっきの不良で、密着不良が原因)が集まってそう見える可能性があります。分析をされているようですが、EPMAやEDSのような元素分析だとすれば、酸素、炭素は、普通に検出されると思います。また、めっき工程の薬液成分が残留すると、ナトリウム、マグネシウム、硫黄等は、おなじく高確率で検出されるので、密着不良の直接の原因分析としては難しいかと思います。
>脱脂液に水酸化カリウム
通常は考えられないです。水酸化カリウム等は、脱脂液中で、油分(汚れ)を鹸化して除去する仕組みですが、同じ働きとして水酸化ナトリウムが、圧倒的に安価です。半導体産業等、高精度な管理をする場合は使用することもありますが、通常は、界面活性剤、水酸化ナトリウムを主成分とした脱脂液だと思います。ただし、カリウムの検出濃度が、微量なら、脱脂の可能性も有りです。
それでは、問題のカリウムは?
銅めっき液、または、クロムめっき液の可能性を疑いますが、クロム液中のカリウムなら、クロムも検出されると思われます。ということで、銅めっき液中の可能性有りです。(めっき液や、詳細な工程が不明なままの推測ですので、ご了承ください)
ただし、カリウムの有無にかかわらず、脱脂後水洗が不十分であれば、密着不良の可能性は高くなります。脱脂液の管理が不十分で、老朽化した液であればなおさらです。
ディンプル内の残留物質の成分と、中国、台湾製のめっきということで、一つ思い出したことがあるので、追記します。ただし、仮に、いくらレベルの低いめっき屋だとしても、通常あり得ないと思うのですが...。
銅めっきの種類はいろいろありますが、鉄上に銅めっきをする場合、使ってはいけない銅めっきがあります。それは、硫酸銅浴という種類で、作業性がよく、外観が良いのですが、鉄素地では置換反応が起こってしまって、密着のよいめっきができません。(硫酸銅の水溶液の中に、清浄にした鉄片を入れると、きれいに銅めっきされますが、密着はありません)
この場合、鉄表面から鉄が溶け出し、変わりに銅が析出するのですが、ミクロ的に見れば、銅と鉄の混在した状態になります。密着不良でこの膜が剥がれれば、ひょっとしたら、分析結果のようになるかもと思います。(再現実験が必要でしょう)
中国のめっき屋の中には、かなり悪質な業者もいるということを聞いたことがあるので、念のため。
また、酸化被膜らしいものがあるとのことですが、めっき直前の活性が悪く、酸化被膜が残っていれば、当然めっき剥がれが起こります。
お礼
2008/02/27 16:59
ご回答ありがとうございました。
当方で行ったのはEPMA分析です。
ネットで調べたところ、脱脂液に水酸化カリウムを使用するケースもあるとか。そうなると検出されたカリウムは脱脂液の残留物質と考えてもいいのでしょうか?脱脂後の洗浄(水洗)が不十分だったということでしょうか?
場所によってはきちんと密着している所もあるので不思議です。
もっとがんばって調べてみます。
とてもご丁寧な回答ありがとうございました。
ディンプル内の残留物質を拡大すると、薄い膜が丸まったようになっていました。酸化皮膜が剥がれたものではないかと言われました。ちなみにその残留物質からクロムは検出されていません。ナトリウムとカリウムが共に0.4%位でした。鉄と銅が共に40%位で酸素が15%位、マグネシウムが1%で硫黄が0.5%でした。
このデータで何か分かりますでしょうか?
とても丁寧に教えて頂きありがとうございました。
又、見るのが遅くなりすみませんでした。
非常に専門的な内容なのですが、とても分かり易い説明なので私にも理解できます。
メッキ液の不良となると多発してもよさそうなものですが、発生はたったの1つです。(分母は?万個です)
なんとも不可解です。
原因はいろいろ考えられますが、一般的に考えられそうなのは、
?水洗不良
?脱脂不良
?活性化不良
?素材不良?(素材に対し適切な前処理がおこなわれていない)
鉄といっても種類がいろいろなので、それによって注意すべき前処理のポイントがあります。
めっき業者のレベルがわからないとどうにも...
お礼
2008/02/27 14:38
回答ありがとうございました。
輸入品ということで製造工場やメッキ工程などは全く不明です。
当方も勉強不足なので、いろいろと調べてみたいと思います。
お礼
2008/03/01 12:00
回答ありがとうございました。
又、貴重な体験談ありがとうございました。
母材の方も200倍で観察しましたが、凸凹等は一切ありませんでした。
母材の表面は正常品と差がありませんでした。
母材自体が錆びていたというデータは得られませんでした。(めっきが剥がれたところを見てもとてもきれいでツルツルしていました)
よって、ショットブラスト痕ではないような気がします。
たしかに結露は怪しいかもしれませんね。