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2023/06/23 11:37
構造設計初心者です.M3の六角穴付ボルト(頭径5.5)の頭をすべて隠すために板にざぐりたいのですが,板厚の選定に悩んでいます.
設計要求/条件(簡易化した図を添付しました)
・できるだけ軽量(t5~t8程度が目安)
・4点の締結点に合計で500Nの力がかかる(垂直に)
・ざぐられる板は4点で固定(固定点はざぐらない)
・ざぐり径はΦ7,中央にはΦ3.3の貫通穴
・材料はA5052
強度計算のため,手計算と構造解析ソフトを用いた計算を行いました.以前振動試験によって残し肉厚が0.5mmの時に破壊した経験があります.繰り返し回数は多く見積もって2.0*10^6程度です.
破壊モードはざぐりの端面(円周の縁)で剪断破壊が起きることだと考え,以下のように計算しました.
肉厚t[mm]の時
tau = (500[N] / 4) / (pi * 7[mm] * t)
t = 0.5の時
tau =~ 11.4MPa
↑A5052の剪断強さ/疲労強度に満たない(なぜ?)
構造解析ソフトの結果では,140MPa程度の値となりました.
振動試験で壊れたことを踏まえると構造解析の結果の方が正しそうですが,手計算とオーダーも合わないまま進めるのは怖いと考えております.
おそらく応力集中の影響があるのかと考えておりますが,手計算の結果に穴の応力集中係数3をかけても強度計算上問題ないことになってしまいます.
このようなざぐり部残し肉厚の計算方法をご存じの方はいらっしゃいますでしょうか.
※OKWAVEより補足:「技術の森( 開発・設計)」についての質問です。
M3のような小さなねじの場合、本格的な構造計算を行わないのが一般的なように思います。構造計算を行うか否かをさしおいて、残し肉厚0.5mmでは、見るからに貧弱な印象で、振動試験で破断しても当然のように思えます。その際、破断した箇所はφ7の入隅部分だったのでしょうか? それとも、ねじ頭の外周と接する円上だったのでしょうか? 前者であれば、ねじ頭の径は、φ5.5なので、入隅部分にR0.5程度のアールを付けることが可能で、応力集中を避けることができそうです。
板の軽量化が目的であれば、安心できる残し肉厚を確保するように板厚を選定し、応力伝達に寄与していない部分の肉を盗めば、大幅な軽量化が可能だと思います。
余計なお世話とは思いますが、設計なさっている機械では、お尋ねの板以外にも重要な部分が沢山ありそうに思います。設計全体を適正化していくには、細部については安全率を大きくとることなどで、単純なモデルを使った計算で済ませて、重要な部分に手厚く設計工数をかけるなどを考慮なさったらいいと思います。
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2023/06/23 16:21
コメントありがとうございます.プロの設計者の方のご意見,大変参考になります.
加工業者の方にも相談して隅アールを付けていただき,3~4mmの肉厚を残す設計としようと思います.
おっしゃる通り,現在設計しているシステムは他にも重要な部分があります.今回は振動試験で壊れてしまったため丁寧に設計する必要がありましたが,初期設計段階で大幅に余裕をもって設計できるような知識と経験を積みたいと思います.
素早く回答いただきありがとうございます.大変貴重なアドバイス助かります.