DNC化のメリットはあるか？

Question

MCによる，一品加工が主体で，短時間（0.5H数時間/個）の部品加工が中心です。NCﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑの作成は，自動ﾌﾟﾛやCAMで作成し，FDにﾊﾞｯｸｱｯﾌﾟしておき，加工時に加工者がﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑﾘｽﾄに書いてあるNo.のFDを持っていく（3箇所位に分散しているため，探す必要有），という方法をとっています。探す時間は，全員の合計で0.5H/日位です。DNC化は，この探す時間のムダを省くくらいしかないように思いますが，他にどのようなﾒﾘｯﾄが考えられるでしょうか？なお，加工品は，ﾘﾋﾟｰﾄ性の低い物が全体の9割程度占めています。よろしくお願いします。

Answer

ＤＮＣ化の捕らえ方が少々違うようなので、ご説明します。
本来のＤＮＣ化とはＮＣ側のメモリーを使用せず（３次元データなど
長すぎてメモリーが足りない場合など）直接データーをＰＣから機械に送りながら機械を動かす場合（殆どが３次元加工時）のことを言います。

最近では単にＰＣを接続している場合をＤＮＣと呼んでいる方が居る
ようですが、単にデータの入出力をメモリー間で行うのはＤＮＣとは
呼びません。（正確にはＤＮＣ運転とは）

ただご質問内容から確かにＦＤを使用してデータ通信をするよりＲＳ－２３２ＣでダイレクトにＰＣに接続する事をお勧めします。

メリットは計り知れぬ程あります。
１）データーの一元管理が可能。
２）ムダ時間（探すロス）の削減
３）通信の高速化
４）ＦＤに付随する（特に磁気）トラブルの削減

など上げたらきりがありません。

リピート性が低い物でも加工データには加工条件などの資産が沢山
入った財産です。形がないと言ってソフトを軽視していては居ないでしょうか？

台数が数十台単位で所有されているのでしたらＦＤの変わりにメモリー
タイプのものが市販されておりＦＤより高速で磁気の影響もなく８０ｍ
以内位までのデータのやり取りが可能です。（商品名は”伝伝”　でんでんと呼ぶ）

以上です

Answer

まず、すぐに得られるメリットとしては、ファイルサイズを気にしなくても良くなることでしょうね。
FDですと、1.4MBを超える場合、分割するなど面倒ですが、DNC（ネットワーク転送）なら関係ありません。
また、工場内という環境はPCにとっては結構過酷ですが、特にFDDが最初に壊れるケースが多いようです。
この点も、ネットワーク転送なら大丈夫です。
現在、FDDから制御装置への転送にPCを使っているのであれば、そのPC同士をネットワークで繋ぐだけで、
ファイル転送をWindowsなどの標準ネットワークにやらせれば、現在のソフトをそのまま使うことも可能なはずです。
作業者は、FDを差し込んでデータを読み込む代わりに、Windowエクスプローラでネットワーク越しにファイルを読み込み、
あとはこれまでと同様の操作でいい訳です。

蛇足ですが、PCの標準機能を日常的に使う状態にすることで、
個々の作業者がPCを色々な用途に使い始めるという、付加的なメリットが得られる事も少なくありません。
例えば、加工指示書をオンラインにするとか、CAD画面のハードコピーを活用するなど、作業者の工夫で広がります。

DNC化のメリットは？