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IGBTの損失と出力電流の関係
2023/10/19 03:16
- 2回路入りIGBTモジュールを12個を一つのヒートシンクに乗せたINV装置の熱損失計算をしていて悩んでいます。
- ヒートシンクは強制空冷で風速と熱抵抗特性はわかっています。実測でもヒートシンクの入口、出口で目的の風速があるのは確認済です。
- 実測するとスイッチング周波数が高い(10kHz)と計算の10%高い電流が流せましたが、スイッチング周波数が中(6kHz)だと殆ど計算との差異がない電流になります。
IGBTの損失と出力電流の関係
2013/12/11 12:15
お世話になります。初投稿で恐縮です。
2回路入りIGBTモジュールを12個を一つのヒートシンクに乗せたINV装置の熱損失計算をしていて悩んでいます。
ヒートシンクは強制空冷で風速と熱抵抗特性はわかっています。実測でもヒートシンクの入口、出口で目的の風速があるのは確認済です。
またIGBTの熱計算は一般に掲載されている熱計算式とデータシートのSW損失(125℃)を使い、SW損失にはゲート抵抗の補正をかけています。
Tc-Taの温度上昇を一定(60℃まで)として、ヒートシンクの熱抵抗から冷却可能な総合損失をもとめ、スイッチング周波数を変化させたときに可能な出力電流はどれくらいかを計算でもとめました。IGBTの損失計算には温度分布等は無視し、マージンとして同様計算式を12個適用しています。
実測するとスイッチング周波数が高い(10kHz)と計算の10%高い電流が流せましたが、スイッチング周波数が中(6kHz)だと殆ど計算との差異がない電流になります。
スイッチング周波数が低(1.5kHz)のときは試験的に無理なのでできませんが、上記の結果をみると、計算値の電流を下回りそうな気がします。
また実測の電流でIGBTの損失計算を確認しますと、電流をとり、スイッチング周波数を落としていくほど総合損失が下がっていきます。
上記の15kHzと6kHzでは3割ほどの差異になります。(6kHzが落ちる)
上記の結果が出てくるのは当たり前なのか、またおかしいのならどこがおかしいかがわかりません。
拙い文章で済みませんが、ご教授いただけると幸いです。
回答 (2件中 1~2件目)
動作電圧と動作電流が同一であれば、スイッチング周波数が増加するに従っ
て損失が増加します。従って、観測なさった結果は理屈に合っていると思い
ます。
データシートのSW損失は、特定の条件下での値と思います。実際にお使いの
C-E間電圧、コレクタ電流、ドライブ条件下では、データシートに記載のSW
損失値と数10%異なっても不思議ではありません。
計算値と実測値を比べて、設計の考え方が妥当であるか確認することは、適
切なことですが、ズレが生じた場合は、実測値の方が真実に近いと捉えて、
設計における仮定条件を修正するようにすることが適切と思います。
IGBTのスイッチングにおいては、電流遮断時に一定時間内に電流が完全に
切れずに尾を引くように減衰する“テーリング”と呼ばれる現象でSW損失が
電圧・電流・スイッチング時間から計算される値よりも増加することが
知られています。このような現象も、実際のスイッチング損失が単純な
式で計算したのでは誤差が多いということの一因になっているように考え
られます。
IGBTの損失計算は、参考URLをご参照下さい。
通電可能な電流に関して、計算値と実測値(温度上昇が限度に達する)とを
比較なさっていますが、計算値をどのように求めたのかが判らないと、
適切に回答することが難しいです。
>またIGBTの熱計算は一般に掲載されている熱計算式とデータシートのSW損失>(125℃)を使い、SW損失にはゲート抵抗の補正をかけています。
>Tc-Taの温度上昇を一定(60℃まで)として、ヒートシンクの熱抵抗から冷却>可能な総合損失をもとめ、スイッチング周波数を変化させたときに可能な出>力電流はどれくらいかを計算でもとめました。
上記のとおり記載なさっていますが、これだけでは十分に理解できません。
具体的な式と数値をご呈示頂けないでしょうか?
また、1.5kHzで動作させることが難しいように記載なさっていますが、
何で難しいか分かりません。理由は何でしょうか?
1.5kHz動作では、6kHz動作よりも、損失が減るのですから、通電可能な電流
の絶対値は6kHz動作より増えることになります。これで不都合なのでしょう
か?
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スイッチング素子はいずれも切り替わる時のアナログ領域が無視できません。
切り替わる瞬間は大きな損失が出ますので切り替わる回数(周波数)が
大きくなると損失も増えます。
これはゲートのドライブ能力とか内部の容量などによって変わりますので
文献を検索して参考にしてください。
G-E間も容量がある以上、瞬時にONになったりOFFになったり
することはありません。
かならず10nsecとかの時間をかけて変化しているはずです。
また、C-E間も時間がかかります。
その間はとても大きな損失となりますから、その部分を考慮する
必要があります。
ドライブ容量が十分足りているという表現はそのへんの波形を
観測してみれば理解できると思います。
補足
2013/12/11 13:28
回答ありがとうございます。
アナログ領域はIGBT素子でいうと、C-E間でしょうか、G-E間でしょうか?
C-E間でいえば、IGBTのドライブ容量が十分足りている場合、素子のデータシートの各SW損失-Io特性と各SW損失-ゲート抵抗から計算できると考えています。
周波数が増えることによって損失も大きくなり、出力電流を低減させてます。
周波数が高いときはSW損失エラーが多く、低いときはSW損失エラーが少なくて実測と計算との差が出ている感じでしょうか?
補足
2013/12/12 10:16
ご回答ありがとうございます。
説明不足で申し訳ありません。参考に頂いたアプリケーションはこちらでも入手していました。
これによるとヒートシンクに乗っているのがIGBTのみならば、その総損失とヒートシンクの冷却可能損失が同じになるとのことです。
ヒートシンク熱抵抗と風速から今回ヒートシンクが冷却できる損失を6000Wとしました。
この6000WがIGBT12個の総損失としてスイッチング周波数と出力電流値を計算しました。
これに対して実測では、
スイッチング周波数 電流 総損失
15kHz 計算値の110% 8200W
6kHz ほぼ計算値 6200W
↓
1.5kHz ??? 5200W?
となってしまうのかが懸念されます。これはもう1.5kHzを測定するしかないのでしょうか。。。
Tc-Taは一番高いと想定されるIGBTの直下と吸気温度からとってます。
Tc-Taの温度上昇が同じなら、上記の総損失の結果が同じくらいになると想定していましたが、結果総損失がだんだん下がっている結果です。
これはヒートシンクの冷却熱量が実は少ない、になるのかそもそもIGBTのデータシート値とは別のSW損失推移なっているとの要因がありそうですが、その他には原因となるものがあるのでしょうか?