ベアリングの性能比較とラジアル荷重とアキシアル荷重の違い

転がり軸受には内輪と外輪の間に転動体とよばれる玉やころが入っています．
荷重を受けると，内輪と外輪に転動体が押し付けられますが，許容値を越えた荷重を受けると，軸受が壊れてしまいます．
（まず，ボールやころが内外輪に接触している部分に問題が生じます）

ある程度やわらかい地面にほぼ同じサイズ・同じ重さの玉ところが置いてあるのをイメージしてください．
玉ところを同じ力で上から押した場合，地面との接触部分はどちらが深くめり込むでしょうか？
玉は点で接触し，ころは線で接触しているので，当然玉の方が深くめり込む事になります．　
下がガラスのように硬くてもろい物だった場合は，玉は点接触の限られた部分に荷重が集中して壊れやすくなりますが，ころは線接触で荷重が分散するので接触部は玉に比べ壊れにくくなります．

そのかわり，同じ力で押した場合は玉の方が簡単に転がります．
これは接触部分が点である玉の方が転がり抵抗がすくないからです．

上記内容をふまえた上で玉軸受の特徴を説明します．
転がり抵抗や潤滑油の攪拌抵抗が小さいので発熱も少なく，軽い回転トルクで高速で回す事ができる．　そのかわりに大きな荷重は苦手である．

ころ軸受は同じサイズの玉軸受に比べ大きな荷重を受ける事ができるが，高速回転は苦手である．

簡単にいうとこんな感じです．

もっと細かい話しをすると，玉軸受はボールやボール接触面を高精度に仕上げる事ができるので，振動･音・振れの少ない軸受が作れます．
そのため，高速回転機器，モータ(特に小型モータ）などは玉軸受が多く使用されます．

また，ラジアル荷重は軸に対して垂直方向の荷重，アキシアル荷重は軸と同じ方向の荷重をいいます．
水平軸で考えると，横から軸を押すのがアキシアル荷重(スラスト荷重），上え方軸をたわませる方向に押すのがラジアル荷重です．