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SPCCの磁気焼鈍について
2023/10/18 17:48
- SPCCとは、磁気焼鈍が可能な材質でしょうか?
- 磁気焼鈍には、パーマロイやケイ素鉄、純鉄などの軟磁性材料が使用されますが、SPCCには磁気焼鈍の特性はありません。
- SPCCは一般的に磁気焼鈍には向かない材質であり、その理由について詳しく知りたいです。
SPCCの磁気焼鈍について
2011/03/22 14:26
SPCCという材質について、磁気焼鈍が可能かどうかを調べています。
磁気に影響のある箇所で使用しているのですが、折り曲げ加工を
しており、磁気的な性質を改善したいためです。
あるメーカHPを見ると、磁気焼鈍の材質としてパーマロイ、ケイ素鉄、
純鉄等の軟磁性材料が書かれているのですが、SPCCについては特に
記載がありませんでした。
また、業者さんに聞いてみたところ、SPCCは磁気焼鈍出来ないとの
回答でありました。
一般的に磁気焼鈍に向かない材質なのかもしれませんが、
小生の知識不足により、教えていただけると助かります。
また、磁気焼鈍出来ない場合は、その理由についてもご教示お願いします。
回答 (4件中 1~4件目)
脱磁器ってのが有るので試してみてください
マグネット再磁化する際に消磁してから加磁しますが
その時にSNを交互に徐々に弱くしていくことで消磁します
下の方が言われてる事と同じですが・・・
部品が大きいものは無理かもしれません
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>磁気に影響のある箇所で使用しているのですが、折り曲げ加工を
>しており、磁気的な性質を改善したいためです。
SPCCを使用して部品製作を行っている この部品が加工に伴い磁気特性が
変化している
と 理解して 過去の経験を お話します
当方ではSECC材を使用していました SECCは母材をSPCCとして亜鉛鍍金
が施された物です 磁性に関しては ほぼ 同等として進めます
部品の機能目的はカラーモニターの固定用フレームブラケットです
当時のモニターはCRTですので磁気に敏感に影響され色がにじんだり
変色されてしまいます 問題になったのは部品の残留磁気です
少なくとも地磁気までにするのが至上命令です
部品製作工程はプレス工程がほとんどで 外形抜き→穴抜き→穴抜き→
曲げ→曲げ→曲げ→タップ加工→脱脂→乾燥→組み立て です
物理的外力・応力が加わると磁気が発生してほっといても消磁する事は
有りません 箱状に曲がって端部が集中するところに磁気が高めに
発生します
対応策:減衰交番磁界中を通過させて脱磁効果を狙う
空芯コイルに高周波電流を流しそのコイルの中を部品通過させる
磁力機器メーカー相談すれば回答が得られます
回答の方向性が違っていたらごめんなさい
磁気焼鈍は、純鉄、パーマロイ、珪素鋼板など、電気機器の鉄芯材料に対し
て行われる熱処理であり、打ち抜き加工など機械加工によって劣化した磁気
的な特性を回復する目的で実施するものです。#1回答者さん回答のように
保持力を低下させたり、透磁率を向上させたりして、磁気的な特性を向上さ
せます。
SPCCは通常の鉄板ですから、高度な磁気特性が求められる用途には最初
から使いません。熱処理によって磁気的な特性が多少は変化するでしょうが、
前記のような磁気的な特性に特化した材質のように高度な磁気的な性能はも
ともと持ち合わせていません。例えば、純鉄の磁気焼鈍用と同等の温度プロ
ファイルの熱処理をすることは可能でしょうが、SPCCの磁気特性が純鉄
のようになることはありません。
熱処理業者さんに尋ねれば、「できません」との回答と思いますが、やって
も無駄であり、コストを掛ける意味が無いとご理解頂ければ宜しいと思いま
す。
加工によって着磁してしまった状況であれば、#3さんご指摘のとおりに
熱処理ではなく常温の磁気的処理で消磁する処理を行えばOKと思います。
当該部材を囲むことのできる大きなコイル(ソレノイド)を用意して、その
コイルに商用交流電流を流し、加工して着磁したSPCC部材をコイルの磁
界中に置き、ゆっくりとコイルの磁界から離すように処理すれば。SPCC
部材に着磁した磁力を消磁できると思います。
コイル中に置いた部材を動かすことが困難であれば、コイルに流す電流を
暫減させるように制御すればコイル中から動かさなくても消磁できます。
補足
2011/03/23 11:55
SPCCは、元来磁気的特性が優れていないため、磁気焼鈍しても改善効果は低いということですね。理解できました。流通量やコストとの兼ね合いから、SPCCを選択した背景があるのですが、性能を向上するためにコストupも視野に入れて考えます。回答ありがとうございます。
SPCCというのは冷間圧延鋼板(スチールプレート、早い話が「鉄板」)で、自動車のダイナモ等においては、強度部材であると同時に、磁気回路を構成する磁性材料でもある訳ですね。それを曲げたりすると、軟磁性材料にとしての磁気特性が落ちることになります。(具体的に言うと、保持力が高くなったりする。)それを回復するには応力除去焼き鈍しが有効です。
しかし、軟磁性材料としてのSPCCの磁気特性は十分高いとは言えないでしょう。その原因は、炭素を含有することにあります。本当は、磁気特性のことを考えれば、純鉄系の材料の方が良いでしょう。ただし、それでは強度的には不十分かもしれません。炭素は、強度的にはあった方が有利なのです。痛し痒しですが。
そういう意味では、SPCCは磁気焼鈍≒応力除去焼鈍できないというか、やったかいが無いということではないでしょうか。最近は炭素含有量を低下させた純鉄系(いわゆる電軟系)の材料もあるようですから、そういうのも検討されてはいかがでしょうか。
あと、スキンパス圧延してある場合、磁気焼鈍≒応力除去焼鈍してしまうと、せっかくの硬さが低下してしまうという問題点もあるので、そういう意味で熱処理できない、となったのかもしれません。
忘れていました。純鉄の磁気焼鈍温度というとSPCCにとっては、オーステナイト領域に入ってしまうので、磁気焼鈍≒応力除去焼鈍とは言えないですね。すみません。
お礼
2011/03/23 11:47
SPCCは、炭素を含有しているが故に磁気特性に特化した材質でないこと、
一方で炭素の含有量が少なければ強度が劣る、ことは理解できました。
特に強度が必要とされていない箇所に使用のため、純鉄系を選択する余地が
出てきました。
回答ありがとうございます。
お礼
2011/03/23 12:00
回答ありがとうございます。
今は、SPCCの加工依頼をしている業者さんが、できる範囲での改善を考えています。磁力機器メーカーでもその点の改善ができるということは、初めてお聞きしました。参考にさせていただきます。