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2008/06/26 17:53
はじめまして。
ユーザーより依頼があり、雰囲気400℃で10t吊れるフックを製造するという依頼を受けました。
私は設計などはしていないのですが、以前同じような問い合わせを受け、製造をし、約200℃当たりで耐力が下がったように思えた経験があります。
S45Cで造られたフックを 雰囲気400℃で使用すると、何割ほど耐力が落ちるのかが知りたいです。
宜しくお願い致します。
構造用鋼ですので通常は常温付近で使用することが前提のため、高温引張
特性は通常はなかなか見つからないでしょう。
古い「鉄鋼便覧(昭和42年)」にS25Cの高温引張特性が出ていました。
強度は基本的には温度が上がれば低下します。
但し引張強度は常温から100℃までは低下していますが、それよりも高
温側では逆に上昇し250℃付近でピークを示し、それ以上の温度では、
再度低下しています。これは250~300℃付近で生ずる青熱ぜい性の
ためと説明されています。
設計に必要なのは耐力の方でしょう。耐力は温度の上昇に従い単調に低下
し、常温での28Kg/mm2に対し、400℃では20Kg/mm2となっています。
S45Cは常温での耐力はS25Cよりも当然高いわけですが、低下の割合は同程
度と考えていいのではないかと思います。
回答を頂き、ありがとうございます。
設計から頂いていた耐力計算は、400℃でしたので、焼き戻し、焼きなまし 焼きならし温度よりも低いから大丈夫であるとなっていたのですが、安全率は5倍のままで、耐力的には問題は無いでしょうが、保障の面で疑問に感じていました。
今回は、使用雰囲気は200℃となっているので、温度もその倍を見ていたのでしょうけれど、常温での使用する場合の計算式がそのままになっていた事を腑に落ちないままに生産計画を立てていました。
kuromame 様からの回答を拝見し、私も鉄鋼便覧を開き、『青熱脆性』を調べさせて頂きました。
破断予測箇所のニクを15%ほど足す事が決定されました。
kuromame 様のお陰で、『より良い物造り』が実現できました。
私自身の決定を待って下さっていたユーザー様にも、設計の一部を直ぐに修正してくださった設計の方にも、 そして、これ以上にない回答を下さったkuromame 様にも、感謝致します。
早速、材料の発注をします!
本当にありがとうございました!!
2008/07/03 12:00
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