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モーター出力 トルクについて
2023/10/16 18:47
- モーターの出力とトルクについて初めて学ぶ方への解説です。
- モーターの動作現象において、出力とトルクの関係について解説します。
- 5.5kwのモーターに5.8kwの負荷出力が掛かった場合、モーターは動くのかについて考察します。
モーター出力 トルクについて
2009/10/21 09:20
初歩的な質問なのですが
モーターの動作現象として
出力が足りて、トルクが不足している場合は
モーターは動かないと思いますが
トルクは足りているが、
出力が若干不足している場合
例えば5.5kwのモーターで
5.8kwの負荷出力が掛かった場合
モーターは動くのでしょうか?
出力、トルクの概念がいまいち
分りません、どなたか教えてください
よろしくお願いします。
質問者が選んだベストアンサー
[1]モータの出カ
モータの出力--------------P(W)
モータの回転速度----------N(r/min)
モータが発生するトルク----T(N・m)
としますと、モータの出力P(W)は次の式で表すことができます。
P(W)=(2π/60)×N(r/min)×T(N・m)
このことはモータの出力P(W)はモータの回転速度N(r/min)とモータの
トルクT(N・m)に比例することが判ります。
[2]モータの回転速度-トルク特性
もう一つ重要な事項としては、モータの出せるトルクは一定ではなく曲線と
なっていることです。
回転速度の変化に伴ってトルクは馬の鞍のような形状になっています。
その一例と次のURLをクリックして参考にして下さい。
中段にある図4.速度(スピード)-トルク・電流特性のトルク(緑色)の曲線です。
http://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/b_class/b2b.html
[3]負荷の回転速度-トルク特性
図解で水平に一点鎖線に引かれた線が負荷の回転速度-トルク特性です。
この図解では横方向に直線で引かれていますが、この場合はベルトコンベア
などに代表される負荷特性を示しています。
負荷の特性は実際に設置される機械装置の特性(性格)により種々あり、変化
します。
[4]回転速度-トルク特性の見方
(1)電源にモータを接続した瞬間は左端(図解で静止)にあり、モータは回転速度
を上昇しようと右方向に移動して行きます。
(2)モータの発生しているトルクは曲線(緑色)の通り、負荷トルク(点線)より
大きくなっていますので(図解では余力)、モータは加速し回転速度がさらに
上昇します。
(3)モータのトルクは更に右方向に移動して最大トルクを通り越しますと右下がり
の曲線に変化し、モータの出せるトルクは小さくなっていきます。
(4)回転速度が更に上昇してモータの出せるトルクと負荷トルク(点線)が一致
した点で、これ以上回転速度を上昇できなくなりますので(余力が0となる。)
この回転速度で安定して連続運転する状態となります。
(5)この図解ではモータの定格トルク(緑色)より負荷トルク(点線)が超えています
ので、電流(赤色)も定格電流も超えてしまうため、このまま連続運転しますと
モータが焼損することになります。(質問の内容に相当します。)
(6)図解の場合、負荷トルクである(点線)を下方向に下げて(負荷を軽くする)
運転しなければならない状態を示しています。
(注1)図解をプリントアウトして図解を見ながら参考されると良いでしょう。
(注2)負荷装置の[回転速度-トルク特性]については別に説明したいと思います。
産業機械の「回転速度-トルク特性」の主なものとして、次のように分類できます。
1)定トルク特性
・回転速度に関係なく、トルクが一定である。
・コンベア、搬送台車、プロセスラインのロール駆動など一般に摩擦による負荷
2)低減トルク特性
・負荷トルクが回転速度の2乗に比例する。
・ポンプによる送水、排水装置など遠心力を利用した装置
・ファン、ブロワ駆動などの給気、排気装置など遠心力を利用した装置
3)定出力特性
・回転速度が下がるほど負荷トルクが増大する。
・トルクと速度の積が一定である。
・工作機主軸駆動、巻取り装置(センタードライブ)など
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その他の回答 (4件中 1~4件目)
他の方々の回答にあるように出力は回転速度とトルクに比例します。
したがってトルクは足りているが、出力が不足しているという事はありません。
出力が不足していればトルクも不足しています。
5%位の出力オーバーなら動きます。(メーカーも安全率をとっています。)
しかし、長時間運転では温度が上がってサーマルにより止る事もあります。それにモーターの寿命も短くなってしまいます。
モーター選定には余裕を多めにとっておく事が必要です。
お礼
2009/10/21 15:19
単純明快なアドバイス
ありがとうございます。
具体的な数値まで教えて
いただいて、今後の参考にさせていただきます。
モーターの出力とトルクの関係を知っておく必要があります。
理論的には(出力kw)×974÷(回転数rpm)=トルクkgf・m
で求められますが、実際には減速機の効率があるので係数を900くらいで計算した方が良いでしょう。
実際の設計では必要回転数、トルクを決めることが多いでしょう。
その場合は逆算で求めた出力に余裕を持たせた原動機を選ぶことです。
お礼
2009/10/21 15:06
お忙しい処ありがとうございます。
今後の参考にさせていただきます。
トルクが足りてればとりあえづ起動はするでしょう。
でも出力が足りないと所定の動作は完了出来ないかもしれません。
モーターの形式によっては起動すら出来ないかもしれません。
電気で考えるとトルク>力>電圧、出力>仕事>電力(Kw)です
簡単に乾電池でも100個つなげれば車が動くかも?
でも100Kmも走ることは出来ません。電力不足です。
「例えば5.5kwのモーターで
5.8kwの負荷出力が掛かった場合
モーターは動くのでしょうか?」途中から負荷が重くなる場合モーターはうなりを上げてがんばるでしょう。
モーターが同期電動機なら回転数は所定の回転数を守ろうと努力しますから焼損するか安全装置が働くまでがんばるかも。
整流子電動機では回転数は序序に低下していづれ止まります。
実設計ならともに余裕をみないといけません。
どちらが不足してもその挙動は予測出来なくなります。
お礼
2009/10/21 15:04
早速の回答ありがとうございます。
大変よく分りました。
お礼
2009/10/21 15:17
モータの出せるトルクは一定ではなく
曲線なのですね、
出力が足りていなければ
その回転数ではトルクも足りていないと
わかりやすく理解できました。
勉強になりました。
大変詳しい御教示、ありがとうございます。