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振動の測定方法
2023/09/06 13:25
- 2軸の旋盤で端面旋削を行なっている際、タレット旋回時に振動が発生し、端面に影響を与えてしまうことがあります。
- 振動の原因は機械本体の振動か逆側の主軸の振動かを調べるために、ピックを取りつけて測定する必要があります。
- 作動油が振動を伝えている可能性も考えられますが、周波数を特定するためにはさらなる調査が必要です。
振動の測定方法
2003/12/15 23:12
2軸の旋盤で端面旋削を行なっているのですが、タレット旋回時に逆側主軸に取りつけたワークの端面に振動(端面に垂直方向)が発生し、端面がびびってしまいます。
このタレット旋回時に、機械本体が振動しているのか、逆側の主軸が振動しているのかを調べたいのですが、それには機械から完全に離れているところにピックを取りつけ、主軸&機械本体の振動を測定しなくてはならないと思います。
基本的には動かないものにピックを取りつければ良いと思うのですが、良い方法・経験談等ありましたらご教授下さい。よろしくお願いします。
補足させていただきます。
タレット旋回時とありますが、振動が発生するのはタレットがZ軸方向に動く時(両津さんの言われているところ)です。
説明不足で申し訳ありません。
両津さん、kinko-zさん大変参考になるアドバイスありがとうございます。
おっしゃられる様にワークの固定条件やチップの逃げ面磨耗等の影響はありそうですね。早速、調べてみたいと思います。
ところで、振動の原因の1つの案として作動油が振動を伝えているのではないか?(タレットZ軸方向に移動時に逆側タレット、油圧チャック等へ作動油を伝わって振動が生じる)
という考えがあるのですが、こういった場合に作動油から振動が伝わっているということを周波数から特定する事は可能でしょうか?
アドバイス等ありましたら、よろしくお願いします。
質問者が選んだベストアンサー
両津さんは機械剛性と振動の観点から述べられたので、私は共鳴現象を中心に述べます。
材料を主軸に固定して端面加工を行うと、共鳴によるビビリが発生することがあります。これは材料の剛性そのものが不足していたり、バイトの剛性が不足する場合によく現れる現象です。
端面加工における不安定なビビリ現象の多くは、刃物の逃げ面摩耗が進み、切削表面を擦っているために、機械の振動など他からのエネルギーを敏感に拾い、共鳴(ビビリ)することが原因です。
従って、この様な場合、対策としては三通り考えられます。
第一は、刃先の摩擦抵抗を変えることです。
刃先の逃げ面摩耗の影響を減らすために切り込み量の変更、逃げ角を大きめにとる、あるいは逃げ面摩耗のない新しい刃先に交換するなどが有効です。
第二は、共鳴条件を替えてやることです。
材料の固定如何によっては突き出し長さや直径で共鳴現象があり、端面加工時に共鳴点に近い条件であれば、他からのちょっとした刺激で共鳴を誘発する(びびる)ことがあります。この様な場合は、材料の剛性を高めるとか、固定方法を変更するなどで共鳴周波数を変えてやれば良いと思います。
第三は、他からのエネルギー供給を絶つことです。
タレット旋回時の音はどうでしょうか。音が出るということは、そこでエネルギーの放出があるわけで、音波は金属の中をほとんど減衰せずに伝搬しますね。もし大きな衝撃音が出ているようであれば、旋回速度を遅くするなどの対処で、この部分でのエネルギー放出が緩和され、ビビリの引き金を引かずに済むのではないでしょうか?
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その他の回答 (4件中 1~4件目)
2軸と書いてありますが、2スピンドルではないですか?
参考になるか分かりませんが、2スピンドルでの僕自身の経験談を上げますと。
まず、振動を抑えるのは不可能に近いと思います。
少しの軸移動やターレットの旋回で振動は出ます。
ですから、プログラムで、仕上げをする時は片側の軸移動は停止させた方が良いと思います。
どれだけ剛性のある機械でも、機械内で振動が発生するのは抑えられないと思います。
先日勉強しましたが、機械の配線の干渉でも振動が発生することがわかりました。
と言う上記の経験では、機械全体が振動していると僕は思います。
お礼
2004/02/01 02:28
2軸→2スピンドルということです。
アドバイスありがとうございます。
kinko-zさんからの解答も非常に興味深い内容ですね。kinko-zさんのご意見も踏まえて、少し補足したいと思います。
自分自身も、バイトもしくはワーク剛性の関係から切削条件を変えることで、基本的にはこの問題に対処できるだろうと考えています。まず振動を現象としてとらえるには? という観点からの説明を重点としたので、私の説明は少し偏った感があったかも知れません。
kinko-zのご意見のうち、逃げ面での摩擦条件がポイントということであれば、バイトの自励振動ということですね。これはバイトの剛性を一定とすれば、切り込みや切削速度を変えるか、kinko-zさんのいわれるように逃げ角の変更などで有効な対策ができると思います。
第2のご意見ですが、ワークの材質を変えるわけにはいかないでしょうから、ワークのチャック方法やワークの加工手順を変えることができれば、結果としてワークの剛性を変えることが可能でしょう。もちろん、不要なバイトの突き出しを避け、バイト側の剛性を稼ぐ工夫も重要です。
第3のご意見に対してですが、これはタレットの旋回速度より、むしろタレットが旋回して着座する時の加振力のほうが大きいと思われます。最近の工作機械は転がり案内をZ軸駆動系(旋盤であればタレットの平行移動軸ですね)に使うなど、高速化を図りながら結果として摺動ベッド式に比べて低剛性・低減衰構造の方向でのものも実際に市場投入されていますので、これらの要因による精度や面粗さへの影響も加工現場では実際に耳にします。kinko-zさんのご意見にもし現象が従うとするなら、機構の構造減衰が非常に低いということでしょうね。
バイトの自励振動にしろ機構などの共振にしろ、振動している部分の固有振動数と主軸速度によってびびりのピッチが決まるため、振動している箇所の特定が可能と思います。ここを観察することも問題解決には有効です。
お礼
2004/02/01 02:26
大変良い勉強をさせて頂きました。
ありがとうございます。
質問されているような振動計測は、各部の変位ではなく、振動を計測したい位置に加速度ピックアップを取り付けて、その場所の振動加速度を計測します。これは、各部がどのような周波数成分で揺れているかを計測することで、機械の剛性やその結果として決まる固有振動数を求めたり、どのような形状に変形しながら機構全体が振動するかなどを把握するためで、機械の振動対策はこれらの結果からその方法を決定します。
今回の質問は、振動現象の把握と言うよりは、おそらくお手持ちのピックテスタで機械各部の振動を変位として計測し、どこが実際に揺れているか確認したいということだろうと思います。
機械から独立した固定点で基準になりそうなのは通常は床と考えがちですが、変位の基準とすると、以外に床振動の存在が大きく影響します。これは、比較的静かな環境でも床振動の振幅として数ミクロン以上は十分あることと、ピックアップを載せる画題がそれほど剛性が確保できない(背が高いフレームになる)ことにより、床振動の影響を受けてフレーム自体が振動し、ピックアップを支持する部分が大きく振動してしまうためです。実際の機械各部の振動と分離するのはおそらく困難だと思います。
どうしてもピックアップの計測を試してみるのであれば、周辺の機械が停止した状態で、できるだけ頑丈なフレームを準備して試してみて下さい。
ちなみに、本当に主軸の振動でしょうか?
タレットの旋回程度で主軸が振動するとすれば、逆に機械自体の剛性が低いことになります。むしろバイトが振動するか、ビビリ自体がまったく別の要因とは考えられないでしょうか?
お礼
2004/02/01 02:25
ありがとうございます。
大変勉強になりました。