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2004/08/19 11:22
浸炭焼入れで部位別に硬化層深さは違うものなのでしょうか?
熱間鍛造の素形物を加工し、浸炭焼き入れをおこない仕上げ研削で完成する量産品です。
熱処理に対し素人です。御教授をお願い致します。
材質 : SCM420H
熱処理: 浸炭焼入れ
硬化層深さ1.01.4(図示)
問題点・・
・熱処理をおこなう製品形状で小さいところと大きいところがある為、硬化層深さの差が約0.17?あることです。(確認ロット数:2ロット)
教えて頂きたいこと・・
? ヒートマスの異なりで硬化層の差が生じたと思われるのですが、どうしても硬化層の差が発生してしまうものなのでしょうか?
? 浸炭硬化層指示が1.01.4?(範囲0.4?)の量産管理は不可能でしょうか?
参考
・製品形状の小さいところと大きいところは出来る限り別工程として別けたくはありません。
SCM420H材の浸炭焼入れの目的ですが、表面硬化して適度な強度と耐摩耗性を持たせ、芯部は適度な硬さに押さえて靱性を持たせることです。部品の規格にあるのかもしれませんが、芯部硬さの一般的な管理値はHRC3540程度です。あまり芯部硬さが低いような状況になると、初析フェライトとが析出し、非常に強度の弱い組織になってしまいます。逆にHRC45を超えるような組織になっても極度に衝撃値の低下等に影響が出ます。断面積の差が大きい部品の最終焼入れ時に、各部位の芯部硬さを支配するのは、焼入油の種類と温度、撹拌の強さです。条件を変えて最適な手段を見つけることが必要です。
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浸炭硬化層の指示ですが、有効硬化層深さでしょうか、それとも全浸炭深さですか。浅い浸炭の場合には、浸炭時間が短いため、マスの差により深さの差が出ることがありますが、今回のように浸炭層が深く、浸炭時間が長い場合には、昇温時間の立ち後れによる全浸炭層深さにほとんど差は出てきません。有効硬化層深さの場合には、マスによって芯部硬さに差が出るため、断面硬さ推移曲線が影響を受け、マスによって差が出る可能性があります。
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2004/08/24 09:14
ありがとうございます。
浸炭硬化層の指示は、有効硬化層深さ(Hv513)です。
芯部硬さの差が確かに大きいと思われます、大きい形状部=HRC34、小さい形状部=HRC43(平均値)の9ポイント差があります。やはりその内部硬度の差というのも硬化層深さの差になるメカニズムの要素として考えたいと思います。
再度ありがとうございます。
回答を頂いた内容が、いろいろ文献等を調べて理解できました。
浸炭の条件設定で形状の大きさにより浸炭時間を調整する為、基準とした部位に対し大きさが異なっているだけ有効硬化層が深かったり浅かったりするわけですね。
もし出来ましたら今までの経験にて焼入れ形状の中心距離の異なりがどの位あったので有効硬化層差がどの位生じたのかというのを参考に御教授頂ければと思います。