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直流モータの端子電圧について
2023/10/14 05:20
- 直流モータの端子電圧はブレーキをかけた瞬間にVccより大きくなり、その後Vccに落ち着くと考えられます。
- 直流モータの静特性と動特性を考慮すると、ブレーキをかけた瞬間に内部の発生電圧が上昇し、その後Vccに等しくなると思われます。
- 直流モータの特性については論文や資料がありますが、未だに確定的な回答は得られていないようです。
直流モータの端子電圧について
2005/11/04 13:24
直流モータの特性についてご教授願えれば幸いです。
なお、素人ですので、以下の説明そのものが
おかしい場合もあると思いますが、ご了承下さい。
ここでの、直流モータは模型用の小型モータ(マブチモータ)
のような構造をいいます。
(1)疑問1
上記モータのシャフトを握りブレーキをかけた場合、
電源Vccに十分余裕があるとしたとき、
モータの端子電圧(モータの内部的に)は、
ブレーキをかけた瞬間から過度的に、Vccより大きくなるのか?
または逆なのか?又はVccと同じか?ということです。
いろいろ調べましたが、さらにわからなくなって
しまいました。
直流モータの静特性として、
http://www.hanelab.k.dendai.ac.jp/soturon2002/97sk024.pdf
の23頁に
V=Ri+L(di/dθ)+K(dθ/dt) 式(4.1) と記載され、
24頁に(di/dθ)=-Ri/L-K/L*(dθ/dt)+V/L 式(4.3) と変形してあります。
(2)疑問2
素人的に考えると、定常状態では、(di/dθ)は0のように感じられますが、
式(4.3)の右辺第2項の K/L*(dθ/dt)が原因で、(di/dθ)は0には
ならないと考えていいのでしょうか?
次に、直流モータの動特性として、30頁に
V=Ri+L(di/dt)+Kg(dθ/dt) 式(4.11) と記載されています。
これらを踏まえて最初の疑問1を次のように考えました。
(2)疑問3
モータのシャフトに負荷をつけて、ブレーキがかかるようにした場合、
ブレーキをかけた瞬間から過度的に考えますと、
電流が急激に増大するため、
L(di/dt)は式(4.1)のそれより大きくなり、
Kg(dθ/dt)の項は、式(4.1)の該当項より小さいと推定されますが
(ブレーキにより角速度が減少するため)、
結果的には、L(di/dt)項の影響により、さらにはRi項も加算され、
瞬間的にモータの端子電圧はVccより大きくなり、
その後、Vccに等しくなるように思われます。
直感的には、ブレーキがかけられた瞬間に、
止められてなるものかと、内部の発生電圧を上げる、
その後Vccに落ち着く、このような現象が起こって
いると思うのですが...
どなたか、ご教授いただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
回答 (5件中 1~5件目)
回答(4)が正しい解答と思いますが少し補足説明します。
V=Ri+L(di/dθ)+K(dθ/dt) 式(4.1)
V=Ri+L(di/dt)+Kg(dθ/dt) 式(4.11)
両方とも同じ意味です。
K,Kgは誘起電圧定数と言い大体は一定の値ですが、完全に線形ではないので分けて書いてあると思います。K(dθ/dt)は逆誘起電圧と呼びます。
K(dθ/dt)×iが機械系パワーに変換されるパワーです。
動的にはブレーキをかければ回転数が下がりdθ/dtが低下し、誘起電圧が減少し、電流が増加しようとします。電流が増加しようとするとdi/dtが正になりますが,瞬間的には電流は増加せず。L/Rの時定数で指数関数的に増加しますので、電流の変化は連続したものです。一般的にはL/Rは非常に小さい値ですので、感覚的には瞬時に増加した感覚ですが、連続した曲線を描いてます。
正確には微分方程式を解けば判りますが、Ri+L(di/dt)の増加値はKg(dθ/dt)の減少値を越える事は有りません。従って、モータの端子電圧が上昇する事はありません。電圧は基本的には下がる方向です。電圧の下がり方は電源のインピーダンスによって決まります。
但し、上記は飽くまで機械的に外部からブレーキをかけた時の話です。
電気的な制御で逆トルクを発生させてブレーキをかけようとすると、機械系の保有するエネルギーの減少が電機エネルギーとして帰還されますので、モータの端子電圧は上昇します。これが回生制動と呼ばれるものです。
それとインダクタンスLは本質的に電流エネルギーを貯蔵するもので,電流の変化を妨げる要素であると憶えられたら良いと思います。
試験をすればこれらの定数は割合容易く得られると思います。
但し、電流を流し過ぎると減磁作用が起り、即ち磁力が落ちて、誘起電圧定数が低下する可能性がありますので注意して下さい。
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もっと単純に考えてもよろしいんじゃないですか? 定性的な説明ですが、
ブレーキをかける、
回転数が落ちる、
そのため逆起電力(端子電圧)が下がる、
結果、電源から流入する電流が増える、
トルクが増す、
回転数が回復する、
逆起電力も上がって再びVccとつりあう。
となります。「止められまい」とがんばっているのはモーターでなく
電源の方です。
お礼
2005/11/07 15:24
#4様
ご回答有難うございます。
私は、直感的にも逆に考えていたようで、
恥ずかしい限りです。
ご回答に、感謝致します。
それでは失礼致します。
(1)疑問1
下記参照
(2)疑問2
素人的に考えると、定常状態では、(di/dt)は0のように感じられますが、
式(4.3)の右辺第2項の K/L*(dθ/dt)が原因で、(di/dt)は0には
ならないと考えていいのでしょうか?
疑問2について
V=Ri+L(di/dt)+K(dθ/dt) 式(4.1)
これはK(dθ/dt)の部分に電流が入っていないので、他励方式の
直流電動機の基本式です。Vは理相直流電源で、モータの端子電圧です。
定常状態では、dθ/dtも一定です。(回転数一定の為 θ=ωtで、dθ/dt=ω)
ωは一定値です。
V=Ri+L(di/dt)+K(dθ/dt) 式(4.1)
において、K(dθ/dt)は逆起電力として働きます。定常状態では一定です。
よって、回転数が上がると、i = (V-K(dθ/dt))/R ですから電流は減少します。
なお、トルクは電流iに比例してますので、回転数上昇で、
トルクも減少します。
疑問3について
モータのシャフトに負荷をつけて、ブレーキがかかるようにした場合
ここで例えば、
θ=ωt、ω= -atと角速度が一定で減少したとすれば、
θ=-at^2
(等角加速度で減少)
dθ/dt = d(-at^2)/dt = -2at
よって 式(4.1)は、
V=Ri+L(di/dt)-2at
逆起電力の符号がかわり、逆起電力は発電となています。
2at+V = Ri+L(di/dt)
となり、電流は増加します。
i=bt+cとして、b,cを求めれば、
i =(2a/R)*t + (V-2aL/R)
となり、電流は1次で増加します。
しかし、原理的には、モータ内部の界磁部(電磁作用を起こす部分で発生する電位)
の符号が変わってのことですから、モータの端子電圧は変化しないのではと
推定されます。
実際には、電源の内部抵抗によりますが、電流が増加する為、
逆に電源端子の電圧は低下しそうな気がします。
定常状態でも、
1.
回転子を拘束すると最大トルクを発生し最大電流が流れます。
2.
さらにトルク発生方向と逆方向に定速度で軸を回転させると、さらに電流は増加し、
回転に要するトルクも、さらに増大します。(制動作用)
3.
回転中にさらに外部より回転方向に回転速度を上げてやると
電流の向きが変わります。(発電作用)
回答(4)さんの説明は定性的には正しいと思われます。
物理的な因果関係を考察する上においては。
しかし、それらの現象は、多分マクスエルの電磁方程式で、
解が求まるものですから、原理的には光速で行われます。
多分・・・
すいません。計算及び内容に大きな間違いがありました。
回答(3)の「疑問3について」は、以下のように訂正します。
モータのシャフトに負荷をつけて、ブレーキがかかるようにした場合
ここで例えば、角速度をω0からω1へ瞬時に減速した場合、
逆起電力K(dθ/dt)は Kω0からkω1に減少しますので、
V1=V-Kω0、V2=V-kω1、(V2>V1)とおけば、
電流は、最終定常値で、V1/RからV2/Rへ増加します。Lの影響で、
時定数を持った一時遅れの曲線で増加します。
i= (V1/R-V2/R)*exp(-t/τ) + V2/R、 τ=L/R
となります。回答(5)さんの
「瞬間的には電流は増加せず。L/Rの時定数で指数関数的に増加しますので、電流の変化は連続したもの」
とは、上記式の事だと考えられます。
次に、角速度が一定で減少する場合を再検討しなおしました。
dθ/dt = ω= ω0-?ω*tとします。(等角加速度で減少)
で回転方向は変わりませんから、ω > 0
であり、ここで、減速して回転方向が変わらないことより、t < ω0/?ω となります。t=0で減速開始です。
逆起電力は、K(dθ/dt)=K(ω0-?ω*t)で、符号は変わらず、0に向かって一次で減少していく。
丁度、回転停止時で、0、さらに逆に回して初めて逆起電力の符号が変わります。
微分方程式は
V=Ri+L(di/dt)+K(ω0 -?ω*t)・・・式?
これを解くと、
Ri+L(di/dt)=0の一般解と、式?の特解の和で、
一般解は、A*exp(-t/τ) A:任意定数
特解は、(K?ω/R)*t + (V-K*ω0-(LK?ω)/R)/R なる一次式
より、式?の解は
A*exp(-t/τ) + (K?ω/R)*t + (V-K*ω0-(LK?ω)/R)/R
ここで、Aをt=0、減速開始時点すなわち、
i=(V - K*ω0)/R となるよう決めてやれば、
i = (KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ) + (K?ω/R)*t + (V-K*ω0-(LK?ω)/R)/R
となり、指数関数的に減衰する項と、一次項の和になります。
(計算間違っていたらすいません)
あくまで解いている式は?ですので、理想的には、
V = 電源電圧 = モータ端子電圧 です。
原理的には、モータ内部の界磁部(電磁作用を起こす部分)での電位が
減少しているだけですので、モータの端子電圧は変化しないのではと
推定されます。
実際には、電源の内部抵抗によりますが、電流が増加する為、
逆に電源端子の電圧は低下しそうな気がします
こちらの計算が間違っている可能性があります。
?にて求まった定数項にLをかけて整頓すると、
?の(1-exp(-t/τ))のとことで1がLになりそうで、
次元があいません。
再度、できれば、微分方程式の解を再確認してください。
もし、
すべての計算が間違っていなければ、?の右辺は、Vになると
思います。
V=Ri+L(di/dt)+K(ω0 -?ω*t)の解(電流)を数学的に求めたからです。
ただし、上記検討は、ω0 -?ω*tとしていますので、
回転停止前のある時点 t1で、ブレーキを解除するはずです。
その時点の回転数における、軸出力トルクと、負荷トルクがつり合えば、
モータはその回転数で、定速度となり、その時点の電流の連続条件を考えて、t > t1 における微分方程式をとけば、その後、電流がどう変化するか、解けると思います。
お礼
2005/11/07 15:19
ご回答有難うございます。
以下?~?は新たに番号を付与しました。
補足いただいた最終式で、
i = (KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ) + (K?ω/R)*t + (V-K*ω0-(LK?ω)/R)/R ---?
となっております。
これを、tで微分すると、
di/dt=-(1/τ)*(KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ)+ (K?ω/R) ---?
となります。
一方,最初の式 V=Ri+L(di/dt)+K(dθ/dt) ---?
の右辺に?を代入するとともに、
dθ/dt = ω= ω0-?ω*tを考慮すると、
?の右辺は
V'=Ri-(R/L)*(KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ)+K(ω0-?ω*t)
=Ri+(K/R)*?ω(1-exp(-t/τ))+K(ω0-?ω*t) ---?
となります。
このように、変形して、?の右辺を評価してもよろしいのでしょうか?
もちろん、iは微分方程式から得られるiです。
2項のRi+(K/R)*?ω(1-exp(-t/τ))はtで見ると、増加函数
3項のK(ω0-?ω*t)は減少函数です。
見極めるにはやはり、シミュレーションをするしかないと思いますが、
今の私の実力では、時間がかかりそうです...
ていねいに式を展開いただき、本当に感謝しています。
それでは失礼致します。
すみません、私の計算ミスでした。
di/dt=-(1/τ)*(KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ)+ (K?ω/R) ---?
にLを乗じると、
L(di/dt)=-L*(R/L)*(KL*?ω/R^2)*exp(-t/τ)+L*(K?ω/R)
=-K*(L/R)*?ω*exp(-t/τ)+L*(K?ω/R) ---?'
になると思います。
したがって、?は
V'=Ri+(L/R)*(K?ω)*(1-exp(-t/τ))+ K(ω0-?ω*t) ---?
となります。
ご指摘ありがとうございました。
直流整流子電動機は回転子を拘束すると最大トルクを発生し最大電流が流れます。端子電圧は回転に依る逆起電力がゼロになるので電源によります。十分な電流供給能力があれば、電圧を維持できるでしょう。
それとも拘束した瞬間の動的な変動をお尋ねですか。それには負荷を含めた等価回路を決定してシミュレーションすれば出せますがきっと定数の決定が困難でしょう。定性的にはいきなり拘束すれば瞬間的に逆起電力がなくなるので電源の負荷特性にもよりますが低下するような。気がする、あくまで気ですから。実験されることを薦めます。
お礼
2005/11/04 15:47
早速のアドバイス有難うございます。
完全拘束ではなく、無負荷状態から、少しシャフトにブレーキをかけ、
ブレーキと回転がつりあう状態にする場合において、
ブレーキをかけた瞬間からつりあうまでの動的な変動です。
瞬間的に、Vcc<(V瞬間)となるのかな? という疑問です。
但し、瞬間の定義があいまいですが...
その動的特性方程式が、
V=Ri+L(di/dt)+Kg(dθ/dt) 式(4.11)と思うのです。
定性的な説明のつもりで、元質問に記載させていただきました。
できれば、おしゃるとおり、
実験をしてみたいところです。
いずれにしましても、アドバイス感謝いたします。
失礼致します。
すみません、di/dθはdi/dtの誤りです。
申し訳ございません。
お礼
2005/11/07 15:26
#5様
ご回答有難うございます。
考え方のポイントが見えてきました。
定数(係数)の例もどこかに掲載されて
いたような気がしますので、
微分方程式のほうから確認してみようと思いますが、
私の実力では、時間がかかりそうです(悲)。
不勉強を反省しております。
ご回答に、感謝致します。
それでは失礼致します。