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計測器校正における「4対1理論」の考え方
2023/09/07 09:21
- 計測器校正における「4対1理論」の考え方について説明します。JCSS校正に基づいた方法で、標準器と被校正器の両者の精度比を4倍以内としています。しかし、Cの場合やFull Scaleの精度の場合など、いくつか疑問や課題があります。
- Cの場合、被校正器の合否基準は、標準器の値±一定範囲以内としています。この一定範囲の値は、「4対1理論」が成り立つように決める必要があります。また、標準器と被校正器の精度がどちらも±x% Full Scaleの場合には、測定幅で判断します。
- 測定最大値が異なるFull Scale同士での校正は妥当ではないと考えられます。被校正器の最大容量や精度によっては、合否基準に適切な判断ができないケースもあります。この点について、より詳しく解説します。
計測器校正における「4対1理論」の考え方について
2021/10/10 20:59
精密機器製造業にて計測器の校正を担当する事になりましたが、計測の「4対1理論」の考え方について良く分かっていない事があり、教えて頂れば幸いです。
当社ではJCSS校正(社外校正)された標準器を使って、社内の計測器を校正しています。
その方法としては、大きく分けて以下のパターンになります。
A. 標準器の出力を被校正器に入力し計測
例:標準器は電圧発生機、被校正器はマルチメータ。
B. 被校正器の出力を標準器に入力し計測
例:被校正器はファンクションジェネレータ、標準器はオシロスコープ。
C. とある出力を標準器と被校正器の両者に入力し計測
例:標準器はマルチメータ、被校正器は電圧計。両者を並列接続し同一電圧を計測。
被校正器の合否基準ですが、「4対1理論」に基づいて標準器の精度の4倍以内であればOKとしているものが多いです。
標準器と被校正器の両者ともその精度が±x%Readingで、かつ上記A, Bの場合は分かりやすいのですが、Cの場合と、標準器と被校正器の精度がどちらも±x% Full Scaleの場合に、標準器と被校正器との間に「4対1理論」をどの様に考えればよいのか、いまいち理解ができていません。
Cの場合、被校正器の合否基準としては、標準器の値±一定範囲以内としています。
一定範囲の値は、標準器と被校正器で「4対1理論」が成り立つように決める、という事だと考えています。
例えば、精度が±1%Readingの標準器で、その値が101(100 + 1)のとき、被校正器の値は104(100 + 4)以内であれば良い、という事で問題ないのでしょうか?
また、標準器と被校正器の精度がどちらも±x% Full Scaleの場合、「4対1理論」の精度比は測定幅で判断するものと考えています。
例えば、標準器のロードセルがあるとして、その最大容量が5kN、精度が±1% Full Scaleだとすると、その測定幅は±50Nとなります。
標準器と被校正器を正対させて重ねて設置し、両者に同一荷重が掛かるように測定した場合、被校正器の測定幅が±200N以内であれば合格とする、という事で問題ないのでしょうか?
また、測定最大値が被校正器 < 標準器の場合には問題があると考えています。
つまり、被校正器のロードセルの最大容量が1kNとすると、その合否基準は1kN±200Nとなり、±20% Full Scaleという事になってしまいます。
(実際のところは標準器の精度は±0.2% FSですので、被校正器が1kNだと合否基準は±4% FSとなり、まだ許容できる程度だとは思いますが・・・)
そもそも、測定最大値が異なるFull Scale同士で校正すること自体、妥当ではないのでしょうか?
質問者が選んだベストアンサー
社内校正であれば、要は御社内部でのルールの話ですから社内で協議の上で決定してしまえばそれでOKです。
また4対1理論というのは要求精度と測定精度のバランスに対する目安的な考え方で、校正に対して適応するのはあまり一般的ではありませんから、逆に言えばどのように取り決めても良いと言えます。
ただ私個人としては、貴方自身が仰っているように『そもそも、測定最大値が異なるFull Scale同士で校正すること自体、妥当ではない』ようには思います。
特に測定最大値が被校正器 < 標準器の場合、そもそも標準機自信が保証できる精度の問題が強く出てきますから、校正自体が無意味化する懸念があります。
実作業上での目安校正なら良いでしょうが、正規の社内校正としてはリスクが高い気がします。
少なくともこの辺りも「測定最大値差が〇〇%以内の標準機を用いて校正する」ようなルール化が必要でしょうね。
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その他の回答 (4件中 1~4件目)
ちなみに
・4:1 → C=0.6184, D=1.0307 (影響度3%)
・5:1 → C=0.6118, D=1.0198 (影響度2%)
・6:1 → C=0.6082, D=1.0137 (影響度1%)
・10:1→ C=0.6029, D=1.0049 (影響度1%)
で 4:1でいいと締めくくってますが
3%は大きいと思います
お金が許す限り6:1以上を目指すべきです
あくまでも最低指標だと思いますよ
お礼
2021/10/12 21:53
ありがとうございます。
社内校正では精度比4:1でも実現が難しい計測器もありますので、精度比6:1を実現するとなると社外校正が増え、コストの問題が出てくるだろうと思います。
ただ、重要度によっては検討が必要と思いました。
ザックリ読んだ結果
https://www.sol-j.co.jp/mailmag/b-0039.html
このへんを理解すれば
分かると思います
https://seihin-sekkei.com/calculation-tool/root-mean-square/
⇡
これを逆算してる感じ
この物差しの信頼度だった場合 製品のばらつきはこんな感じになるよ
「4対1理論」は絶対的基準ではなく、御社の社内基準のポリシーとしての位置づけになると思います。
基本的に、Cの場合の判定基準は御社で独自に決めればいいことと思います。とはいっても、AやBの場合で品質問題が発生せずに、Cの場合だけに品質問題が発生するのであれば、社内基準を変更する必要があるとの判断になると思います。
お礼
2021/10/12 22:31
ありがとうございます。
Cの判定基準について、その根拠や妥当性の説明が難しいと感じています。
とはいえ、計測が原因となっている品質問題は出ておりませんので、現状でもある程度問題が無いのだろうとは思います。
お礼
2021/10/13 08:23
ありがとうございます。
> 「測定最大値差が〇〇%以内の標準機を用いて校正する」
確かにこういったルールが必要だと思いました。
社内校正は前例踏襲のまま見直しがされていない部分も多いですので、皆さんの意見を参考に意味のある校正にしていければと思います。