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浸炭焼入れ後の仕上げ加工について
2023/10/17 12:44
- 使用する部品が硬さを求められていたので、粉末ハイスの焼入れ鋼を使用しました。
- 弊社では、浸炭焼入れの実績が少なく、寸法のうるさい箇所の処理方法に悩んでいます。
- 浸炭焼入れによる熱ひずみで寸法変化が起きるのか知りたいです。
浸炭焼入れ後の仕上げ加工について
2009/08/17 10:56
使用する部品が硬さを求められていたので、今まで、粉末ハイスの焼入れ鋼を使用し、寸法のうるさい箇所は、熱処理後に、放電、研磨等で仕上げていましたが、この製品を使用中に製品にヒビが入ってしまい、今回靭性を上げる為に、SNCN材に浸炭焼入れを行う事にしました。
弊社では、今まで浸炭焼入れの実績があまりなく、寸法のうるさい箇所の処理をどの様にしたら良いか見当がついておりません。
通常、寸法のうるさい箇所は、浸炭焼入れ後に仕上げ加工をして良いのでしょうか?
それとも処理前に仕上げ加工してから処理をするのが通常なのでしょうか?
又、浸炭焼入れは、熱ひずみによる寸法変化は大きいのでしょうか?
知識のある方、御教授頂けたら幸いです。
回答 (4件中 1~4件目)
回答(1)です。
歪の程度ですが、残念ながら現在でもトライアンドエラーしかありません。
なぜなら、材質・形状・内径・外形・肉厚など要因が複雑にからんでいるので基準や方程式などは存在しません。
たとえば、「穴は縮むはず」となっていても全体の形状の影響で拡大することもあります。
したがって、事例の物件(全く同じ製品)でテストするしかありません。
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SNCN材とはSNCのなまし材の事でしょうか?
それはさておき、最終形状はどの様な形でしょう?
通常 浸炭深さが0.7~1.0mmとすると それより薄い肉厚部があると浸炭材は不向きです。
※靭性のある部分が無くなってしまう。
靭性と強度から考えると粉末ハイスの方が強いはず。
浸炭材<ダイス鋼<ハイス の順で強度が上がるはずです。
MCのプルスタッドでも標準品はSNCMで高強度の物はダイス鋼です。
もう少し ひび割れの原因を追求する必要を感じます。
可能性として、放電加工か研削時に粒界腐食を起こしている様な気がする。
もし、水系の放電やワイヤーカットを使っているか研削液が合っていないと
タングステンやコバルトが溶け出して遅れ破壊を起こす事が懸念されます。
浸炭焼き入れも、通常の焼き入れ同様歪みは発生します。逆に、内部は柔らかく表面のみ硬度を上げるという二種類以上の組織構成となる為通常の焼き入れより歪みは大きいと思います(形状によりますが・・・)。なので私は浸炭焼入れも処理後に研磨、電気加工等で仕上げる様にしています。
浸炭焼入れは現在ポピュラーに施されている熱処理の中では最も歪が大きい処理ですね。これを精度良く仕上るのはちょっと難しいです。
浸炭後に研磨等で仕上げると硬化層が減ってしまいます。この場合は十分な硬化層(研磨しろを含んだ)が必要ですが硬化層を多くする為には処理時間を長くするなどの条件変更が必要でより歪が大きくなります。
一般的には、処理前に歪分を想定して寸法を仕上げておく方法がありますが、これも限界精度を超えると不可です。
靭性を求める場合はハイスの種類を工夫する手もあると思います。
たとえば、YXRシリーズなどを試したらいかがでしょう。
お礼
2009/08/17 17:29
お忙しい所、早速の回答有難うございました。
やはり、浸炭焼入れは歪が大きいのですね・・。
今回の材質は客先指定なので変更がきかないので、有効硬化層深さを1mm程に指定し、取りしろを残して最終仕上げで寸法を出したいと思います。
また、歪分を想定すると書かれておりましたが、ワーク品のサイズでどれくらい歪むかという目安の値などはあるのでしょうか?
度々の質問で申し訳ないのですが、お分かりでしたらご回答下さい
お礼
2009/08/17 17:32
早速の回答有難う御座いました。
今回は、貴殿がおっしゃられるように取りしろを残し、最終的に仕上げ加工で寸法精度を満足させたいと考えております。