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2007/04/24 15:08
水の掛かる設備なんですが、これまで主軸として使用していた
SUS420J2の代わりに、クロムモリブデン鋼を検討しています。
SCM435を想定して、機械的性質を比較したのですが、引張強度や
硬さについては問題なく、あとはたわみと腐食が気になるところです。
特に、たわみについては、SCMの縦弾性係数やポアソン比が明記された
資料が社内でもなかなか見当たらず、試しにインターネットで検索
してみると、これらの値がやはり出てきません。
S-C材のそれと近い値と推測するのですが、一般的な代表値等ご存知
でしたらご教示下さい。
1.縦弾性係数は、何故変化しないか
マイスターさんの回答でも解るように、低合金鋼での、ヤング率の
変化は極、わずかなものです。
その理由ですが、縦弾性係数は、鉄の結晶の原子間の結合の強さで、
決まるもので、微量に添加された合金元素には影響を受けません。
これは、金属学の専門書では、明確に書いていないくらいない基本
的なことで、入門書や教科書などで、やっと記述があるようなことで
あります。
2.強度あるいは剛性は、微量な合金添加で変化する
強度(耐力等)は、設計的には、塑性変形が始まる荷重あるいは応力
が問題になります。少々乱暴に言えば、結晶中の転位が動く荷重であり
これは、微量な合金添加により格子の動きに影響を及ぼし大きく変化し
ます。
熱処理が行える合金鋼では、さらに大きく変化し耐力は倍以上に容易
に上がり構造設計的には、軽く強度のある部品あるいは構造体が作れま
す。
しかし、この2つともヤング率が変化したのではなく、弾性領域が
伸びただけであり、見かけの曲げ剛性が増したにすぎません。
3、高合金ではどうか。
ステンレスなどの高合金のほとんどは、ヤング率は下がる方向です。
下がってもせいぜい4~5%どまり、SUS304でも2.0~1.98×10~4
程度です。
理由は、前述のように原子間の結合力がベースだからです。
但し、この数%の違いを問題にするような、高度な設計であればクロモリ
のヤング率が必要なのかもしれませんが。
ご回答ありがとうございます。
縦弾性係数や降伏点の意味がわかれば、教科書に
でていない金属の物性値もある程度推測できるの
ですね。
今後の心がけにしていきたいと思います。
2007/04/25 18:56
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お使い下さい (材力の参考書より)
材料 E:Kg/m? G:Kg/m? ν
軟鋼 2.1×10~4 8.1×10~3 0.28~0.33
硬鋼 2.1×10~4 8.1×10~3 0.28~0.33
バネ鋼 2.1~2.15×10~4 0.28~0.33
焼入れ 8.5~8.8×10~3
早速のご回答、ありがとうございます。
SCM435の炭素量では、軟鋼と硬鋼の中間くらいかと
思いますが、いずれにしてもヤング率210GPa、ポアソン比0.3
程度ということでしょうか。
そうしてみると、S45C等の炭素鋼とほぼ同じとして考えて差し支え
ないんですね。
2007/04/24 16:58
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