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ウォームギヤの逆転条件とは?セルフロックの原理について
2023/10/14 20:22
- ウォームギヤ(減速機)のセルフロックの原理について解説します。
- ウォームホイール側からの荷重が摩擦抵抗を超えると逆転現象が起きる仕組みです。
- 逆転現象を予測するための計算方法についても説明します。
ウォームギヤの逆転条件(セルフロックとは?)
2006/11/03 09:58
いつもお世話になっております。
ウォームギヤ(減速機)を使用した機器を検討していますが、セルフロックの原理が良く理解出来ません。
資料等によれば「歯面の摩擦で…」等と書かれております。これは逆手に取るとウォームホイール側から何らかの荷重(回転)を与え、摩擦抵抗を超えるとウォームが回転して逆転現象が起きる?との解釈で良いのでしょうか?
また、この逆転現象を計算により予測することは可能なのでしょうか?
アドバイス、計算方法等についてご教示下さい。
宜しくお願い申し上げます。
質問者が選んだベストアンサー
色んな意見がありますが実際の機械においては逆転現象は発生します。回答4,5で仰られている通りのメカニズムだと思います。
当方では年間数万台のウォーム式減速機を生産しておりますがこの逆転現象はある条件下で発生しております。また、製品においては逆転現象が起こらないようモーター側で制御を施したり、逆手にとって一部利用したりしているのが実際です。
当方での経験則から回答3にて計算されている式で大体の予測が可能なようです。
現状リード角3.8°、モジュール1.5又は2、ウォーム径35、減速費1/20、ウォーム材質S35C、ホイール材質POM、グリス潤滑にて逆転現象は発生しております。おおよそのμは静的には0.1前後、動的には0.05前後になっているようで、上記の条件だと0.067>0.05なので逆転現象が発生しているようです。
ただ逆転現象が発生するリード角はこの辺りが限界のようです。ですので回答4で仰られている4°は実用上良い線だと思います。これに潤滑による幅を持たせれば計算でかなりの精度が期待出ると思います。
ではご検討を祈ります。
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その他の回答 (7件中 1~5件目)
逆もまた真なり!とはいきません。普通のねじをナットを引っ張ったからといって回りませんから。そんなことが起きたら世界中の車が分解です。
逆転の為に入力された力が摩擦力で消費されて出力の回転に有効に伝わらないのです。坂道の荷車を水平方向にいくら押しても上に上がらないのと同じです。無理に押せば壊れます。
判らないときには原点に帰って。世の中義務教育までの知識で足りはずですから。高校の物理って大切です。
ただし摩擦が極端に小さいと逆も成立します。ボールねじとナットでは逆も成立します。軸に圧縮、引っ張り方向に力を掛けると回転します。NC機ではサーボの電源が落ちるとZ方向は重力で落ちます。横方向には手でも押すと動きます。
お礼
2006/11/07 19:32
ご回答有難うございました。基本に戻って再度考えたいと思います。
ウォームとウォームホイールとは、インボリュートなどの曲線を用いて転がり接触をする歯車とは異なり、ねじと同じく面で接触していますから歯面の摩擦が非常に大きいことは御存知の通り。
ねじではこの摩擦があるために、通常のボルトとナットの組み合わせでは、ボルトを回してナットを上下させることはできても、ナットを上下させてボルトを回すことはできません。通常はウォームホイールにトルクをかけてもウォームを動かすことができないのはこれと同じです。
この「通常」という部分を分析すると、san 様のお答えにもあるとおりウォームのリードのねじれ角が摩擦角以下、ということで、イメージとしては、ウォームホイールの材質で作ったクサビの上にウォームの材質のブロックを置いたとき、クサビの角度がブロックが自然に滑りおちる角度以下、ということです。
ところで、ボルトとナットの組み合わせでも、振動などの条件ではゆるむことがありますが、ウォームホイールにトルクがかかった状態でさらに振動が加わると、斜面に置かれたブロックが振動で動き出して滑り落ちるように、ウォームが回される可能性が生じます。
いったん滑り出すと、動摩擦は静摩擦よりも小さいので、他にその動きを阻害する要因がない限り、滑りは止まりません。これが、ウォームとウォームホイールの逆転現象の原因です。
したがって、リードの大きい(ねじれ角の大きい)多条ウォームは別として、ねじれ角がおおむね4°以下の一般的な1条ウォームでは、ウォームホイール側からどれほどトルクをかけても、それが完全に静的な荷重である限りは摩擦力の性質から絶対に逆転させることはできないのですが、外部からの振動や荷重自体の脈動や交番があると、場合によっては逆転してしまう、ということになります。
そこで、これを予測するには? という話となると、装置内部の潤滑や装置外部からの振動までも含むいわゆる複雑系の問題となるので、残念ながら簡単ではないし、多くの条件を前提として予測できたとしても実際的ではありません。
したがって、安全面などで逆転が許されない場合は、lumiheart 様のお答えにもあるように、ウォームまたはウォームホイールのどちらか、あるいは両方に確実なブレーキをつけることが必要となるでしょう。
お礼
2006/11/07 19:30
貴重なご回答有難うございました。参考とさせて頂きます。
↓のジャッキはウォームギア駆動です
リニパワージャッキ
http://www.tsubakimoto.jp/product/detail.html?code=170_2_1_1_2
ウォームギヤジャッキ
http://www.osaka-jack.co.jp/wj.htm
一般的にはジャッキの入力軸にモータを繋いで駆動します
そのモータにブレーキ無しの一般モータを使うと
上昇させる場合には何も問題ありません
下降させるとモータ駆動を停止(電力遮断)しても下降し続ける
場合があります
停止中に何もしなければ下降することはありません
しかし、少しでもモータ軸を下降側に廻すと重力の影響から
ウォーム側から廻されて下端まで一気に下がる場合があります
従ってこのタイプのジャッキを駆動する場合はブレーキ付き
モータを使います
同様にメンテする場合とか、不用意にモータカップリングを外すと
一気に下降する場合があります
お礼
2006/11/04 10:30
ご回答有難うございました。参考とさせて頂きます。
ネジの自動締りと同じと思います。
ボルトとナットが何故緩まないか。摩擦角よりネジのねじれ角が小さいからです。
摩擦角(摩擦により物体が動かない角度)。
ねじれ角(Tanθ=ネジのリード÷ネジの円周)。
通常1条ネジではねじれ角が摩擦角よりはるかに小さいので、ボルトとナットは固定さています(多条ネジのでは逆のことも可能になります)。
ウォームとウォームホイルのとき、ウォームのねじれ角が摩擦角より非常に小さいのです。
計算は摩擦係数と力の分配から出ます。
説明が不足でしたらコメントを願います。
お礼
2006/11/04 10:29
ご回答有難うございました。ギヤの要目を調べて計算してみたいと思います。
基本的に ねじ ですので,ナットに推力を与えてボルトが回転する状態を考えれば一応計算はできますが現実的な解が出てくるかどうかは判りません.
お礼
2006/11/04 10:03
ご回答有難うございました。ご参考とさせて頂きます。
お礼
2006/11/07 19:26
大変貴重なご回答を有難うございました。実際の機器でテストを行い、検証してみたいと思います。