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デルタ結線、スター結線の違いによるインバーター漏電
2023/09/07 01:46
- デルタ結線とスター結線の違いによりインバーター漏電が発生
- アメリカ製機械の輸入先の施設でデルタ結線の接地方法が原因と判明
- 漏電問題を解決するために絶縁トランスを使用してスター結線に変更
デルタ結線、スター結線の違いによるインバーター漏電
2020/10/05 15:01
技術の森の皆様、いつも大変お世話になっております。
皆様のお知恵をお借りしたく投稿させて頂きます。
いつも大変、大変参考にさせて頂いております。
当方、アメリカ製の機械を日本向けに輸出販売しております。
以下仕様のアメリカ製の機械を輸入し、山梨(50Hz)に納入しました。
200 - 240VAC 50 Hz
5A @230VAC Three-phase
客先施設の200V三相電源にて接続し稼働したところ関東電気保安協会より、60mAの漏電を検知したと報告がありました。
電気屋を交え原因を探ったところ、客先施設内のデルタ結線の接地方法が「コーナーグラウンドデルタ結線接地/corner grounded delta transformers.」であり、この結果、当該機に付属するインバーターでのロスが大きくなり、インバーター内のノイズフィルターが漏電を発生させているとの見解に至りました。電気屋よりは日本では一次側はデルタ結線が一般的で、工場などでスター結線で接続することは稀とも伺いました。
添付画像「対応策」をご参照下さい。
解決策として、他の海外製の設備も多く使う客先であり、絶縁トランスを設置し二次側をスター結線として負荷に接続することで、漏電も小さくなり、他の機器と分離することで漏電ブレーカーが他の機器に対して有効になるという方法を講じました。現在もこの状態で運用されております。
この事態をアメリカの本家メーカーに報告したところ以下の文言が新たに仕様書に追加されました。
「230VAC 三相の機械仕様に限定しては「コーナーグラウンドデルタ結線接地」には対応しない。スター(wye)結線、フローティングデルタ結線、センターテープドデルタトランスフォーマーをご用意頂く必要がある。この条件は230VAC 三相の機械仕様に限る。」
一連の騒動を終え、私の抱く質問は以下になります。
(1)日本の工場は本当にデルタ結線がほとんどなのでしょうか?
(2)日本の電気屋はデルタ結線に種類があることを認識しているのでしょうか?(コーナーグラウンド、フローティングデルタ/Floating delta、センターテープドデルタ/Center tapped deltaの違いなど。)
(3)負荷に繋がる施設内のデルタ結線とスター結線の違いにより、なぜ漏電の有無が分かれるのでしょうか?
(4)メーカーは230VAC 三相の機械仕様に限定して、コーナーグラウンドデルタ結線接地は今後対応不可としましたが、100-120V単相、200-240V単相の機械仕様を選定した場合はコーナーグラウンドデルタ結線接地でもOKな理由はなんでしょうか?(単相三相の違いが関与しているのか。)
(5)そもそも本件の客先施設のデルタ結線より接続されて漏電が起きたという事態を回避するには事前にどのような確認が必要だったのか。私は客先施設の結線事情まで確認するべきだったのでしょうか?
(6)デルタ結線とスター結線が二種類存在するそもそもの理由は何でしょうか?
ご回答頂ける番号のみのご回答で構いません。
長文になりましたが皆様のご意見をお待ちしております。
何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
質問者が選んだベストアンサー
(1)日本の工場は本当にデルタ結線がほとんどなのでしょうか?
→デルタ結線の場合が多いのは回答(1)さんもお示しのとおり事実でしょう。
(2)日本の電気屋はデルタ結線に種類があることを認識しているのでしょうか?
→もちろんデルタ結線において、接地の方法が複数あることは認識しています。動力専用の3相3線式の場合は、1線接地(コーナーグラウンド)。単相3線100/200Vと3相3線の相乗りである灯動共用4線式の配電では、単相3線の中線を接地(センタータップドデルタ?)。非接地(フローティングデルタ)は、電技によって、特別な条件を満たす場合を除いて禁止されています。
(3)負荷に繋がる施設内のデルタ結線とスター結線の違いにより、なぜ漏電の有無が分かれるのでしょうか?
→スター結線とデルタ結線の差によって漏れ電流が異なるのではありません。接地電位を基準としたときに、各線の電圧バランスがとれているか否かの差に起因します。
(4)メーカーは230VAC 三相の機械仕様に限定して、コーナーグラウンドデルタ結線接地は今後対応不可としましたが、100-120V単相、200-240V単相の機械仕様を選定した場合はコーナーグラウンドデルタ結線接地でもOKな理由はなんでしょうか?
→メーカーに説明してもらいましょう。
(5)そもそも本件の客先施設のデルタ結線より接続されて漏電が起きたという事態を回避するには事前にどのような確認が必要だったのか。
→日本の配電事情を知らないメーカーと、日本の顧客の事情を橋渡しするのが貴殿のお仕事ではありませんか?
回答(1)さんがお示しのとおり、日本の配電方式は世界標準からは大きく逸脱していて、ガラパゴスな状態と認識なさることが適切と思います。
(6)デルタ結線とスター結線が二種類存在するそもそもの理由は何でしょうか?
→参考URL等の情報に基づき勉強してください。
回答者からの質問です。
>電気屋を交え原因を探ったところ、客先施設内のデルタ結線の接地方法が「コーナーグラウンドデルタ結線接地
>/corner >grounded delta transformers.」であり、この結果、当該機に付属するインバーターでのロスが大きくなり、
>インバーター内のノイズフィルターが漏電を発生させているとの見解に至りました。
この見解を納得していらっしゃいますか?
接地の方式によって漏れ電流の大きさが異なるのは合理的に説明できるはずです。しかし、接地の方式によってインバーターのロスが変化するという根拠は何処にあるのでしょうか? 素人騙しのような説明の前に、なぜロスが変化するのかをそのような説明をなさった方に聞きましょう。
それ以上に大切なことは、御社の扱っていらっしゃる機械は、どのような回路接続、回路定数のフィルターを装着しているのか、それと関連して、機器の漏れ電流が設計的にどの程度の値であるかなどを、メーカーに問い合わせることをお勧めします。
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この質問は投稿から一年以上経過しています。
解決しない場合、新しい質問の投稿をおすすめします。
その他の回答 (2件中 1~2件目)
http://t-sato.in.coocan.jp/terms/distribution-system.html
http://www.acelion.co.jp/naibu/ent/syurui/syurui.htm
TN システム :スター結線 N相接地 日本国以外のほぼ全ての国々の普通の400V配電
TT システム :デルタ結線 S相接地 日本国内の陸上にのみ存在する普通の3相200V
https://www.jepic.or.jp/data/g10.html
北米は240Vのスター結線N相接地
漏電ブレーカも地球上で日本国内の陸上にのみ存在する
海外に存在しない事も無いが、それは日本の会社が海外に工場を移転した先で
日本で使用していた機械をそのまんま無改造で使用する為に
日本式デルタS接地3相AC200Vを強引に作ってるに過ぎない
結論的に3相絶縁トランスで絶縁する以外の選択肢は存在しない
http://www.e-aiharadenki.co.jp/3ysb.html
http://www.nunome.co.jp/list/?ca=2
お礼
2020/10/24 06:09
ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。頂いた資料も見返し、学びに励みます。
今後ともよろしくお願いいたします。
お礼
2020/10/24 06:08
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。僭越ながらベストアンサーとさせて頂きました。この掲示板にはいつも救われっぱなしです。今後とも何卒宜しくお願い致します。
インバーターのロスに関しては今後もフォローしていく所存です。電気は難しいですがわかってくると面白いですね。