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金属の加熱による膜割れの原因と影響
2023/10/19 14:21
- 金属に膜が形成されている場合、加熱すると膜に割れが発生することがあります。加熱速度や温度の変化率が割れの発生に影響を与えるかどうかは疑問です。
- 熱応力は、ヤング率・線膨張係数・温度差によって求められますが、温度の変化率は熱応力の式には関係ありません。
- ゆっくりと加熱する場合と急速に加熱する場合で、割れの発生に異なる条件があるのかどうかは検討が必要です。
熱応力
2016/09/12 18:10
金属に膜が形成されているのですが、加熱すると膜に割れが発生します。
ここで、ゆっくり加熱すると割れはましになるのか?ならないのか?という疑問があります。
ここで熱応力は、ヤング率x線膨張係数x温度差で求められるかと思います。
ここで思ったのですが、温度の変化率も影響はないのかということです。
じわじわと応力が加わるか、急速に加わるかでは条件が異なるのではないのかと思うのです。
しかしながら熱応力の式では、温度の変化率は関係しない式になっています。
ゆっくりであろうが急速であろうが、変化ないでしょうか?
質問者が選んだベストアンサー
先ず、最初に考えることは、解ってるとは思いますが、線膨張係数(熱膨張率)の差による割れ。
金属と膜の線膨張係数の差により、長さに不一致が生じて、弱い方である膜に割れが発生する。
小生も、石英とPTFEやPVCのセット物で、組付けクリアランスの不設定にて、石英破損を経験。
RT(ルームテンプ)から昇温で160℃までや、夏場の35℃時に組付け正月休みに雪国は空調を
落とし-十数度にとかで経験しました。 これが、貴殿記載の
> ここで熱応力は、ヤング率x線膨張係数x温度差で求められ
膜が割れることになります。
次に、割れが発生する弾性変形+塑性変形を考えます。
どれだけ弾性変形をした後に塑性変形をして破断するかと、弾性変形や塑性変形がどれ位の
スピードに追従でき破断や亀裂を発生させないかです。 これが、貴殿記載の
> じわじわと応力が加わるか、急速に加わるかでは条件が異なるのではないのかと思う
で、結局 膜が急激に引張られると割れ易くなるか否かと同じ意味となります。
最後に、膜の性質で、木材や樹脂(鉄鋼も多少はある場合もある)には繊維の目があり、
その目に沿って引張るのと直角に引張るのでは破断(割れ)に達するまでの(応力)力が異なる。
その目に沿って引張る力 > その目と直角に引張る力 となります。
また、膜が均一でない場合には密度が弱い場所に集中応力が発生し、微小亀裂が発生。
微小亀裂が発生した箇所に、集中応力が発生し簡単にその亀裂は成長し、大きな目に見える
割れに成長する。
(菓子袋のノッチ又は切り込みと同じや、袋の縦で切れなければ横で切ってみる手法で馴染み)
急激に力を加えると、力積とは異なるが、結果は同じで応力集中が大きくなり割れ易くなる。
以上から、次にと最後にの記載理由で、
じわじわと応力が加わるか、急速に加わるかでは条件が異なります。
熱応力の式では、温度の変化率は関係しない式になっていますが、別の内容である
? 膜の変形速度と弾性変形+塑性変形の追従性確認
? 応力集中を含めた膜の特性(最終的には?に含まれることにはなるのですが解り易く分離)
が関係し、それ等を検証する手法を追加すべきです。
金属と膜の密着強度は、何も記載がないので問題なしが前提です。
膜の特性に因ると思います。
膜が大袈裟な記載をしますと、ハの字やソとなり金属接触面と反対側は金属の伸び縮み影響を
受け難くなり、割れが軽減若しくは無くなる可能性もあります。
当然ですが、じわじわと応力が加わる(ゆっくりとした温度変化で対応)か、急速に加わる
(急激な温度変化で対応)かでは条件が異なりますが、その変化率も前文記載理由により
軽減されるので有効となります。
最後に、金属側の膜が少し割れが生じても、表面まで達しないことも膜厚を上げれば期待でき、
膜の目的は不明ですが、見た目や保護にも有効と考えられます。
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その他の回答 (6件中 1~5件目)
まず熱せん膨張係数の違いによる割れは
早かろうがゆっくりだろうが割れる
線路が伸びるのと同じ
誰も触れてないみたいだが
境界に不純物などがあり
ガス化すると爆発する
伝達率の差があれば急速(海苔をあぶるよう)にすれば割れない
↑
ガスによる爆発はありゆる
芯まで温めれば線路の話と同じ
軟化温度1000度近くまで上がれば
話は別
お礼
2016/09/14 08:34
ありがとうございます!参考にさせて頂きます。
膜形成の方法におよると思いますが、割れの原因が機材との密着性の問題なのか、基材の熱膨張によるものなのか的を絞る必要があると思います。
膜形成時に大きな温度変化があれば、膜に残留応力が生じる可能性があり、温度上昇でこれが緩和することも考えられます(メッキ処理後のエージング)。
薬剤の影響や表面張力,静電気など表面物理・化学的な要素も考慮しなければいけないかもしれません。
実際のひずみが測定できれば?以下参考です。
参考
http://www.eng.tottori-u.ac.jp/reports/vol_38/pdf/01kitaoka.pdf
お礼
2016/09/14 08:36
密着性については問題ないようです!ありがとうございます。
「温度差」とは基材と膜の温度差。徐加熱すると温度差が小さくなる。
薄膜に発生する応力が引張応力になることが危険。このため徐加熱も重要だが、冷却時の徐冷却はより重要。
「熱応力の式 ヤング率x線膨張係数x温度差」について。
1)なぜ基材と膜の特性区別がないのか。
2)なぜ加熱速度の影響がないのか。
この式は単純物体を急加熱あるいは急冷したときに表面に発生する応力の式。温度差とは内部と表面の温度差なのだが、実際には、加熱や冷却以前の物体の温度と、加熱あるいは冷却媒体の温度の差を使用する。
つまり加熱あるいは冷却された瞬間に表面は媒体と同じ温度に、内部は元の温度のままと仮定し、発生し得る最大の応力を計算するもの。実際の温度差はもっと小さく、しかも徐加熱、徐冷却ならさらに小さくなる。
質問のような基材と膜の場合は、当然温度差は基材と膜の温度差になり、それぞれのヤングと熱膨張係数を考慮しなければならない。
膜に発生する応力が引張と圧縮のいずれなのかも重要。
「加熱時には割れるが冷却時には割れない」
「ゆっくり加熱すると割れにくくなるのか」
「膜厚を10倍にしたら割れなくなった理由」
正しい答が欲しいなら基材と膜の材質、厚さを含めた寸法、加熱温度、加熱方法、冷却方法などの情報が必要。
10mm厚の基材に100nmの膜なら「ハの字やソの字」にはならない。
膜材質と温度によっては、塑性変形など考えられないし、亀裂が途中で止まることもない。
同じ10mm厚でも、10mm角と100mm角では事情が違う。
加熱冷却方法が熱衝撃なのか炉加熱や放冷なのかで回答が異なる。
回答(1)の内部応力のある膜なら、膜厚を大きくすると割れやすくなるのが普通。
お礼
2016/09/13 07:56
そうですね。あくまで基材と膜との温度差ですね!
冷却も注視しますが、現状では加熱時に割れが発生しています。
加熱/冷却が速く温度が不均一になれば、熱膨張の具合も不均一となり応力は増します。
ヒートショック試験では80℃から-40℃冷媒に突っ込むことをやるが、同じ温度での気相熱衝撃試験よりもあきらかに苛酷。
JISにもそのような試験があります。
JIS H8504 めっきの密着性試験方法
http://kikakurui.com/h8/H8504-1999-02.html
21.2熱衝撃試験
JIS H 8451 遮熱コーティングの耐はく離性試験方法
http://kikakurui.com/h8/H8451-2008-01.html
何の金属でどういう膜なのか判りませんが、条件を振って試せば判ると思います。解析は後講釈。
熱応力は、ヤング率x線膨張係数x温度差
これは二つ以上の異なる材質が組合わされ、温度変化が緩やかな定常現象の場合で、熱応力は地点を問わず均一。
温度変化が急で時間が絡む過渡現象は、単一材質でも熱応力が発生し歪みが現れ、地点での均一さは無いことが普通。
熱伝導性良い金属でも厚さがあり温度が不均一になる場合は起きるが、ガラス、セラミックス、超硬など熱伝導性が悪く、かつ硬くて脆い材料ほど問題になる。これらでは熱衝撃は禁物。
http://www.sun-yell.co.jp/tainetusyougeki.htm
http://www.kyocera.co.jp/fcworld/charact/heat/heatresist.html
http://www.everloy-cemented-carbide.com/knowledge/faq.html
なので薄膜特有の現象ではないのです。
過渡現象というコトバ、検索しても電気系ばっかりで機械系では馴染みがありません。
wiki の過渡現象もこれ
力学系における過渡現象
この節の加筆が望まれています
本件は熱衝撃といえば何となく。
衝撃荷重の計算では、静かに置くだけで静止荷重の2倍で、鋼球落下では数百数千倍に達する。
それらは一旦、電気系で扱う方が易しく、その後に機械系に置き換える
機械系と電気系のアナロジー
http://www.rm.mce.uec.ac.jp/lecture/mech/MechCircuitMatrix.pdf
お礼
2016/09/13 08:45
非常に勉強になりました!なんでも均一というのは難しいですから、そのあたりの影響も無視できないですね。
>金属に膜が形成されている
薄膜は、形成方法、形成する速度、温度などに関係して、それ自体に大きな
応力が内在すると考えた方がいいと思います。
(1)内部応力によるバイアスがかかるので、膜にかかる応力は、
ヤング率x線膨張係数x温度差±内部応力 ということになり
温度差と応力は比例関係にならないと考えられます。
(2)内部応力は、温度を上げることにより、開放される可能性があると思い
ます。温度による応力開放(アニール)は、時間をかけることで進行する
ので、温度を急に加える場合と徐々に加える場合で割れの発生に差があっ
ても物性の理屈矛盾しているとは思えません。
お礼
2016/09/13 07:54
初期に弱めの温度である程度の時間加熱することで、応力が開放される可能性もありますね!検討したいと思います。ありがとうございました。
お礼
2016/09/13 08:47
丁寧なご説明ありがとうございます。勉強になりました!
単純な質問ですが、厚みを増したら割れは発生しにくくなるものでしょうか?
厚みを10倍にしたら、割れが発生していないように見えるのです。
見えるだけかもしれません。
返事がおそくなり申し訳ありません。
たいへん勉強になりました!
ありがとうございます。