特殊工程の熱処理について

Question

初歩的な質問で恐縮です。
溶接、めっき等の特殊工程に「熱処理」がありますが、
これに「セラミックスの焼結」は含まれるでしょうか。
一般的には、「焼きいれ」「焼き戻し」等のことをさす
ので、含まれないように思うのですが。

Answer

直感イメージ的には含まれない。

熱処理とは?固体?の形状までは変化させず、物理的化学的性質を少し変化させるような処理。
他方、焼結はプレス等で成形した大まかな形はあるが、基本はパサパサの粉末状態から１個の固体にまで変化させ、収縮変化が～20％もあり、（セラミックスでは）大きい化学変化を伴う。

両者の境はＪＩＳ用語を引っ張っても明快ではないが、上記のことを言っているように思う。

G0201　鉄鋼用語（熱処理）
　　熱処理：固体の鉄鋼製品が全体として又は部分的に熱サイクルにさらされ、その性質及び／又は
　　組織に変化をきたすような一連の操作。
　　備考　鉄鋼製品の化学成分がこの操作の間に変化することもある。

B6905　金属製品熱処理用語
　　熱処理：金属製品に要求される所要の性質を付与する目的で、雰囲気、加熱、冷却、圧力、
　　電磁気などの組合せによって行う処理

R1600 ファインセラミックス関連用語
京セラＨＰが見やすい
http://www.kyocera.co.jp/fcworld/dictionary/product_s.html
　　
　　焼成：成形体中の不安定成分（結晶水、塩類、バインダなど）を分解、除去し、各成分間の
　　反応を進行させて安定な化合物を形成し、同時に焼結によって収縮、ち密化させて、一定形状、
　　強度の焼結体を得るための加熱処理。

焼結：粉体系を融点以下又は少量の液相の存在する温度で加熱した場合に、構成粒子間に結合
　　が起こり、ある程度の強さと特性をもつ現象及び工程。

私が論拠としたのは、G0201 の?固体?。
これは溶解や圧延、さらに粉末から形造るのは別だという言い回しではないか。

金属でも焼結がある。知る限りこれは後工程の焼入等熱処理と区別されてるが、ひっくるめて熱処理と言うヒトがいるのかもしれない。

セラミックスで熱処理といえばアニール。。。が常識的？

それを拡張解釈するのも、たとえば上記ガリバーＫ社が社内でそう言っていたなら世間も追随する可能性大。イヤＭ社Ｔ社は意地でも言わないか？

お客様がそのように仰るなら、それに従って何ら不都合はないでしょう。

Answer

＞溶接、めっき等の特殊工程に「熱処理」がありますが・・・

お問い合わせの内容で、まず上記の部分について、ご質問者さんがどのよう
な常識を前提にしていらっしゃるか教えて下さい。
web上に公開されているような情報ならば、URLを教えて頂けると助かります。

＞「熱処理」に「セラミックスの焼結」は含まれるでしょうか？

おそらく、ご質問者さんのお考えのとおり「No」なのだと思いますが、前提
条件次第で変化すると思います。

用語の定義がしっかりしているJIS規格のような世界であれば、明確にyes/no
の決着がつけられそうですが、一般語としてのお問い合わせであれば、グレー
な回答しか無いのかもしれません。
JISといっても、製品分野ごとに用語の定義は異なりますので、どのような分
野についてのお問い合わせか、できるならば具体的なJIS番号を示して頂ける
と明確な答えが得られそうに思います。

JIS規格の話を出しましたが、何かの試験問題のようなものであれば、このよ
うな場合もyes/noが明確と思います。資格試験に類するものなら資格名、学
校で教えているようなものなら教科の名前などが有効な情報になりそうです。

状況は理解しましたが、お客様がどのような根拠でお話をなさっているかは
明確にしておいた方が、今後の御社の仕事を進める上で役に立つと思います。

この森のＱ＆Ａを３年近く見せて頂いていますが、図面の記載内容について
客先に尋ねられずにお悩みの質問者さんが多数いらっしゃるようです。
多少の障壁があっても、客先に真意を確認なさるのが近道のように思えます。

ネット上の匿名の掲示板は、多様な意見を求めるには適切な環境ですが、責任
ある回答を求めることは難しいと思います。客先に直接尋ね難い状況であれ
ば、客先の業種や、扱い製品の情報、これまでのやりとりから得られた方向
性などをお示しになった方が答えに近づきそうに思います。

yes/no回答が欲しいお気持ちは察しますが、簡単にyes/noは出しにくい状況
に思えます。

特殊工程の熱処理について