旋盤加工の材質に合ったチップの選び方と加工条件について

DH31-Sは、泣く子も黙る難削金型材であるDH31の被削性を向上させた
とのフレコミですが、相変わらずの難削材です。
回答(1)さんの、
「DH31-S は SKD61 類似、 HRc50 近辺でそれほど硬い部類でもなく」
とのご判断は危険です。
特に穴あけ断続のターニング加工とのことで、本来であれば研磨する
べきですが、何とか切削加工で対応できれば御社の大きな財産になる
でしょう。


cBNであれば強断続用を選定することは賛成ですが、SKD61などの焼入鋼
よりも靭性が高く粘いので、切れ味の劣るインサートで必要な仕上げ面
が出るかどうか心配です。

切削速度80m/min,送り0.06mm/rev，切込み0.08ぐらいがファーストトライ
の目安と考えます。


どちらかと言えば、小生も回答(2)さんと同様にコーテッド超硬を第一
選択肢として考えます。万一購入されたcBNが芳しくない場合はTH1000を
試してみる価値大です。
切削速度40m/min,送り0.06mm/rev,切込み0.08ぐらいがファーストトライ
の目安と考えます。
(現状の切削速度150m/minはいくらなんでも厳しいでしょう）

あとは、困ったときのミラクルコーティング材種VP15TF。
耐欠損性を重視して、準重切削用のGJブレーカ＋ノーズR0.8または1.2。

スミマセン。
取り代は0.1なのですね。
それでは、上記切削条件の目安を0.08→0.1に訂正いたします。
0.05×2回も考えられますが、特にcBNではキチンと切れない
恐れもあるので。

断続加工で欠けるのは抜ける際にチップに引っ張り応力が働く為。
これを防ぐには工具の面では高靭性な工具材種を選定する事と刃先強度の強化。
加工方法の面では切屑厚みを薄くする事などが考えられるでしょうか。
例えば
コーナーRの大きなものを選ぶ
切り込み角を浅くする（取代が少ないのであまり意味無いかも知れませんが一応）
　　→　ボス等の無い端面加工だけならCNMGの鈍角側を使うのも１つの手段


硬度としてはそれ程高く無い事と断続加工である事を考えると
CBNでは高靭性グレードでもやや不安に思います。
HRC50前後ならセコツールズのTH1000等のような
高硬度用のコーテッド超硬の方が安定的に加工出来そうな気がします。

但し研削の代替となると寸法精度や面粗度も相応には必要でしょうから
CBNと比べて耐摩耗性の面ではやや不安もありますが。

研磨（研削）の代役、取代 0.1 なら京セラ得意のサーメット、セラミックとかいわずに、ＣＢＮ。
カタログでは、それにＰＶＤコーティングを施したもの、強断続には KBN35M が最強と推奨している。
こんなの使ったこと無いが、DH31-S は SKD61 類似、 HRc50 近辺でそれほど硬い部類でもなく、ＣＢＮなら他のものでもイケルと思いますよ。