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2008/08/19 10:13
ステンレス鋼材への窒化処理適用後、耐食性に問題があることから酸化処理を追加で実施しています。結果として、耐食性は改善されますが、表面に酸化色起因と思われる着色が発生してしまいます。
そこで、皆様にお伺いさせて頂きます。
1.この酸化色(着色)はどの様なメカニズムで発生するのでしょうか?何故、この様な色のムラが発生するのでしょうか?
2.耐食性を改善したまま酸化色(着色)を防止する他の良い方法はないものでしょうか?
何卒ご助言をお願い致します。
まず、窒化処理後の酸化処理ですが、これは塩浴による軟窒化のことでしょうか。もしそうであれば、下記の内容をご参考下さい。
塩浴軟窒化による酸化皮膜の生成は、約600℃の塩浴中に一定時間処理し窒化層を材料表面に浸透させた後、約400℃薬品に浸漬、水冷却を行うことにより得ることができます。(酸化皮膜が必要ない場合は、薬品に浸漬せず直接、水冷、油冷、空冷の冷却方法を採用します。)ご指摘の通り、ステンレス鋼を窒化することにより、防錆力は低下し、またそれを補うために酸化皮膜を採用していると考えられます。
さて、酸化色の着色ですが、表現が曖昧なため推測の域でご回答致します。
1着色が赤色の場合
?約400℃に浸漬する薬品の付着。
?酸化皮膜が正常に生成されないため。
(ステンレス鋼のような高合金は生成が困難です。)
2着色が白色の場合
?製品同士の接点により酸化皮膜が生成されない。
等のことが原因であると思われます。
防止法
1-? 薬品が付着した場合は、超音波洗浄により除去することは可能です
が、薬品自体、腐食性があるため、薬品を除去しただけでは、材料
への着色は残るでしょう。そのため、ガラスビーズ等の比較的研磨
力の低い投射材を使用し、エアーブラストで除去することをお奨め
します。但し、水分の付着は厳禁です。
1-? ステンレス鋼を窒化する場合、ビッカース硬さ:1000以上、処理時
間で深さは異なりますが、30μmは得れると思います。そこで果たし
てここまでの窒化性能が必要であるかという事です。つまり、ステ
ンレス鋼以外の材料で問題があるかどうかです。ステンレス鋼を使
用し、硬さを優先し防錆力を落とすよりは、ステンレス鋼以外の材
料を採用し、硬さと防錆力を向上させる方法もあります。昨今、ス
テンレス鋼の材料価格も大幅に上昇しているため、コスト削減に寄
与することも考えられます。
2-? 窒化の短時間処理による再処理で防止することが可能です。
何れにせよ、酸化皮膜のみに防錆力に頼る必要性もなく、複合的な表面処理により、改善できる方法もあると思います。もちろん図面指定であればなかなか変更するのは困難でありますが、機種変更等の機会にお考えになってみるのもいいかもしれません。
参考までに・・・
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