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M10ねじ 表面の残留応力について
2009/12/20 21:25
- M10ねじ表面の残留応力をX線で測定した結果、予想と異なりほぼ0に近い値が確認されました。
- 測定結果の原因として、X線測定装置の据え付け誤差や表面酸化被膜による誤差が考えられます。
- 他の原因を考える前に、材質や転造加工方法などを確認することが重要です。
M10ねじ 表面の残留応力について
お世話になります。
先日X線を用いてM10ねじ表面の残留応力を測定しましたが、大きな圧縮の残留応力が出ると予想していた熱処理後転造の表面でほぼ0に等しい値しか確認できませんでした。
原因として考えられるのは、
?X線測定装置の据え付け誤差
?製造されたのが2~3年前のものであるため、表面に酸化被膜ができたた めにX線での測定に誤差が生じた。
以上の2つを考えていますが、これ以外に何か考えられる原因はありますか?転造加工された物の表面なので大きな圧縮が生じているはずだと思うんです。よろしくお願いします。材質はSCM440です。
回答 (2件中 1~2件目)
基本的に、残留応力はそれを抑える力や環境がなければ歪みとして現れます。
転送の圧縮的加工や熱処理(焼き入れ)による縮みや焼き膨れで、残留応力が発生すると
考えがちですが、表面に力が逃げる方向があるので、大きな応力は発生し難いです。
例えば、物をカットする時に、内部に残留応力があれば、カット面は歪んでいます。
極端には、樹脂の原材料の中心より端を使用し、加工物を製作する時は歪みを考慮し、
加工マージンを多く考えて加工計画をします。
材料が動きますから。
特に、三角形をしているネジ部は、360°-60°=300°が解放状態なので、特に残留応力
は、残り難い環境と考えます。
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ぱっと考えられると要因として下記の2つがあります。
【1.測定方法が不向き】
もともと平坦が望まれる測定法なので、ねじ部のような複雑形状にはむいていません。X線をあてる方向や場所が最適でない可能性はあります。
どうにもならなければ一度測定機のメーカーに相談するのも手だと思います。
【2.表面性状の悪さ】
ご指摘の通り表面の状態は誤差因子となりえます。
ちなみに、もともと黒染めはされてませんか?また念のためにききますが、測定前に脱脂はされたのでしょうか?
これの影響を除きたいのでしたら、電解研磨を行った方がいいでしょう。
お礼
2009/12/21 10:51
素早い回答ありがとうございます。
黒染めはもともと施しておりましたが、測定前はアルコールで脱脂をしました。
お礼
2009/12/24 15:15
ご回答ありがとうございます。
今回ねじの深さ方向も同時に残留応力を測定したのですが、
深さ60μmのところで圧縮のピークが見られました。
この場合、表面は解放状態になっており、内部方向にいくほど
ねじの周方向の拘束が強くなるという解釈でよろしいのでしょうか?