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真空引き後の酸素濃度とは?
2023/10/20 08:18
- 大気圧から1000[Pa]に真空引きする機器では、酸素濃度がどのように変化するのか疑問です。
- もし機器内チャンバー雰囲気が不活性ガスで置き換えられず、大気中と同じ組成の場合、酸素濃度は2100ppmとなるのでしょうか?
- 質問者は酸素濃度計を持っていないため、この点について質問しています。
真空引き後の酸素濃度
2020/03/09 14:57
大気圧(101330[Pa])から1000[Pa]に真空引きすることができる機器があります。機器内チャンバー雰囲気は不活性ガスで置き換えをせず、大気中と同じ組成の場合、酸素濃度は210000ppm → 2100ppmとなるのでしょうか?
あいにく酸素濃度計がなく質問させてもらいました。
質問者が選んだベストアンサー
回答(2)の続きです。
酸化防止が目的なら、やはり「分圧」で考える方が簡単ですし、よい助言を得られやすいと思います。
(酸化能力≒酸素分子表面衝突回数なので、分圧その物と同じとみなせる)
どうしても「濃度」で表すなら、先の回答の後者に当たる「空間体積に対する大気圧換算の酸素の体積割合」という定義を採用する必要が有ります。
大気圧100kPaのうち、21%が酸素なので、その分圧は21kPaです。
そして、大気圧で100ppmの時の酸素分圧は10Paに相当します。
全圧を大気圧の100kPaから1kPaに減圧しても、酸素分圧は210Paにしかなりません。後、1桁ちょっと下げる必要が有ります。
方法は2つで、
1つは真空ポンプを交換し、減圧能力を強化する方法です。
油回転ポンプやスクロールポンプ、多段ルーツポンプなどなら、0.1Pa位まで減圧できます。
もう一つは、不活性ガス置換の併用です。
1kPaまで減圧した後に、不活性ガスを大気圧まで充填します。充填だけでは、酸素分圧は210Paのままですが、再度減圧をする事で、酸素分圧を2.1Paまで減らすことができます。
ここで、使う不活性ガスは一般工業純度で十分です。99.9%純度だとしても、充填される99kPaのうちの0.1%つまり、99Paまでしか酸素は含まれないので、酸素分圧は充填後も最大309Pa、再減圧すれば3.09Pa以外となります。
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その他の回答 (3件中 1~3件目)
「何に対する濃度なのか?」を明確にする必要があります。
よくあるのは「全気体分子中に対する酸素分子の割合」です。この場合は真空引きしても、他の気体も酸素と同様に減るので、酸素の質量濃度は210000ppmを維持したままとなります。大抵の場合の「濃度」はこの考え方で使われています。
真空排気で210000ppm → 2100ppmとなるような考え方ができる濃度となると、「空間体積に対する酸素の標準状態換算体積の割合」になります。しかし、この考え方はあまり見かけません。
基本的には、真空排気後の圧力のうちどれだけが酸素分子で発生しているかを表す「分圧」という形式を用いることがほとんどです。
あと、先の回答者の方が、真空排気はガス種によって効率が異なると言っていますが、これは高真空以上の真空に排気する場合の話です。
中真空から高真空の境目付近で気体分子間の衝突が無くなることが多く、連続流体ではなく、残留気体分子個別のピンボール状態として扱いを変える必要が出てきます(分子条件といいます)。このため、高真空以上では、排気効率がガス種に大きく依存して変わるようになります。
補足
2020/03/12 18:31
回答ありがとうございます。
本装置は、真空引きすることで簡易的に低酸素雰囲気を作り出す(不活性ガスが不要)機能を持っています。プロセスが酸化を嫌うため、100ppmレベルを目指しているのですが不活性ガスでの置換がないと厳しいのかなと思っています。
お礼
2020/03/24 14:29
回答ありがとうございました。分圧で理解できました。不活性ガス置換ができそうなので試みてみます。