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2009/07/20 15:34
現在、板ばねを設計しています。
素材にばね用ステンレス鋼帯のSUS304-CSP Hを使用することを考えています。
JIS G 4313に引張強さは記載されているのですが、
板ばねとして使用するため許容曲げ応力が知りたく
色々と調べてみましたが結論が出ません。
許容曲げ応力についてどう考えればよいのか、どの値を用いればよいのかご教授下さい。
以下のURL資料等を確認してみて下さい。
“h200420”さんのアドバイスが判り易くなります。
ばね用ステンレス鋼帯SUS304-CSP Hの許容曲げ応力は、
バネ限界値N/mm2 を使用下さい。
疲労限界値を考慮した数値です。
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すべての均一材料において、
曲げ強さ>引張強さ
の関係があります。
どのくらい大きくなるかと言えば、延性材では最大1.5倍、
曲げ強さ=1.5×引張強さ
になり得ます。
これは材料力学の教科書に普通に載っている有名な式です。
脆性材においては、寸法効果があって、一概には言えないにせよ、薄板においては、1.2倍ぐらいになることはザラです。
要するに、曲げ強さがわからない時は、引張強さで代用しておば、安全側の設計ができということです。(逆に、曲げ強さしか測定されていない材料を引っ張りで使用すると、危険側になってしまうということです。)
「許容曲げ応力」という言葉を使われていますが、これは曲げ強さや耐力などを元に、安全率などを考慮しながら、設計上発生を許す最大曲げ応力のことであって、曲げ強さとは違います。
「許容引張応力」についても同様です。
世の中、この辺が区別できていない人も多いので、これを機会にしっかりと覚えましょう。
以上の説明でのなかで、曲げ応力を計算するときの式は、弾性計算の式です。
要するに、
曲げ応力=モーメント/断面係数
です。
○まず、1.5倍について
弾完全塑性体を考えて下さい。この材料は、降伏応力までは弾性、それを過ぎると、応力は降伏応力(=引張強さ)になります。
弾完全塑性体の梁が曲げを受けると、弾性域では応力が厚さ方向に線形分布します。先端(上下面同時)から降伏が始まると、塑性域に入った箇所は応力が平らになります。弾性域で残っている部分では、線形分布します。
降伏が進むと、その極限では、「中立軸から上側では、+の降伏応力、下側では、-の降伏応力」という、全面塑性状態になります。この時のモーメントを計算すると、上下面から降伏が始まった時点のモーメントの1.5倍になることがわかります。
このような理想的な材料でなくとも、伸びや絞りが10%以上もあるような塑性域の大きい材料では同様のことがいえます。この場合、材料が引張強さまで弾性であるとして計算したモーメントに対し、全面塑性状態のモーメントが1.5倍になります。
上の説明でわからない場合には、別途質問を立てて下さい。
どなたかが、わかりやすく説明して下さるのを期待しましょう。
○次に、引張り強さ=曲げ強さではない、ということについて
最近、コンピュータが進歩したこともあって、材料力学もよくわからないのに、CAEの計算結果ばかりを振り回す人が多くなってきたために、「点の応力で破断が評価できる」という迷信(=最大主応力説)がはびこってきています、困ったものです。
点の応力は、直接破断とは対応しません。点の応力が破断応力に達しても、応力分布が一様分布でない限り、要するに、応力分布に勾配があれば、破断は発生しないのです。
応力分布がゆるやかであれば、当然のことながら最大主応力説があてはまります。しかし、急勾配になればなるほど、破断応力は上昇していきます。これが、寸法効果の原因です。
30年ぐらい前に技術の中心にいた人たちは、実測を通じて、このことを良く知っていたのですが、最近は実測をしたことのない人が増えてきたためか、最大主応力説ばかりが一人歩きしていて、困ったものだと思っています。
2009/07/21 13:27
ありがとうございます。
>どのくらい大きくなるかと言えば、延性材では最大1.5倍、
>曲げ強さ=1.5×引張強さ
>になり得ます。
>これは材料力学の教科書に普通に載っている有名な式です。
残念ながら私が所持している材料力学の教科書では記載されていないようです。
1.5倍のエビデンスはどのようなものでしょうか?
物体を上面が凹むように曲げると上面側には圧縮、下面側には引張りの応力が発生し、
曲げによって物体が破壊されるときはこの下面側の引張りのところから破断するように思います。
そう考えると引張り強さ=曲げ強さというイメージになってしまうのですが、
引張強さ<曲げ強さとなるのはどう理解すればいいのでしょうか。
「許容」についてご指摘ありがとうございました。
ありがとうございます
理解に時間がかかり返信が遅くなりました。
1.5倍については理解できたと思います。
計算した結果以下となりました。
降伏応力=引張強さ=4M/bh^2
曲げ応力=6M/bh^2
曲げ応力=1.5x引張強さ
つまり、上下面から降伏が始まった段階ではまだ破断しない。
塑性域が徐々に増えて中立面まで全面塑性状態となったときに
初めて破断するということでよろしいでしょうか。
______
| ←塑性域
/ ←弾性域
/ ←弾性域
| ←塑性域
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑降伏応力=引張応力
>このような理想的な材料でなくとも、伸びや絞りが10%以上もあるような塑性域の大きい材料では同様のことがいえます。
>この場合、材料が引張強さまで弾性であるとして計算したモーメントに対し、全面塑性状態のモーメントが1.5倍になります。
JIS G 4313にSUS304-CSPの伸びについて記載があり、
SUS304-CSP 1/2H 伸び 6%以上
3/4H 伸び 3%以上
H 伸び -
となっており、今回使用するSUS304-CSP Hは伸びが少なく塑性域が殆どないように思えます。
この場合、上下面から降伏が始まった時点で破断が始まり、
曲げ応力はほぼ引張応力と同じとなると考えてよいのでしょうか?
線材の資料を添付します。板材とは若干の差異が予想されますが,参考レベ
ルなら十分だと思います。
2009/07/21 13:14
ありがとうございます。
参考にしたいと思います。
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2009/07/22 09:27
ありがとうございます。参考にします。