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ばね鋼のばね限界値と寿命の関係
2023/10/15 23:28
- NSS431DP-2というステンレスのばね鋼は、時効処理後に素材の状態が大幅に増大します。
- ばねとして用いた場合、時効処理したものの方が寿命がアップする可能性があります。
- しかし、時効処理による悪影響の可能性や材料の変形については注意が必要です。
ばね鋼のばね限界値と寿命の関係
2008/11/07 14:10
NSS431DP-2というステンレスのばね鋼を選定しているのですが,特性として素材の状態と時効処理後で480MPa→1550MPaと大幅に増大しています.
このことはばねとして用いた場合時効処理したものの方が大幅に寿命がアップすると考えてよいのでしょうか?
もしくは時効処理による悪影響のようなものは存在するのでしょうか?(材料の変形など)
アドバイスのほどお願いします
すいません.大幅に増大しているのはばね限界値です.
回答 (5件中 1~5件目)
比例限界内、弾性限界内、降伏点/耐力、等々の数値ではなく
荷重の変化が、10の6乗程度までなるバネは、疲労限界値を
を使用します。
それが、バネ限界値と同等なんですよね?
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2相ステンレスにDPシリーズを命名した責任者として回答いたします。
バネ特性としては、1の回答通りです。
然しながら、時効処理による強化機構はσ相の析出によるもので、この場合材料の伸びは殆ど出ません。従って、少しでも弾性限界を外れるとすぐ破壊に到りますので、設計上の安全率を十分とってください。
使用条件、設計条件が完全に弾性限界内に入るというなら問題ないと思います。
昔、この材料の高強度性に目をつけたあるオートバイメーカーさんがフロントフォークに採用しようと検討したのですが、この陶器のような性質を見せて諦めて頂きました。
お礼
2008/11/10 15:00
ありがとうございます.
ということは,必ずしも寿命アップにつながらないかもしれないわけですね.途中でいきなり切れたりするということもあるという.
なかなか難しいですね.
補足
2008/11/12 16:52
使用用途としてはコンベアのスチールベルトみたいなイメージです.
ところで,製鋼メーカのS-N曲線を見たんですが,時効処理しても曲線が若干上に行くだけで,あんまり疲労強度自体はあがらないみたいだなぁというのが現在の状態です.
ばね限界値というのは大幅に上がっても疲労強度はそこまで上がらないものなのでしょうかね.
たいていのばねにおいてばねの最大応力は,ばね(限界)荷重に比例します。
当然、素材の強度にも比例します。すなわちA材480MPa→B材1550MPaとは素材
の引張強度が3.2倍に強化されたことになります。ここで問題は疲労限度が
3.2倍に強化するか?です。鋼材の疲労限はおおむね(引張強度)×1/(3~5)で
す。このとき疲労におけるSN曲線が(両)対数グラフ上で直線で表せること,
A材の疲労回数<B材の疲労回数であることを想定すれば,一般に(引張強度の
比)>(疲労限の比)となることがわかります。
大幅に寿命がアップするには違いありませんが,疲労限の向上は引張強度の
向上ほどの期待効果はないことも考慮しておいたほうが良いと思います。
お礼
2008/11/10 14:58
ありがとうございます.
ただこの材料の特性表を見ると,引張強度は上がらずにばね限界値のみ伸びているようです.
大幅に寿命がアップすると考えてよいと考えます。
◆ 時効処理前で、ばね限界値480MPa付近で、バネを設計。
バネが破断する事があった
▲ 時効処理後、ばね限界値が1550MPaとなり、480MPa付近でバネを設計。
バネが破断する事はなくなった。
の様に、バネ設計の伸びと応力で、異なりますが、寿命が大幅に伸びる
要因となる事は、間違いないです。
お礼
2008/11/10 14:57
ありがとうございます
だとするととても助かりますのでテストしてみようと思います.
ばね限界値とはばねの疲労限です。
時効処理すると1500MPaまで疲労限が上がるので
寿命という面では大幅にアップすると考えていいです。
>時効処理後で480MPa→1550MPa
上記が正しければ1000MPaの繰り返し応力振幅だと時効処理しないものは
いずれ壊れてしまいますが、時効処理したものは壊れません。
お礼
2008/11/10 14:56
ありがとうございます.
それはとても助かります.
一度テストしてみようと思います.
お礼
2008/11/12 17:15
ありがとうございます.
そういうイメージだったのですが,よく調べてみると違うもののようです.
ばね限界値はある回数の曲げを加えられたときに一定の塑性変形が生じないという限界値のようです.
あんまり塑性変形しなくても時効処理したものはぽっきりいくのかもしれませんね.