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2009/06/17 11:15
鍛造部品を製造する際に使用する金型について初歩的な事になるかと思いますが教えてください。
通常、小生達が使用している金型はニブとケースに分けられニブは超硬、
ケースはSKD11などの焼入・焼戻し材を使用しております。そのニブは
成形中にケースから抜けないように「圧入」又は「焼きバメ」をしてケース
がニブを常時、締め付けている状態にしています。その締め代は各社各様
になっているようです。
鍛造加工ですと成形荷重が数十トン~数百トンになり、超硬といえども
弾性変形をして膨らむそうです。その超硬の弾性変形を抑えようとした時に
しめ代を上げるという手が一番使われるそうなのですが、「ケースの硬さを
上げてみる」とか「ケース径を大きくする」という話も聞きます。
ケース径を大きくする(鍛造設備的に可能であれば。。。)案はなんとなく
理解できるのですが、ケース径が同じで硬度を上げる事で締まりが良くなる
のでしょうか?
ケースでニブを締めるのはケース内径をニブ径よりも少し小さく加工して
無理やりニブを押し込む事でケースが弾性変形し、その歪み分の荷重で
拘束していると理解しております。だからしめ代を大きくする(=歪み量
を大きくする)事で大きな荷重が得られる事でしめの効果はアップするでしょう。
ただケースの硬さを上げても降伏点が上がるだけで、歪みに対する荷重
(応力-歪み線図のヤング率傾斜部)は変化しないと考えるので、コストかける
だけでまったく無意味な対策のように思えてしょうがないです。
いままで経験した事がないので、確信が得られないのですが、お詳しい
方、いらしゃいましたらご教授願います。
簡単に考えましょう。
鉄鋼類の硬度を上げる事は、引張強さを上げる事でもあり、降伏点や比例
限界点も上がります。(硬度と引張強さは、比例の関係にあり、硬度換算
表には、引張強さも併記されています)参考のWEB資料を確認下さい。
すると、弾性変形で圧入する圧入代が大きくなります。
そして、その弾性変形より大きな力が加わるまで、圧入部は変形しません。
これは、ベアリングの与圧仕様で、その与圧より大きな力が加わらないと
ベアリングが変位しないと同じ事です。
纏めますと、
硬度を上げる ⇒ 降伏点が上がる ⇒ 圧入代を上げて圧入ができる ⇒
より大きな力で圧入できる ⇒ その力以上の力が加わらない限り圧入部は
変位しない ⇒ 圧入部分の剛性が上がる
となります。
これは、与圧仕様のベアリング剛性アップの原理と同じです。
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2009/06/22 09:14
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