液晶画面の色が変化したり変色する現象について

一言で言えば、寿命です。

その症状は、デジタルデータを色情報として変換する半導体回路に不良があるか、または液晶を制御する電気的応答回路に不良があります。即ち、経年劣化によって、液晶のコントロールが出来なくなってきたのです。

前者については、いわゆるデジカメのホワイトバランスと同じです。
デジタルでは、色の赤、青、緑（RGB）が、何かは分かりません。正確に言えば、情報として例えば１0が赤だとしましょう。00が青で01が緑だとすると、では赤とはどうしたときに、赤になるかは、どうしますか？
デジタルでは、フィルムカメラのように赤い色として保存されているわけではなく、赤は赤という2進法をベースとした数字です。だから、赤は、デジタルデータを元に、赤にするときには、このようにRGBの液晶素子を反転させますよと言う情報を与えるだけなのです。

その半導体に異常が生じると、色むら（色が正しく発しないこと）やドット妨害（ドット毎の色が打ち消し合ったり、違う色になる）、信号途絶（真っ黒になる）、クロック異常（画面が上下方向に乱れる）などが生じることがあります。この場合は、確実に修理に出さないと治りません。改善には液晶パネル及びバックライト、またはその制御基盤（場合によっては、マザーボード）の交換が必要です。

後者の場合は、一般にライン上に症状が出ることが多いです。主に横方向に緑や青、赤などの一直線の線が出てきます。この症状は、そのラインを制御する回路に不具合があるか、その配線が断線しているかのどちらかです。特定の色、例えば緑だけが光れば、緑が、赤と青ならその合わせた色が、といった具合で発色します。これは、前者の一歩手前の症状と言えます。
尚、この症状は、一定時間が経過すると一時的に改善することがあります。特に低温下など一定の条件では、改善しやすい傾向がありますが、症状そのものが完全に治るわけではありません。
改善には、液晶（バックライト含む）の交換が必要です。


ちなみに、液晶が真っ暗になり消える場合は、バックライト切れと言います。一般に蛍光灯の電球が切れるのと同じです。（有機EL<OLED>や無機EL<LED>を除く）
液晶は、自分から光ることはありません。バックライトと呼ばれるCCLFやLEDのライトを液晶の裏側に仕込んでおり、それを光らせ、その光をRGBのそれぞれのシートを介して、液晶で透過させることで、カラーを再現します。
バックライトが切れると、当然ですが光らなくなり真っ暗iになります。ただし、液晶は反応するため、例えば懐中電灯などで、表からでも光を当てれば、凄く薄い色になりますが、見えるかもしれません。
尚、この場合はバックライトの交換が必要です。最近の製品はバックライト単体での販売はしていないため、液晶パネル丸ごとを交換しますので、かなりの価格となります。


そういうものです。
よって、根本的に、解決する方法はありません。
ただし、冷却によって症状が緩和する場合もあります。それも、一時的なものとなりますので、まあ、普通に考えると2004年のPCなら買い換え費用の捻出を急がれた方が良いかと思います。