カム式自動旋盤の現状と今後の展望

当社は軸物を大量生産しています。以前は野村、ツガミの自動旋盤を大量に使用しブランクを製作していました。台数的に３０台から４０台ありました。ここ１０年前から機械の老朽化による更新によって現在では８０％以上の機械がＮＣ機に切り替わりました。生産管理システムが電子化してきたこともありＮＣ化の流れになりました。今でもカム式の自動盤は稼働していますが限られた用途に限定されています。後工程の効率化による加工システム開発の影響で自動旋盤でどうしても出てしまう突切り時のダボが問題になったこともあり「ダボ」が出ない方式が必要不可欠になってしまい自動盤に変わる新たな加工システムも構築されています。ただ別工程になりますが、ＮＣでは出せない形状でもカムなら比較的容易に形状を出すことも可能なこともあり、当社では一部ではありますが１００％ＮＣではなく再度カム機構を見直し取り入れている工程もあります。又、カム研削盤を社内にて製作して使用しています。ＮＣ装置の普及によって工作機械メーカでなくても購入が出来るようになりました。ちょっとした機械製作を出来る工場ならＮＣ機の製作も不可能ではないのです。特殊な形状のカムならば社内で製作したほうが時間的に有効になりますから。つたない話で申し訳ありませんが何らかの参考になれば幸いです。

　私の意見として、今時あえてカム式自動盤での加工を　日本で行う意味は無い！
　機械的に　非常に優れた構造で、故障も少なく　安価で大量生産を行うには　最高の機械とは思いますが、今の日本では　安価の大量生産品を作っても　
残念ながら圧倒的に安い人件費の国との競争では、たとえ償却が済んだ機械で製品を作っても全く対抗できません。
カム式自動旋盤の場合特に　手を掛けて機械をこまめに観た人と、観なかった人の仕事の差が　製品の差に大きく出やすいために　人の質の大切さを痛感していますが、残念ながら人件費が　安ければ　極端な話カム式１台に１人も出来るわけです。
　これでは全く太刀打ち出来ず　話になりません。
　おまけに人件費が安いと言う事は　総ての間接コストが安いのですから。


ここはもう　販路を海外に展開するか、生産販売を海外に移すか、廃業かの決断をする時期だと思います。

　

私の勤務先も業種は違えど、市場に需要が無いため、
競合他社含め苦しい状況ですが、社員一丸となって社内整備に努めております。

一説によればこの不景気も来年春～中旬にかけて回復するとの見込みです。

機械ある限り需要はありますので、今は単に全ての企業が購入を厳にしているだけではないでしょうか。
それだけのシェアがあるのであれば、案ずる程でもない取り越し苦労かもしれませんよ。