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2018/06/23 17:59
真空蒸着などで金属を蒸発させるとき、なぜ固体から気体の昇華が起こるのでしょうか。液相は介さないのでしょうか。(融点よりもだいぶ低い温度で蒸発するので昇華と考えているのですが。)
一般的な蒸着では、金属や金属酸化物などを加熱して蒸発気化させ、基材や基板に表面処理や薄膜を形成します。
金属などは溶かすだけで数百℃以上、気化させるには数千℃の温度が必要です。
そこで、減圧した真空状態が必要です。
真空中だと、金属などの蒸気圧の温度を下げること(減圧する事で融点よりも低い温度で蒸発する)ができ、千℃前後の加熱で金属などを気化させることが可能となります。
真空蒸着は金属を蒸発させ付着させたもので、昇華ではありません。
昇華にやや近い物?でスパッタリング法と呼ばれる蒸着と同様の薄膜を形成する方法もあります。
真空中で不活性ガス(主に、Ar)を導入、ターゲット(プレート状の成膜材料)にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、不活性ガス原子をイオン化し、高速でターゲットの表面にガスイオンを衝突させて激しく叩き、ターゲットを構成する成膜材料の粒子(原子・分子)を激しく弾き出し、勢いよく基材・基板の表面に付着・堆積させ薄膜を形成する技術で、高融点金属や合金など、真空蒸着法では困難な材料でも、成膜が可能で、広範囲な成膜材料に対応できます。
例えて言えば砂浜に勢いよく石をぶつけると、砂つぶが勢いよく周りに飛び出す感じです。
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金属などの三重点は非常に低い圧力なので
昇華ではなく液体を介した蒸気圧平衡だとお考えください。
また金属は合金にすると融点が下がる場合もあり
蒸着先での品質を重視しないなら
単体金属での融点より低い温度からの融解も可能になります。
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