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難削材の加工原理
2023/10/16 11:32
- タングステン合金のドリル加工についての質問。穴曲がりの問題に苦慮しているが、改善のための原理を理解したい。
- 現在の加工条件と改善条件を比較し、穴曲がりの改善が見られたことを報告。
- ドリル径が大きくなると真直度が出ないため、切削速度を上げる必要があるが、磨耗と精度低下の問題が生じる。一般的なことなのか原理を知りたい。
難削材の加工原理
2008/04/08 00:19
タングステン合金のドリル加工(マシニング)についてご質問させてください。
タングステン合金(W97%)の穴あけ加工(L/D>6)で穴曲がりに苦慮していました。
加工条件を探索する中で従来普通と思っていたことの逆の現象により
ある程度精度の改善が見られましたが理屈がまだよくわかりません。
原理を理解して更なる改善につなげたく思うのですがアドバイスをお願いします。
被削材)
タングステン合金
硬度:HRC30
組織:純タングステン粒子(50μm程度)の周りを
柔らかい合金層で形成する石垣構造
伸び:10%程度(高速歪域で脆性化する材料らしい)
従来条件)
切削速度V=40m/min,f=0.07mm/rev
ドリル:φ5超硬マルチドリル
切削液:水溶性
厚み30mmで穴曲がりが0.1~0.15程度発生。
切屑組織:タングステン粒子が球形から米粒形状に変形が見られる
改善条件)
切削速度V=80m/min,f=0.20mm/rev
穴曲がり0.05程度に改善
切屑組織:タングステン粒子は球形のまま
ドリル径が大きくなるとチゼル周辺の速度を保つためにさらに切削速度を
上げないと真直度が出ません。
ただ、磨耗が激しく切削長3000mm程度で精度低下が見られます。
普通難削材だと低負荷での加工が必須と考えていたのですが
このような複合材では一般的なことなのでしょうか。
原理がわかればヒントいただけませんか。
よろしくお願いします
回答 (1件中 1~1件目)
「タングステン」と言うと超硬をイメージするのは私だけでは無いと思います。
>硬度:HRC30
密度の関係で見かけ上硬度が低く現れるのでは(HRCなら特に)
Aスケール・ブリネル・ビッカース 等の測定で換算表と同等の数値か゛出るのでしょうか。
>ドリル:φ5超硬マルチドリル
住友のドリルでですか? コーティングは?
直感的な答えになりますが(申し訳ない)
粒子の結合(密度)が弱く極端な言い方をすると、砥石みたいに
本当は硬いのに密度が低い為に中はスカスカなのでは?
中途半端な結合状態のような印象を受けます。
工具としては表面硬度の高いドリルで比較的 刃先の立った物が良いのでは。
ダイヤモンドのドリルか DLC系のコーティングドリルでテストをされれば如何でしょうか。
焼結前の超硬やセラミックは結構どんな刃物でも加工できるらしいのですが
機械がダメージを受けるようです。
加工データから判断すると、シンニングの見直しでも効果が期待できそうですね。
OSG SH-DRL 又は D-GDN で試されたら如何でしょうか。
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お礼
2008/04/08 23:29
早速のご回答ありがとうございます。
材料等で説明不足の点がありましたので補足させていただきます。
密度は18.5g/cm3程(タングステン19.3g/cm3)あり
真密度比で99.7%以上あり緻密な構造をしています。
ただ、それにも関わらず硬度が超硬等に比べて低いのは
タングステン以外の柔らかい合金層が吸収してしまうから?と推測してます。
ドリルは住友製を使用しておりコーティングはACZ、TIN系と思います。
工具材種やコーティングはまだあまりテストしておらず、
アドバイス頂いたDLC等テストしてみたく思います。
確かに、回転速度を一定にしてドリル径を大きくすると精度が悪くなることから刃先の切れが重要かもしれません。
刃先の起ったドリルも試してみます。
参考になるアドバイスありがとうございます。
貴重な情報ありがとうございました。
素人で知らなかったのですが、
住友製以外のでは特注にしなくてもドリル形状もいろいろあるのですね。
是非購入して試してみます。
ありがとうございます。