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カニゼンメッキと高周波焼入れ、どちらを先に行うべき?
2023/10/14 05:42
- 軸には、高周波焼入れとカニゼンメッキの2つの処理を施します。
- 高周波焼入れを先に行うと、カニゼンメッキの熱処理で被膜が痛む可能性があります。
- メッキ→高周波の順序よりも、高周波→メッキの順序の方がベターです。
カニゼンメッキが先か? 高周波が先か?
2005/10/13 13:28
お世話になります。
φ20長さ約150mm、材質S55Cの軸です。
片方は球面状に加工をし、ここに物体が当たるようになっています。
(構造的にはプランジャのようなイメージです)
軸には以下の2つの処理を施します。
(1)
球面側の軸先端には衝撃がかかるため、
当該部分に1~2mmの高周波焼入れを施して強度UPさせます。
(2)
耐摩耗性向上と耐食性付与のために、軸全体にカニゼンメッキ(厚さ15~20μm)を施し、
400℃の熱処理でHV800程度に被膜硬度を上昇させ、軸の胴をバフ仕上げで仕上げます。
このように、カニゼンメッキと高周波焼入れを行う場合、
加工工程の順序としてはメッキ→高周波が良いのでしょうか、
それとも高周波→メッキの順序が良いのでしょうか?
メッキ→高周波の場合、カニゼンの熱処理(400℃)で硬度を上げた被膜が高周波の熱で痛んでしまうため、
高周波→メッキの方がベターだ・・・と考えましたが、ちょっと自信がありません。
アドバイスよろしくお願いします。
質問者が選んだベストアンサー
焼入れの温度は当然のことながら、400℃をはるかに超えますよね。
無電解ニッケルめっきは、400℃1時間の熱処理で最高の硬さが得られますが、それ以上の温度になると硬度が低下します。
このことからすると、焼入れはめっき前でしょう。
しかし、めっき皮膜を硬くするために400℃の熱処理を行うと、焼入れした母材の硬度が下がってしまいますね。
つまり、この場合の焼入れと、無電解ニッケルめっきの組み合わせが不適当なわけです。
焼入れのような急激な温度変化を生じることは、めっき皮膜にとって密着性の試験を行うようなものです(しかもかなりシビアです)。
ですから、焼入れはめっきの前に行い、めっきは熱処理なしで硬度のあるものを選択することになります。
こうしためっきとして、硬質クロムめっきか無電解ニッケル-リン-ホウ素をお勧めします。
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その他の回答 (4件中 1~4件目)
先端と胴を分けた方が簡単じゃないかなーなにかと。
質問文からするに機能違うようですし。
耐食性狙いでしたら私ならカニゼンメッキさけます。
用途によりますが水掛かる環境下ではサビサビになりましたので。
(メッキ業者のノウハウ、腕によっても異なると思いますが)
お礼
2005/10/17 09:52
回答どうもありがとうございました。(返事が週末またぎですみません)
確かに、先端と胴を分けるという手もありますね。
この軸は装置の中でも最重要部品であり、
先端の衝撃力は下向きの成分も含まれている可能性があるので、
分けた部分の締結が新たな弱点とならないよう検討してみます。
ところで・・・カニゼンメッキも錆びるのですね。
過去の質問を検索して関連項目を調べてみました。
http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?tid=104363&event=QE0004
硬質クロムはウチでは環境面から採用が難しいそうなので
カニゼンの厚メッキを施し、屋外暴露を行って検証してみたいと思います。
材質変更が可能なら、DC53(SKD11系)真空焼き入れ後の
ベーキング処理では如何でしょうか。
DC53ですと、500度以上の高温戻し材ですので、ベーキング後の
硬度低下が防げるのではないでしょうか。
お礼
2005/10/17 09:37
回答ありがとうございました(お礼が週末またぎになってすみません)
恥ずかしながらDC53という材質は初めて聞きました。
(これを機会に勉強させていただきました)
ウチの図面でも見たことがないので実績がないのかな・・・
資材部や業者さんとコスト面も含めて相談・検討してみます。
先端部の高周波を後工程に考えます。
先端形状を加工した後、高周波焼き入れしますが
このときコイル形状・大きさ・距離を焼入れメーカーに
相談し、外周側はほとんど焼きが入らないようにして
メッキの保護を考えればよいのでは!?つまり
球面側は全面に焼きは入れず、中心付近をシッカリ焼きを
入れることを第一義に施工すれば どうでしょうか?
お礼
2005/10/13 17:09
早速のご意見、ありがとうございました。
説明不足で伝わらない部分があったかもしれませんが、
物体(鉄のカタマリです)が衝突する球面先端の耐摩耗性がいちばん重要でして、
ここが熱処理の影響でメッキがおかしくなってしまい、
衝撃で壊れたりしないかな・・・というのが趣旨でした。
先端部分のメッキが破損して効果が損なわれ、軸が錆びてしまったとしても
機器の軸は容易に交換ができない構造なので、
設計段階から思想をまとめる必要性を感じての質問でした。
軸は大同メタルの金属系ドライベアリングで支持しますので、
通常のメッキがかかっていれば摩耗は全く問題がないと考えています。
お礼
2005/10/13 17:17
大変分かりやすいアドバイス、ありがとうございました。
心配していたモヤモヤが氷解したような気分ですっきりしました。
#1さんへのお礼回答でも触れましたが、
当該機器は交換が容易にできない構造であり、
なおかつ物体の衝撃が繰り返し(1日に100回程度)かかる箇所なので、
シビアな密着性試験とシビアな衝撃が同時に行われるとあっという間にダメになる気がします。
硬質クロムまたは無電解ニッケル-リン-ホウ素で検討しようと思います。